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韓国・平昌五輪に英EU離脱の「追い打ち」…膨らむ予算に集まらぬスポンサー

2016年06月29日 08時01分21秒 | 海外情報
 開幕まで1年8カ月となった韓国・平昌冬季五輪に、英国のEU離脱ショックが直撃。先週、各地に散らばっていた五輪組織委員会の事務所が開催地の江原道・平昌の新庁舎に移設され、いよいよ準備も本格化しようとした矢先の激震に、関係者の戸惑いの色は隠せない。

集まらぬスポンサー

 聯合ニュース(電子版)は事務所移設の記事の中で、大会開催に向け問題山積と伝え、「スポンサーからの目標収入額8500億ウォン(約760億円)が、まだ8割程度しか集まっていない」と嘆いた。

 韓国経済の冷え込みの影響で、平昌五輪のスポンサー収入は当初からなかなか集まらなかった。組織委員会は運営予算約2兆540億ウォン(約1955億円)のうち8500億ウォンを国内企業のスポンサー契約で賄う計画だが、中央日報電子版によると、特に金融機関が及び腰。理由について「実益が足りないという(銀行側の)判断のため」と指摘している。

 韓国の金融機関はサムソンや現代・起亜自動車グループなど五輪スポンサーとして名乗りを上げている国際的メーカーに比して規模、収益力とも弱く、2015年度のWEF(世界経済フォーラム)調査による銀行などの強さを示す「金融市場の成熟度」で144カ国中80位と低迷。銀行にとっては、経営基盤が脆弱なのに効果があるやらわからない冬季五輪のスポンサーになるのはかなわんというわけだ。

それでもお金はいる

 現在の五輪組織委員長は5月に就任したばかりの李煕範(イ・ヒボム)氏。産業資源部長官を歴任した元経済官僚だ。前委員長の財閥「韓進グループ」会長、趙亮鎬(チョ・ヤンホ)氏が経営難に陥っている傘下の韓進海運の立て直しのために辞任したため、急遽就任した。

 新庁舎に入った李委員長は、お役人らしくさっそく予算の増額に言及した。地元紙江原日報のインタビューに「2兆2000億ウォン(約1980億円)に縛られていた組織委の総事業予算を増やす案を政府と議論中」と話し、理由について「2兆2000億はIOC(国際オリンピック委員会)に提出した際の予算。競技場など工事の過程で予想できない費用の所要もあったので追加予算がかかる」と説明。政府に8000億ウォン(約720億円)程度の増額を要求したという。

 こういうことをシレッとのたまう神経は何も韓国のお役人だけに限らないが(近くの国にもいる)、資金不足で苦労している現状に対してどこか現実離れした感覚といえる。

英EU離脱ショック

 資金不足に追い打ちをかけるのが、英国EU離脱ショックだ。

 中央日報電子版は地元大学特認教授の「英の離脱でEU経済が低迷すればEUへの輸出が20%水準の中国は直撃弾を受け、さらに中国に中間財を輸出する割合が大きい韓国経済に影響を及ぼしかねない」というEU→中国→韓国の「玉突き事故」による経済危機に言及。また、韓国企業が法人進出、企業買収合併などで英国に投資した103億ドル(約1兆400億円)がリスクにさらされていると指摘している。

 半導体や鉄鋼、造船といった主力メーカーが中国の追撃を受け、今年に入って輸出総額が前年同期比18%強落ち込むなど、ただでさえ苦境に立つ韓国経済。家計の負債も昨年末時点で1207兆ウォン(約109兆円)と過去最高を更新するなど明るい兆しがみえない。

 経済苦境によるスポンサー不足、資金難は解消されるのか。五輪開催までの道はまだまだ険しい。

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