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ソフトバンク、携帯世界3位へ スプリント買収に「全精力を注いだ」

2013年06月21日 07時32分38秒 | 経済
 ソフトバンクの米携帯電話3位スプリント・ネクステル買収が予定通り、7月上旬に完了し、世界3位の携帯電話グループが誕生する。

 スプリント買収をめぐり、米外国投資委員会など米当局の承認に向け、ロビー活動を含めて「全精力を注いだ」(関係者)というソフトバンク。4月にディッシュが対抗買収案を発表した際には、驚いたものの「当社が断然有利。買収額引き上げの必要はない」(孫正義社長)と余裕の構えを見せた。

 その裏には、スプリントの買収総額201億ドルについて、1兆6500億円(1ドル=82・2円)で為替予約した“円安差益”を「追加投資に充てれば勝てる」との読みがあった。最終的に、買収額を216億ドル(支払総額1兆8000億円)に引き上げたが、孫社長にしてみれば「想定内」だ。

 しかし、ディッシュは、スプリントが完全子会社化するはずだったデータ通信会社クリアワイヤへの株式公開買い付け(TOB)で対抗しており、火種は完全に消えたわけではない。

 スプリントはクリアワイヤの取締役会と、50%強の株式保有率を100%に引き上げることで合意していたが、ディッシュが対抗買収を提案。買い取り額はスプリントが1株3・40ドル、ディッシュは4・40ドルだ。

 これに対し、クリアワイヤが招集した外部メンバーの特別委員会は、株主にディッシュへの株式売却を勧告し、スプリントが両社を提訴する事態に発展。ディッシュはTOB期限を7月2日に延期したが、「株主は裁判所の決定が出るまで判断しない」(ソフトバンク)とみられる。

 最大160メガヘルツ幅で、大手携帯電話事業者並みの広い周波数を持つクリアワイヤは、ソフトバンク-スプリント陣営にとってまさに「宝の山」。

 「大手株主との売却契約を入れると、65%はスプリントの手にある」。こう自信をみせる孫社長だが、スプリントの成長ビジョンの優位さを株主に明示できるかが、重要なカギになる。(芳賀由明)

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