03/2/24海保
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30字 20行 「解説」だけで600字 イラストを除いて
第12回 ヒヤリハットの心理学
「とっさの行為力を磨く」
1
傾きそうになった鉄板を一人で支えようとして危うく下敷きになりそうになった
仲間が助けにきてくれて事なきをえた
5
「解説」33行
作業現場や日常生活の中では、とっさの行為を求められることがよくあります。それが不適切だと、事故なります。
とっさの行為が求められるのは、事態の進行速度が速いときです。鉄板の倒れる速度よりも速くとっさに止める行為が求められます。その時間速度は日常の速度ではありませんから、いつも適切に発揮できるわけではありません。
さらに、事態の速度に間に合っても、その行為が事態にふさわしいかどうかが、さらに問題となります。
とっさに鉄板を押さえたのはよいとしても、一人では無理だとすれば、そのとっさの行為は、致命的になります。
このように、とっさの行為は、速さと行為の内容との両方が適切でないと、事故につながってしまいます。そこに、事の難しさがあります。
さらにやっかないことには、使命感や責任感が微妙に絡んできます。とっさの行為ですから、そんなものが介入する余地はないように思われますが、そこが人間です。自分の作った大事な製品がトラックからずり落ちそうになっているのを傍観できるでしょうか。
「類似ケース」
○爆発した液体が目に入るのをとっさに避けて助かった。
○飛び出しがあったが、とっさの急ブレーキでことなきをえた。
○子どもの服に火がついたが、母親がだっこして火を消した。
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30字 23行 700字 タイトル抜き、本文ののみ
「背景解説」
「とっさの行為力をつけるにはどうしたらよいのですか」
とっさの行為には、大きく2つあります。
一つは、危ないものが飛んできたときに反射的よけるようなタイプのとっさの行為です。これは、人の身体の防御反射として組み込まれたものですから、誰もがそれなりに出来ますが、加齢などの身体的な衰えと反比例します。
もう一つは、反復訓練によって練度の高い技のようなタイプのとっさの行為です。消防士や警察官などは、危機事態でのさまざまなとっさの行為ができるように訓練しています。
とっさの行為力を付けるとすれば、言うまでもなく、後者のタイプのとっさの行為です。しかし、普通の人にとって、万に一つしか起こらないようなとっさの行為を日常的に訓練することは不可能です。となると、どうしたらよいのでしょうか。
特定のとっさの行為はできなくとも、その基盤になる一般的な力としては、瞬発力、機敏さ競うスポーツがよいと思います。
さらに、ゲームもとっさの行為というよりそれを支援するとっさの判断力を養うのには有効ではないかと思います。
「あなたのとっさの行為力をチェックする」**********
自分に「最もあてはまるときを”3”」「まったくあてはまらないときを”1”」として判定してください。
( )雑踏で人とぶつかりそうになることはあまりない
( )からだの動きは敏捷なほうだ
( )判断は誤ることはない
( )ボールを使ったスポーツが好き
( )つまづくことはあまりない
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