●よき偶然が重なってできた「健康・スポーツ心理学科」
その学科の詳細は、次回に紹介させていただきますが、その構想を思いついて、さらに実現するまでの、ちょっぴり不思議な、といっても、あくまで私にとってですが、内輪話的な余談をまず、させていただきます。
学部改組が実現した暁には、当然、学部充実はどうするとなります。
まずは、いずこも同じで、学部構成員からの意見吸い上げからスタートしましました。小さい委員会を作って案を練ることになりなりました。
最初は、「厳しい経営環境を考えて教員増はしない」という制約のもと、学科は無理、既存の2学科を一つにして中をコース制で分けるという案がかなり真剣に検討され、将来構想委員会に提案しましたが、木内秀俊学長に一蹴されました。「外に(高校生に)に対する露出度が高くて、魅力を感じさせるもの。これならば入ってみたい、という学科でなければだめ」というのです。
小委員会では意見が出つくしていたので、そこからは、初代応用心理学部長の市村操一教授とのタッグマッチでした。ご承知の通り、市村教授は、日本のスポーツ心理学界の草分け的存在です。「スポーツ心理学科」の構想は2人の間でごく自然に生まれました。
ただ、「これだけで1学科はきついねー」と迷っていたところ、なんと、臨床心理学科で発達心理学を教えていた石崎一記教授の研究実践のテーマが「健康心理学」であることが判明。これで「健康・スポーツ心理学科」の誕生となりました。
さらに偶然がありました。
臨床心理学科に赴任してきたばかりの羽鳥健司助教の専攻が「ポジティブ心理学(心の元気づくりの心理学」だったのです。これが、カリキュラム構成を豊かなものにしてくれました。
そして、このことも構想が具体化する段階で気がついた、ちょっとお恥ずかしい偶然なのですが、八千代キャンパスには広大な敷地のなかに、野球場、サッカー場、テニス場、そしてなんとゴルフ練習場まで完備していたのです。木内四郎兵衛・初代学長がもしかすると、こうした学科の設置まで見通していたのかとさえ思ってしまうほど見事な偶然でした。
こうしたうれしい偶然が重なりました。こうなると、もう神がかり的な盛り上がりぶり(私だけですが(笑い))でした。
たちはだかった壁ももちろんありました。これはさしつかえがありますので公表を差し控えますが、組織改変にともなうごく普通のしかし大学では強固な壁です。学長裁断で乗り切りました。これがトップの決断というものかとあらためて感心してしまいました。