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心理学総合事典 宣伝

2007-04-11 | Weblog
朝倉書店「心理学総合事典」刊行 3刷か4刷
テーマ:書評 06/4/7朝倉心理学総合事典 海保
はじめに

●本事典の特徴
総勢***名に及ぶ日本の心理学研究者が健筆をふるった心理学総合事典が完成した.構想固めから刊行まで,実に,足かけ4年に及んだ大事業である.21世紀における心理学の発展の里程標ともなりうる事典と自負している。
本書の最大の特徴は、心理学の体系に沿って全体を構成するようにしたところにある。本邦唯一の本格的かつ包括的な心理学事典になっていると確信している。

●本事典の構成
l部からVll部までは、心理学概論書とほぼ同じ構成になっている。心理学方法論、知と情意の心理、さらに社会的行動の心理と心の臨床の順である。したがって、すでに心理学全体を学び終えた学徒や研究者にとっては、それぞれの関心のある領域が今どのような展開を遂げているかを本事典から読みとれるようになっている。
「心理学の拡大」と題したVll部では、はてしなく広がりをみせるかのごとき感のある心理学の新しい領域を取り上げてみた。この中から、心理学の拡大深化するきっかけを作り出す新たな領域が出現してくれることを期待している。
Vlll部「心の哲学」は、心理学が高々1世紀余の歴史しかない科学であること、そして心についての学問的な探求は心理学の歴史よりもはるかに長く続けられてきたことをきちんと知ることが、
21世紀の心理学の発展を実り多いものにするはずとの思いから用意してみたものである。
●心理学の変貌
パラダイム・シフトと呼ぶにふさわしい、心理学の潮流の最大の変化は、20世紀の前半の行動主義から後半の認知主義への変化であった。これによって、心理学は、文字通り「心」の科学としての地位を確固たるものにしたのみならず、その研究領域を「行動も心も」へと一気に拡大させた。
それはさらに、心の科学をドグマから解放する潮流の変化でもあった。自然科学の堅い方法論の呪縛から解き放たれて、社会学や哲学のような人文科学の柔らかな方法論も受け入れるようになってきた。行動主義の時代には徹底的に排除されていた精神分析もしぶとく復活し、心についての広範な問題に時折鋭い問を投げかけてきた。
そうした潮流の変化と、最近の周辺科学および社会からの心理学への強い期待とは無関係ではない。かつては自ら抑制していたさまざまな心にまつわる諸問題への積極的な研究上の取り組み、そして、その成果を踏まえた社会とのかかわりが活発になってきた。
 話を日本に限定しても、周知の通り,今,日本の大学の一つの改革の流れは,「心」をめぐって展開されていると言ってもよい.すでに,心理学部の設置は数校にもおよび,心理を冠した学科は数知れず,そして,臨床心理士の資格取得対応の大学院(修士)は100を越え,これ以外の心理の資格は数知れずという情勢である.
また,世間でも「心」への関心は高い.説明できない犯罪,了解不能な子ども達の行動,はたまた支援を必要とする心の病やブレークダウンの遍在が背景にある.
 こうした歴史的、社会的背景を背負っての本事典の刊行である。期待されるところが大きい。

●編集の方針
  第1は,心理学全般を包括的かつ体系的に構成したこと.これによって,心理学全体を参照枠にした各領域の位置づけが可能となった.
 第2は,大著になることを覚悟の上で十分な執筆枚数を確保したこと.これによって,心理学の基本事項が網羅できただけでなく,最新の心理学の研究成果も書き込むことができた.
第3は,索引を充実したこと.これによって,「辞典」としての機能も併せ持たせるようにした。

● 本事典の使い方
事典であるので,読者対象を特には限定はしていない.あえて言うなら,次のような方々の座右の書としていただければと思っている.
 ・卒業論文の執筆にあたって研究テーマの関連事項を調べたり,  位置づけをしたい学生諸君
 ・大学院に入りたい,あるいは大学院に入ったが,心理学全般の  基礎が不足しているので勉強したい人
・ 心理学概論の講義内容をより一層深めたいと思っている先生方
●謝辞
日本の今後の心理学の発展への里程標になることを願って,本書を世に送りだすが、このやや冒険的とも言える大著の出版に理解を示し多大の支援をしていただいた朝倉書店には,感謝の言葉もない.

               平成18年6月
海保博之

交通事故はなぜなくならないか 書評

2007-04-11 | Weblog
07・4・11海保博之
1111122222333334444455555666667777735文字x36行  2000文字 58行
ジェラルド・J.S.ワイルド著 2001年 芳賀繁訳
「交通事故はなぜなくならない」  新曜社刊 2007年

● 危険を恐れるものは危険に命を奪われない(レオナルド・ダ・ダビンチ)
この名言をもじると「事故を恐れないものは事故に命を奪われる」ことになる。ならば、事故を恐れる施策をとればよいのに、これまでの交通安全対策は、えてして事故を恐れなくともよいような安全環境つくりにばかりに腐心してきた。それはおかしいではないか、と著者は主張する。なぜか。安全になればなるほど、運転者は事故のリスクを低めに見積もり、スピードを以前より出すようになる。結果として、事故を起こしてしまうことになるからである。
事実、こんな現実がある。スウエーデンとアイスランドとで、左側通行から右側通行へと切り替えた時、事故率が切り替え直後に大きく低下し、10週間くらいたって事故率が元に戻ってしまった。これは、切り替え直後は、運転者が知覚したリスク水準が高まり、自分の設定したリスクの目標水準を大幅に上回ったための調整行動の結果であると、リスク・ホメオスターシス理論(RHT)は解釈してみせる。

パワーポイントの授業

2007-04-11 | Weblog
一度やるとやめらないのが
pptによる授業
板書だと消えてしまうが、pptは残るので
また使える。
問題は、どうやって授業をするかである。
まず、pptを配布するかどうか。
毎時間、片側にメモができるようにしたプリント
を配布する先生もいる。80名の学生に配布するための
準備に1時間はかかるらしい。
自分は、pptをノートにとれば、試験のとき持参可として
書き写させている。結構、熱心に写しているが、
授業の進度が遅くなる。
もう一つ、問題がある。たくさんの先生が使うようになったので、
プロジェクターが足らないのである。これは困る。
これからは、すべての教室に備え付けにしないと
追いつかない。
新しい授業メディアの誕生をしばし享受してみることにしよう。

上達

2007-04-11 | Weblog

●上達
 認知方略は手続き的知識である。したがって、いつまでも宣言的知識の段階でとどまっていては実効性がない。練習の繰り返しよって、むりむだむら(3む)なく実行できるようにしなくてはならない。これが難しい。とりわけ、時間制約の厳しい学校では、十分な練習時間を確保するのは、非常に難しい。計算や書き取りなどの比較的簡単で基礎的な技能に限定しての練習にならざるをえない。
ただ、認知方略の中には、長時間の試行錯誤の末にやっと身に付けるほうが実効性あるものになるものもたくさんある。たとえば、思考・発想法や仲間との議論技術などなど。学校教育の中では、宣言的知識のレベルでそうした方略の知識を増やし、それらをとりあえず意識的に使う機会を与えるだけでも、将来の自発的な認知方略の展開へのきっかけになると考えられるので、十分に意義がある。
 

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精緻化見込みモデル 用語解説

2007-04-11 | Weblog


◆精緻化(せいちか)見込みモデル(elaboration likelihood model)

説得は受け手の態度を変えることをねらう。そのとき、態度の中核の変化をねらうなら、メッセージの内容が充分な認知処理がなされるように、わかりやすい情報を充分な量に提供する必要がある。
しかし、態度の周辺的な変化(好感、親しみなど)をねらうなら、内容よりも見かけを、たとえば、アイドマの法則に従って設計することになる。