日銀の黒田東彦総裁は6日、東京都内で講演し、「賃金上昇と物価上昇はコインの裏表。物価上昇に賃金が追いつかなければ、消費が減少し、値上げを維持することは困難になる」と述べ、2%の物価上昇目標の実現には賃上げが不可欠だとの認識を示した。政府と経済界による5日の「官民対話」で安倍晋三首相が賃上げを要請したのに続き、企業に積極的な賃上げを促した格好だ。
企業収益は円安や株高を背景に過去最高水準に達しているが、新興国経済の先行き懸念などを背景に、設備投資や賃上げの動きは鈍いまま。日用品など相次ぐ値上げによって家計の負担感は高まっており、日銀は「所得から支出への好循環」のシナリオが狂うことに警戒感を強めている。
黒田総裁は講演で、今の企業の姿勢について「高い収益を(円安など)一時的な追い風ととらえている」と分析。そのうえで、デフレ脱却が実現すれば、金利上昇で借り入れコストが膨らむほか、雇用確保もさらに難しくなることから「先に(デフレ脱却への)流れに乗った企業が勝ちます」と強調。稼いだお金をできるだけ早く賃金や設備投資に振り向けることを推奨した。【中井正裕】
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企業収益は円安や株高を背景に過去最高水準に達しているが、新興国経済の先行き懸念などを背景に、設備投資や賃上げの動きは鈍いまま。日用品など相次ぐ値上げによって家計の負担感は高まっており、日銀は「所得から支出への好循環」のシナリオが狂うことに警戒感を強めている。
黒田総裁は講演で、今の企業の姿勢について「高い収益を(円安など)一時的な追い風ととらえている」と分析。そのうえで、デフレ脱却が実現すれば、金利上昇で借り入れコストが膨らむほか、雇用確保もさらに難しくなることから「先に(デフレ脱却への)流れに乗った企業が勝ちます」と強調。稼いだお金をできるだけ早く賃金や設備投資に振り向けることを推奨した。【中井正裕】
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