【ムンバイ】メディアは彼女を「Park Street victim(パーク通りの被害者)」と呼んでいた。コルカタで集団レイプに遭ったという37歳の女性だ。恥ずかしさと気分の落ち込みを理由に、彼女は何カ月にもわたって自らの身元を隠してきた。
しかし、この女性はその後、被害者であることを打ち明けた。1年前に別の女性がデリーのバスの車内で暴行されて殺害された事件に対する市民の大きな反感と抗議の波に背中を押されたためだ。被害を告白したのは彼女だけではない。当初黙って苦しんでいたが、1年前のこの事件とそれに続く報道を受け、タブーを打ち破って暴力を受けたと話す女性たちが急増している。
冒頭のコルカタの被害者は今年6月18日にテレビで、自分の名前がスゼット・ジョーダンであることを明かした。被害に遭ってから16カ月後のことだった。彼女は今、「私たち女性はもはや、こういった不条理を傍観して、受け入れることはしない」と述べ、1年前のデリーの事件の被害者に対する市民の支持が彼女に「声を上げようと思わせた」と話す。
このように、インドで性暴力を率直に訴えるという新たな精神が生まれている。それは統計が証明している。例えば、デリーでは今年1~11月に1493件のレイプが警察に報告されているが、これは前年同期と比べて2倍以上だ。セクハラやその他の女性に対する犯罪の報告も急増している。
女性、特に比較的若い都市部の女性は、声を上げて嫌がらせに抵抗しようと強い意思を示している。たとえ相手が権力のある男性たちであってもだ。
インド政府の法務顧問を務めるインディラ・ジャイシン氏(女性)は「暴行死事件後にデリーの街頭で見られた民衆の団結が多くの人々に勇気を与えた」と話した。
今年8月には、女性ジャーナリスト(22)がムンバイの使われていない繊維工場で写真を撮る仕事をした際に、5人の男性に集団レイプされたことを明らかにした。この女性は裁判に訴え、被害を受けた2日後には地元メディアのインタビューを受けて「レイプが人生の終わりではない」と宣言した。
訴えられた5人の男性は無罪を主張している。
学校に通う2人の息子の母親でムンバイ在住のソナリ・ゴクルダスさんは「昔は『彼女はなぜこのようなことを公然と話そうとするのか』と言ったものだが、今はムンバイの全市民が彼女を支持している」と語った。
この女性ジャーナリストが声を上げてからまもなく、企業の受付担当の女性(18)が同じ繊維工場で同じ男性グループ5人に集団レイプされたことがあると警察に届け出た。レイプ被害者を支援するムンバイの非営利団体「Majlis Legal Center」のAudrey D'Mello氏が明らかにした。この件についても告訴の手続きがなされたが、5人は罪を否定している。
D'Mello氏によれば、18歳のこの女性は、女性ジャーナリストへの暴力に関する記事を読んで、事件を報告する気になったと話している。同氏によれば「彼女は、もっと前に声を上げていれば、(女性ジャーナリストの)事件は起こらなかったかもしれないと思い、罪の意識を感じている」という。
だが、昨年12月16日にデリーで発生した事件に続くこうした行動は、農村地域に住む圧倒的大多数のインド女性の生活を大幅に変えるには至っていない。農村地域は抗議活動の盛んな大都市とは別世界だからだ。昨年12月に起きたデリーの事件では、女性が後になって死亡したほか、女性に同伴していた男性も負傷した。
D'Mello氏によると、農村地域のレイプの大半は家庭内ないしコミュニティー内で発生し、加害者が被害者の知人であることが多いという。農村地域の女性は貧しく、非力であるため、こういったケースに立ち向かうのは依然として困難だ、と同氏は話す。
しかし、都市部のとりわけ若く高学歴の女性の間には、目に見える変化があると同氏らは話している。
ムンバイの公立病院で女性向け危機カウンセリングセンターを運営するChitra Joshi氏は、「デリーの事件以降、性的暴行の報告件数が増えている」と述べた。同氏は「女性たちは医学的な処置を受けたい、行動を起こしたいと考えているが、そこまでの道のりは依然として長い」と話した。
女性の公の場での行動にも、目に見える変化が出ている。
暴力を受けている女性や子供を支援する法的支援団体をデリーで運営するラシミ・アナン氏は「私の21歳の娘を見れば明らかだ。娘は以前、猫背にして鉄道の駅に向かっていた」と話し、「今は地下鉄の駅を堂々と歩いている若い女性を見かける。昔は堂々としているのは男性だけだった」と付け加えた。
しかし、この女性はその後、被害者であることを打ち明けた。1年前に別の女性がデリーのバスの車内で暴行されて殺害された事件に対する市民の大きな反感と抗議の波に背中を押されたためだ。被害を告白したのは彼女だけではない。当初黙って苦しんでいたが、1年前のこの事件とそれに続く報道を受け、タブーを打ち破って暴力を受けたと話す女性たちが急増している。
冒頭のコルカタの被害者は今年6月18日にテレビで、自分の名前がスゼット・ジョーダンであることを明かした。被害に遭ってから16カ月後のことだった。彼女は今、「私たち女性はもはや、こういった不条理を傍観して、受け入れることはしない」と述べ、1年前のデリーの事件の被害者に対する市民の支持が彼女に「声を上げようと思わせた」と話す。
このように、インドで性暴力を率直に訴えるという新たな精神が生まれている。それは統計が証明している。例えば、デリーでは今年1~11月に1493件のレイプが警察に報告されているが、これは前年同期と比べて2倍以上だ。セクハラやその他の女性に対する犯罪の報告も急増している。
女性、特に比較的若い都市部の女性は、声を上げて嫌がらせに抵抗しようと強い意思を示している。たとえ相手が権力のある男性たちであってもだ。
インド政府の法務顧問を務めるインディラ・ジャイシン氏(女性)は「暴行死事件後にデリーの街頭で見られた民衆の団結が多くの人々に勇気を与えた」と話した。
今年8月には、女性ジャーナリスト(22)がムンバイの使われていない繊維工場で写真を撮る仕事をした際に、5人の男性に集団レイプされたことを明らかにした。この女性は裁判に訴え、被害を受けた2日後には地元メディアのインタビューを受けて「レイプが人生の終わりではない」と宣言した。
訴えられた5人の男性は無罪を主張している。
学校に通う2人の息子の母親でムンバイ在住のソナリ・ゴクルダスさんは「昔は『彼女はなぜこのようなことを公然と話そうとするのか』と言ったものだが、今はムンバイの全市民が彼女を支持している」と語った。
この女性ジャーナリストが声を上げてからまもなく、企業の受付担当の女性(18)が同じ繊維工場で同じ男性グループ5人に集団レイプされたことがあると警察に届け出た。レイプ被害者を支援するムンバイの非営利団体「Majlis Legal Center」のAudrey D'Mello氏が明らかにした。この件についても告訴の手続きがなされたが、5人は罪を否定している。
D'Mello氏によれば、18歳のこの女性は、女性ジャーナリストへの暴力に関する記事を読んで、事件を報告する気になったと話している。同氏によれば「彼女は、もっと前に声を上げていれば、(女性ジャーナリストの)事件は起こらなかったかもしれないと思い、罪の意識を感じている」という。
だが、昨年12月16日にデリーで発生した事件に続くこうした行動は、農村地域に住む圧倒的大多数のインド女性の生活を大幅に変えるには至っていない。農村地域は抗議活動の盛んな大都市とは別世界だからだ。昨年12月に起きたデリーの事件では、女性が後になって死亡したほか、女性に同伴していた男性も負傷した。
D'Mello氏によると、農村地域のレイプの大半は家庭内ないしコミュニティー内で発生し、加害者が被害者の知人であることが多いという。農村地域の女性は貧しく、非力であるため、こういったケースに立ち向かうのは依然として困難だ、と同氏は話す。
しかし、都市部のとりわけ若く高学歴の女性の間には、目に見える変化があると同氏らは話している。
ムンバイの公立病院で女性向け危機カウンセリングセンターを運営するChitra Joshi氏は、「デリーの事件以降、性的暴行の報告件数が増えている」と述べた。同氏は「女性たちは医学的な処置を受けたい、行動を起こしたいと考えているが、そこまでの道のりは依然として長い」と話した。
女性の公の場での行動にも、目に見える変化が出ている。
暴力を受けている女性や子供を支援する法的支援団体をデリーで運営するラシミ・アナン氏は「私の21歳の娘を見れば明らかだ。娘は以前、猫背にして鉄道の駅に向かっていた」と話し、「今は地下鉄の駅を堂々と歩いている若い女性を見かける。昔は堂々としているのは男性だけだった」と付け加えた。
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