北朝鮮の故金正日(キムジョンイル)総書記弔問のため、平壌を訪れていた韓国の故金大中(キムデジュン)元大統領の李姫鎬(イヒホ)夫人ら民間弔問団は27日、帰国した。北朝鮮側は後継指導者の金正恩(キムジョンウン)氏が直接、謝意を述べるなど首脳級の扱いでもてなした。来年12月に大統領選を控える韓国に、融和路線への回帰を促すことを狙い、野党勢力に一定の政治的影響力を持つ李氏らを厚遇したとみられる。
弔問団によると、正恩氏は26日夕、総書記の遺体が安置されているクムスサン記念宮殿で一行と面会。李夫人が弔意を伝えると、「遠くからお越しいただき、感謝します」と述べた。正恩氏とは弔問のあいさつ以外、政治的な会話は交わしていないとしている。
一行は26日から訪朝し、27日には北朝鮮ナンバー2の金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長とも面談。金常任委員長は2000年と07年に開催された南北首脳会談で出した共同宣言が履行されるべきだとの考えを示した。
弔問団は出発前から目的は「純粋な弔問」とし、帰国後も「北朝鮮から韓国に対するメッセージなどはない」とするなど終始、儀礼的な訪朝にすぎないことを強調した。
訪朝したのは、00年に初の南北首脳会談を実現させた金元大統領の李夫人と、財閥・現代グループで北朝鮮の金剛山観光事業を進めた故鄭夢憲(チョンモンホン)前会長の夫人の玄貞恩(ヒョンジョンウン)現会長。いずれも南北協力を象徴する人物の遺族だ。
北朝鮮は金総書記が金元大統領や小泉純一郎元首相と会談した百花園迎賓館を宿泊場所に提供。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は27日付1面に一行の弔問に関する記事を掲載するなど、南北関係改善への期待を込めた。
一方で、北朝鮮は弔問目的の訪朝を制限する保守系の李明博(イミョンバク)政権を「想像できない破局的な結果を招く」と非難し続ける。李政権は金大中・盧武鉉(ノムヒョン)両政権が取った大規模な食糧支援など融和的な政策を見直し、強硬路線を取ってきた。北朝鮮は新体制の安定には国外からの支援が不可欠で、総選挙や大統領選を来年に控える韓国国民に李夫人らの歓迎ぶりを見せつけ、関係改善には政権交代が必要とのメッセージを発した形だ。
弔問団によると、正恩氏は26日夕、総書記の遺体が安置されているクムスサン記念宮殿で一行と面会。李夫人が弔意を伝えると、「遠くからお越しいただき、感謝します」と述べた。正恩氏とは弔問のあいさつ以外、政治的な会話は交わしていないとしている。
一行は26日から訪朝し、27日には北朝鮮ナンバー2の金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長とも面談。金常任委員長は2000年と07年に開催された南北首脳会談で出した共同宣言が履行されるべきだとの考えを示した。
弔問団は出発前から目的は「純粋な弔問」とし、帰国後も「北朝鮮から韓国に対するメッセージなどはない」とするなど終始、儀礼的な訪朝にすぎないことを強調した。
訪朝したのは、00年に初の南北首脳会談を実現させた金元大統領の李夫人と、財閥・現代グループで北朝鮮の金剛山観光事業を進めた故鄭夢憲(チョンモンホン)前会長の夫人の玄貞恩(ヒョンジョンウン)現会長。いずれも南北協力を象徴する人物の遺族だ。
北朝鮮は金総書記が金元大統領や小泉純一郎元首相と会談した百花園迎賓館を宿泊場所に提供。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は27日付1面に一行の弔問に関する記事を掲載するなど、南北関係改善への期待を込めた。
一方で、北朝鮮は弔問目的の訪朝を制限する保守系の李明博(イミョンバク)政権を「想像できない破局的な結果を招く」と非難し続ける。李政権は金大中・盧武鉉(ノムヒョン)両政権が取った大規模な食糧支援など融和的な政策を見直し、強硬路線を取ってきた。北朝鮮は新体制の安定には国外からの支援が不可欠で、総選挙や大統領選を来年に控える韓国国民に李夫人らの歓迎ぶりを見せつけ、関係改善には政権交代が必要とのメッセージを発した形だ。