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ユニクロ柳井正の農耕民族経営 同じことの繰り返し&精緻化で同一事業領域を深掘り

2014年05月12日 07時37分05秒 | 経済
 ユニクロなどを展開するファーストリテイリング社長の柳井正氏と、ソフトバンク社長の孫正義氏は、実質的な創業社長として現在日本における2大名経営者だと思います。

 ビジネス拡大の手腕については、ともに稀有というべき実績を残してきた2人ですが、その経営手法やスタイルには大きな差異が見られます。

 差異の筆頭ともいえるのが、「ビジネス・ドメイン」との関わり方でしょう。「ビジネス・ドメイン」とは「事業領域」と訳されています。

●柳井氏は同一ドメインの深掘り

 柳井氏の場合は、地方都市の一洋品店であった小郡(おごおり)商事の2代目を継いだ時から現在に至るまで、ほぼ一貫して繊維産業とその流通業のカテゴリーの中で業容を拡大してきました。途中、野菜の小売りなど、私たちの目をむかせるような寄り道をしたこともありますが、たちまち撤退し、本業に回帰しています。

 ファストリがグループとして傘下に入れている企業やブランドは次のようにすでに10以上ありますが、いずれも衣料業、あるいはその流通業といえます。

・CANDISH(キャンディッシュ):靴全般の小売店ならびに婦人靴ブランド
・GU(ジーユー):ファミリー向けカジュアル衣料ブランド
・セオリー:アメリカ発の総合ファッションブランド(09年7月に完全子会社化
・株式会社キャビン:婦人服専門店チェーン(07年12月完全子会社化、10年9月にリンク・セオリー・ジャパンに吸収合併)
・ZAZIE(ザジ)
・Real Riche(リアルリッシュ)
・e.a.p.(イーエーピー)
・enracine(アンラシーネ)
・we-nge

 近年、ファストリはミーナという商業施設を展開し始めましたが、これも衣料流通業の延長線上ということで、「ドメイン・ジャンプ」を試みているわけではありません。柳井氏は衣料を核としたM&Aには引き続き意欲的で、14年3月にはアメリカの衣料大手Jクルー社をめぐる50億ドル規模での買収交渉があったと報道されました。ただしその後、合意に至らなかったとも報道されました。

 柳井氏は、20年に売上高を現在の5倍に当たる5兆円にする目標を掲げているわけですが、それが実現するとなると、その時は海外での売り上げが大半を占めていなければ不可能だと筆者は考えています。

 ファストリが14年8月期の業績予想として発表している内訳を次に掲げます。

 事業別 売り上げ予想 対前年比
 国内ユニクロ事業 7,150億円 +4.6%
 海外ユニクロ事業 4,000億円 +59.2%
 グローバルブランド事業 2,530億円 +22.7%
 合計 1兆3680億円 +19.9%

 表から、現在の基幹事業である国内ユニクロ事業が成長限界に近づいてきていると見ることができます。ここから20年までの6年の間で総売り上げ5兆円を達成するためには、海外ユニクロ事業とグローバルブランド事業の2つのカテゴリーでの大飛躍が必要となります。

 グローバルブランド事業は海外におけるM&Aが一番てっとり早い、というかそれしかないわけです。大型案件であったJクルー社買収には頓挫したようですが、今後いくつもの案件が出てくるでしょう。

 ちなみに柳井氏自身は米国での事業展開について、次のように語っています。

「今までは(欧州の存在感が大きい)大西洋の時代だが、今からは太平洋。中国からインド、南米まで含め、すごい経済圏になる。(要となる米国は)我々が世界一のアパレル製造小売業になるなら、絶対に無視できない市場だ。(売上高は)1兆円くらいないといけない」(14年3月27日、米ニューヨークでの共同記者会見)

●柳井氏の農耕民族経営

 いずれにせよ、5兆円を目標として意欲的に事業拡大を続けている柳井経営は、ドメイン的には同じ領域の中での展開です。ファストリ・グループの今までの成長は、展開地域がグローバルになり、複数ブランドの所有だったり、他社のブランドや流通力を買収したり、というようなことにより実現されてきましたが、事業領域的には集中して衣料および関連流通業の領域にとどまっています。

 柳井氏の経営の特徴はつまり、衣料事業というカテゴリーの中で独自のビジネス・モデルを構築し、それを徹底的に精緻化して磨き込んできたところにあるのです。

「ビジネス・モデル」というのは「独自な仕事のやり方の合わせ技」と言い換えることができますが、柳井氏が実現したビジネス・モデルには次のような合わせ技があります。

(1)ユニクロというブランド・ショップを始めて、それを多店舗展開してチェーン化をした。
(2)ファストリにより有名となったSPA(製造小売り)方式の本格的な導入
(3)中国での大量委託製造とそのコントロール(サプライ・チェーン・マネジメントの確立)
(3)新素材開発のため、東レとの戦略的で本格的な提携
(4)対面販売でなく、顧客が自分で選んで会計を済ませるセルフ方式の徹底
(5)「使った後でも返品自由」などの、顧客との信頼感醸成策

 そして確立したこれらのビジネス・モデルを地域的に、あるいは他社を買収したりして拡大しようとしています。これは、同じことを繰り返し、その精度を年々上げていこう、そして同じ土地で実現していこうという、農業の方法論と通じるところがあると思います。
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)
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世界有力企業2000社、中国企業がトップ3を独占―米誌

2014年05月12日 07時26分51秒 | 経済
2014年5月9日、米経済誌フォーブスが発表した2014年版の「世界有力企業2000社」で中国企業がトップ3を独占し、トップ10のうち半数が中国企業となった。国有持株企業の中国工商銀行は2年連続で1位となり、中国建設銀行は2位に、中国農業銀行は順位を5つ上げ3位になった。フォーブス中国語版(電子版)が伝えた。


中国4大国有商業銀行の最後の1行、中国銀行も9位となり、トップ10入りを果たした。中国石油天然気は10位にランクインした。米国がトップ10の残りの5席を占め、時価総額のトップ5はアップル、エクソン・モービル、グーグル、マイクロソフト、バークシャー・ハサウェイの順となった。ランクインした日本企業のうち、トヨタが最高の12位につけた。三菱UFJフィナンシャル・グループは37位、三井住友フィナンシャルグループは56位となった。


ランクインした企業数を見ると、米国が依然として抜きん出ており、564社に達した。日本は225社で米国に続いたが、その数は前年より26社減少した。中国企業(香港を含む)は25社増加し、計207社となった。


ランキングを見ると、どの業界が世界のビジネスを支配しているかが理解できる。銀行・金融機関が467社に達し、最大の集団としての地位を維持した。これは各社の莫大な売り上げと総資産によるものだ。その他の3大業界は石油ガス(125社)、保険(114社)、公共事業(110社)となった。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/TF)
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