説明力
わかりやすく説得的に説明する
****ポイント
(1)説明の大事さを知る
(2)わかりやすく説得的に説明する
(3)相手を思いやる気持ちが大切
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●日本人の恐縮好き
次のようなまくらことば?を耳にしたことはないであろうか。
・卑近な例で恐縮ですが、---
・たとえで恐縮ですが、----
・独断と偏見で恐縮ですが、----
・いきなり結論で恐縮ですが、----
いずれも、説明効果を高めるためには必須といってもよい趣
向なのだが、どういうわけか、日本人はそんな趣向を使うときに恐縮してしまう。
グローバル化が進む昨今、文化の問題といって片づけてしまうわけにはいかない。我彼の説明力ギャップが厳しく比較される時代になってきている。
●わかりやすく説明する
説明はわかりやすいことがまず大切である。
そのための基本は、説明したいことの精選である。言いたいことが10あっても、それを3つくらいに圧縮したり、とりあえず大事ではない7つを切り捨てることができないと、わかりやすい説明にはならない。
その上で、結論や言いたいことの概要を先に示すようにして、相手がこちらの話の受け皿を作れるようにしてやる。
そして、説明内容は、減り張りをつけて表現する。
・一つは----、2つは---、
・大事なことは、----
といった類の言い回しに加えて、パネルに要点を書いたり図解して見せるなどの工夫をする。 最後にもう一度、結論を手短に言う。
こんなことを実践的に学ぶには、ニュース番組などのコメンテータの説明の仕方を参考にするとよい。
●説得的に説明する
説得表現で最も大切なことは、相手を説得するに足る自己主張の内容があることである。これがないと、どれほど趣向を凝らしても、それは騙しや空虚な演説になってしまう。 説得のためには、わかりやすさが前提となるが、その上で、声の調子や手振り身振りや顔の表情が大事になってくる。さらに、OHPやパワーポイントのようなプレゼンテーション用具の使用も効果的である。
こんなことを実践的に学ぶには、広告宣伝で使われている趣向が参考になる。
●説明力は相手があってのもの
やや雑に説明力を付ける趣向を述べてみた。しかし、説明は相手があっての話である。相手意識を欠いた説明・説得は、闇夜に放つ矢のようなものである。どれほどの趣向を凝らしてみてもむなしい。
相手が何を求めているのか、どんな状況に置かれているのかに思いをはせる習慣が、真の説明力を養うことになる。
言いたいことを言うのが説明ではなく、言いたいことを相手に伝えるのが説明なのである。
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●実習「あなたなら、この絵を電話で人にどう説明するか」 別添図 「解説」 授業やセミナーで、こんな実習をやってもらう。「四角を描いて、中をぐじゃぐじゃと塗りつぶす」で終りの簡略説明で済ます人と、「ただし、四角は横長の四角。塗りつぶすのは一本の線で、左上から右下に波形で、----」と実に詳細な説明をする人とに分かれる。圧倒的に後者のほうが多い。しかし、詳し過ぎる説明はかえって相手を混乱させてしまうこともある。「説明の詳しさxわかりやすさ=一定」の法則?を知ってほしいものである。 ********
●アイドマ(AIDMA)の法則を知る 広告宣伝では、次の5つの観点が鍵になる。 Attention 注意を引く 例 目立たせる Interest 興味関心、利益に訴える 例 10%オフ Desire 欲求に訴える 例 実物写真 Memory 覚えてもらう 例 頻繁に見せる Action 買いにきてもらう 例 地図や電話番号を知らせる **********************
●相手の気持ちと知識とに配慮する 図は別添 「解説」 説明は、その場での相手の気持ちと知識とに配慮しないと効果的なものにはならない。無関心型の人々を相手の説明は、大学の講義やセールストークなどではごく当たり前である。それにはそれなりの工夫が必要なのだが、つい、聴衆の不熱心さを責めたくなる。