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海の家、露天風呂……ドローン普及で懸念される“盗撮”問題「秋葉原では盗撮技術のアドバイスも」

2015年05月21日 05時36分38秒 | ニュース
 小型無人機「ドローン」の使用が各地で物議を醸している。4月に首相官邸に発炎筒を搭載したドローンが侵入した威力業務妨害事件に続き、長野では善光寺で9日の法要中に落下事故があり、阿部守一県知事が公園などでの使用禁止を検討する条例案を明かした。15日から開催の東京・浅草三社祭でも主催団体からドローン撮影の自粛が呼びかけられ、こうした規制の動きはほかでも続々とみられる。

 三社祭の関係者は「もしテロ行為であっても、飛んでいるのを見ただけでは(単なる撮影と)区別がつかない。事故の危険もあるので、法規制していかないと大変なことになる」と話した。

 このドローンには身近でさらなる悪用の危険性があり、そのひとつが盗撮だ。ドローンを以前から愛用しているエンジニアの石谷肇さんによると「盗撮フリークの間では、すでに“屋根がない海の家の脱衣所で着替えシーンが撮影できる”といった話が飛び交っている」という。

 実際、盗撮マニアの集まるSNSでは、各地の盗撮スポットだけでなく、高性能カメラの装着方法から風向きまで計算した飛ばし方、被写体から見つかりにくい方法など、盗撮するためのテクニックが交わされる犯罪談義もあった。先日、秋葉原で開催されたドローン使用のセミナーでは「オフレコで盗撮技術のアドバイスがあった」という報告もある。

 石谷氏は「迷惑行為に気をつけて、まじめに使用していた者にとっては、いい迷惑。見つけ次第、当局に通報するなどしていく」と話すものの、法規制がないと悪用の取り締まりが難しいことも認識している。

「カメラ搭載のドローンは1万円前後から購入でき、機器に詳しくなくても自在の場所に飛ばすことができます。その手軽さゆえ、どんどん悪用の輪も広がっています」(同) 実際、ドローンで撮影した盗撮映像がネット上に投稿されており、女児がプールで泳いでいるものを上空から撮影した盗撮映像も見つかった。このままでは露天風呂にドローンが侵入ということも考えられる。皮肉なのは各地での規制の声の高まりを受け、業者が“規制前に購入を”と駆け込み購入を煽り文句にするようになっていることだ。実際、4月の事件以来、売り上げは急上昇した。

 アメリカでも、ワシントンのホワイトハウス前でドローンを飛ばしていた男がシークレットサービスに拘束される事件があったが、こちらは日本より早くドローン使用者が増えていたことから、使用のガイドラインが設けられてきた。昨年、6社が商業使用の認可を受ける規制緩和で、映像制作や作物検査などに使われることになったが、操縦者には専用の免許が必要で、飛行範囲などに制限が設けられている。日本でもこの技術を有効活用するには、一定の規制が必要なのは間違いない。(文=ジャーナリスト・片岡亮)

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