心の風景 認知的体験

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定年

2007-06-27 | 心の体験的日記

●認知的体験05/7/3海保
「やめるか続けるか」
定年を機会に、といろいろ考える。今していることのうち、やめたいものと、続けたいものとを分ける作業がこれから必要になりそう。やめてばかりであまり暇になってしまうのもつらい。かといって、定年後のほうがかえって忙しいというのもいやだしーーーそういう
人が結構多い。見えもあるとは思うが生活環境の激変がそういう感じにさせることもありそうだーーー。それに定年後だからはじめられることもあるし。あと9か月。そろそろ仕分け作業に入る時期かもしれない。協会の会長は2年前から止めると宣言しているが、さてどうなるか。自分のことばかり考えるのもまずい。社会へ恩返しの考えもあってよい。

集中すると意外な発想が生まれてくる

2007-06-27 | 認知心理学
海保著  集中力を高めるトレーニング  あさ出版より

2 集中すると意外な発想が生まれてくる

 すばらしい発想、発見、発明の誕生には、徹底した集中力を発揮する時期が必ずある。
 考えごとに熱中していてジャガイモの代わりに時計をナベに放り込んでしまったニュートンの話、学問研究以外の事に頭を使うことを極端に嫌い、日常生活に対して驚くべき無頓着さを見せたアインシュタインの話、新しい機械を見ると最後の部品まで一気に分解しないと気が済まなかったというエジソンの話、幾何の問題を解くことに熱中していて攻めこんできたローマ兵に殺されてしまったというアルキメデスの話など、徹底した集中がまき起こしたエピソードには事欠かない。
 しかし、平々凡々、雑事に追われ、人間関係のしがらみにしばられて日常生活を送っている我々がここまで何事かに没頭することはありえない。もし、こんなことをしたら、たちまち変人扱いされて、会社から放り出されてしまうのがオチであろう。
 しかし、ちょっと昔をふり返ってほしい。あなたも、一度や二度は、これに似た経験はしているはずである。たとえば、試験前日の勉強に没頭していたあまり、いつも見ている連続テレビをうっかり見損なってしまったことはなかっただろうか。
 集中すれば、いままで気がつかなかったことにも気づき、たくさんのことが記憶でき、より多くのことが学べて、素晴らしいアイデアがフツフツと湧いてくる。集中力は、知覚、記憶、学習、思考をコントロールしているのである。
 この事は、誰でも体験的によく知っている。問題は、その集中力コントロールの方法である。

3 九の集中と一の弛緩を繰り返す

 大発見をした科学者の自伝などを読むと、その発見は頭を休めるために散歩している時に思いついたとか、風呂に入ろうとしたとたん思い出したとか、寝ている時に夢の中で発見したといった類の話が書かれている。
 ここだけ取り出すと、あたかもなんの努力もせずに大発見ができかのように錯覚してしまうが、それまでには、膨大な、それこそ寝食を忘れた努力があることも忘れてはいけない。
 ところで、創造性の心理学では、創造の過程を次の四段階に分けている。
1) 準備期 
 何をしたいのか、問題はどこにあるのか、関連することは何か、、資料はどこにあるか、どのように仕事を進めるか、などを考える時期である。また、手、足、頭をフルに動員して徹底して仕事をする時期でもある。
2) あたため期 
 問題を常に心の中でこねまわしている時期である。寝ても覚めても問題を考えている。ちょうど鳥が卵をあたためているかのように。この時期に猛烈に集中力を発揮する。
3) 啓示期 
 あたかも、神様のおつげ(啓示)でもあったかのように、突然に問題の解決を思いつく時期である。その多くは仕事や勉強から解放されてのんびりしている時に起こる。
4) 検証期 
 啓示されたアイデアを、論理的に正しいか、実験で検証できるかを確かめる時期である。啓示された解決は、冷静になってチェックしてみるとくだらないものであることが多い。あるいは、すでに知られていることもある。ここで、アイデアはふるいにかけられ、ダメな場合はまた一からやり直す。

 大なり小なり我々でも、問題を解いたり解決したりする時には、この過程を経験しているが、この四つの時期のうちで、(3)の啓示期だけは思いきったリラックスが必要とされる。
 なぜリラックスすると、すばらしい解決法やアイデアが浮かんでくるのであろうか。精神分析家のフロイトなら、こう説明するであろう。
頭のなかに展開されたものを外に出す時には内部で一種の検閲機構が働く。つまり、それを表に出しても大丈夫か、間違いはないか、といったことを無意識のうちにチェックする機構である。
 集中すると頭の働き全体が活発になるが、この検閲の機構も同時に活発になってしまう。ちょっとやそっとでは、せっかくまとまった考えも外に出させてもらえない。せっかくの思いつきも、結局、頭のなかに埋もれてしまう。
 しかし、リラックスすると、埋もれていたものが、検閲のすきをつくかのようにして外に出てくるのである。
 
図 発想力をテストする  別添


4 棚上げ効果を利用する

一所懸命考えてもどうしても解けない、途中まできてどうしても一か所ひっかかりができてしまい、書き進められなくなってしまった、会議で議論百出、いずれも譲らず、暗礁に乗り上げてしまった、といったことがよく起こる。
 こんな時は、ともかく一時それを放棄して別の問題や書けそうなところをどんどんやってしまうことをすすめたい。問題の一時棚上げである。
 では、棚上げがなぜ効果があるのだろうか。
 まず、時間の有効利用ができるからである。我々は限られた時間のなかで仕事や勉強をしている。一つのことばかりにこだわっているわけにはいかない。やれるところがあるなら、そちらの方をまずやってしまうほうが全体として効率がよい。
 たとえば、原稿が書けなくなったら、図表を書く、書き上げたものの清書をする、会議がもめたら次の議題や次回日程の打ち合わせを先にしてしまうなど、やることは色々あるはずである。
 他のことをやってしまっておけば、残った時間を棚上げしたことだけに集中することができる。これが、棚上げのもう一つの利点である。それこそ集中力のありったけをそれに注ぐことができるので、その効果は計りしれない。
 棚上げしても頭のなかには残っている。他のことをしていても、何かの拍子にふといい考えが浮かぶこともある。これは、先に述べたリラックスによる思考の解放であるが、こうしたことも棚上げ効果の一つである。
 棚上げしたことは、意識に浮かんできてはまた無意識の世界に沈むことを繰り返す。折にふれて、何かが気になってしかたがない時に、見るもの聞くものすべてがそれに関係しているように思えてしまうような経験、そして不思議なくらい簡単にそれに関連する情報が集まってくるような経験をしたことはないであろうか。棚上げの効果は、こうした無意識の情報収集が期待できるところにもある。
 ここで、注意しなければならないことは、何でもかんでも、すぐに棚上げしてしまわないことである。十分に時間をかけて集中して考えたものに限らないと、棚上げ効果は期待できない。たとえば、数学の問題を解いている時なら、問題の隅々までがすぐに頭に浮かんでくるくらいまで考えたものでないとダメである。
 

心理学の拡大

2007-06-27 | Weblog
朝倉心理学総合辞典

7部 心理学の拡大 海保 440枚 

22章 経済心理学 50枚
23章 消費者心理学 
24章 組織心理学 
25章 メディア心理学 
26章 感性心理学 
27章 交通心理学 
28章 リスク心理学 
29章 環境心理学 
30章 家族心理学  
31章 老人心理学 

8部 心理学の周辺 海保  190枚 

32章 意識  50枚 
33章 身体論 40枚 
34章 人工知能 40枚 
35章 生態論 30枚 
36章 社会的構成主義 30枚 

攻撃性 用語解説

2007-06-27 | 認知心理学


●攻撃性(aggression)
攻撃性は、誰の心にも潜んでいる人間の本性の一つである。しかしながら、攻撃性を行動として発現することは、多くの場合、厳しく抑制されてきた。なぜなら、攻撃性に源を発する行為は、他人への身体的あるいは心理的暴力、果ては社会的紛争や戦争さえ引き起こしてしまうからである。
しかし、攻撃性が人間の本性の一つだとすると、それは、常に抑制すべき心の機能と考えるのは適切ではない。進化論的にみれば、攻撃性は自分の身を守るための最後の砦として機能してきたはずである。したがって、過度の抑制は、身の破滅をきたすこともありえるし、また、攻撃性の暴発を招くこともある。
大事なことは、攻撃性の存在と意義を認めた上での、状況に応じた攻撃性のコントロールである。抑制もその一つであるが、たとえば、対抗スポーツ競技での発散、さらには、言葉による知性化などもある。
とりわけ、幼児期の対人関係の中での攻撃性の適切なコントロールスキルを体得させることは大事になる。

苦闘

2007-06-27 | わかりやすい表現
05/9/26海保
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本文32行x30行
2005年マニュアルコンテストに寄せて
TC協会会長(筑波大学心理学系) 海保博之

真夏の午後、買ってきたトイレの便座カバーを取り付けるために、トイレに入り30分、汗だくで奮闘した。円形の切れ目のない便座に、これまた切れ目のない円形のカバーをかぶせるのであるから、その作業の難しさは想像していただけると思う。
もちろん、一枚マニュアルが付いている。冒頭に絵と文章による説明もある。それが皆目わからなくて、助けにならないのである。結局、取り付け不能と判断して居間で一休み。そこにたまたまいつもお世話になっている家政婦さんがきたので、あいさつ代わりに、この苦労話しをしたら、これはこうすればよいのでは、の一言で一気にやり方がわかった。創造的ひらめき(啓示)とも言えるわかり方であった。
わかってみると、マニュアルの冒頭の絵も文章も実によくわかった。わかってしまった人が苦労して表現したマニュアルなのであろう。何がわかりにくさを作り出しているかもわかった。要するに、一枚の絵だけでわからせようとしたから無理があったのである。これなら、3枚くらいの絵に分解して表現しなければわかるわけがない!
マニュアルの世界はいろいろの意味で広く深い。
コンテストで表彰されるような高いレベルのマニュアルもあれば、こんなレベルのマニュアルもある。所得格差ならぬ表現格差もまだまだ大きい。
毎回同じ事を言うのでもはや老いの繰り言になってしまっていると自覚はしているが、こうした表現格差を縮めるための使命も、このマニュアルコンテストに課せられていると思っている。そのためにも、受賞作品をお手本としてどんどん外へアピールしていただきたい。
さらに、マニュアル制作者、とりわけ受賞作品の制作者の方々は、表現のエキスパートとしても、マニュアルの世界で身につけた表現技法を、マニュアル以外の表現の世界でも広める活動をしてほしいとも思っている。
 自分でもこれまで、インタフェース設計や総合的な学習でのマニュアル教材の活用を訴える講演活動や執筆をしてきたが、これ以外の領域でも活動してほしい場はある。たとえば、商品パッケージの表現、広告表現、プレゼン、案内表示、接客表現などなど。
「脱皮、テクニカルコミュニケーション!」をここでも実践していただきたいものである。
***30行 

認知的体験 再掲

2007-06-27 | 心の体験的日記

●認知的体験05/7/6海保
「加齢とトイレ」
夜トイレのための起床することがふえる。前立腺肥大のためらしい。一端起きてまた寝ることもあるが、寝るのも面倒なので? そのまま起きて仕事をしてしまうことが最近は多い。12時とか1時起床になる。しばらく仕事をして、朝方また1時間くらい寝る。だんだんこのスタイルが定着してきそうな予感がする。
それでも昼間テニスをしたりして疲れると、朝3時まで一気にねてしまうような夜もある。こんな時ははやり快適である。