Becker, A. J. (2009). It's not what they do, it's how they do it:
Athlete experiences of great coaching.
International Journal of Sports Science & Coaching, 4, 1, 93-119.
偉大なコーチングを受けた競技者の経験した内容はどのようなものであったか。このリサーチ・クエ
スチョンを明らかにする目的で、18名のエリート競技者が綿密な現象学的インタヴューを受けた。研
究協力者はつぎの問いに自由回答で応えた。「偉大なコーチングを受けたと感じたときのあなたの経
験を語ってください」..
.
この問いに応えられた言明は転記され、1553の意味単位に分けられ、さらに言明のテーマごとに分
類され、テーマの意味について実存的現象学的解釈が行われた。
その結果、エリート競技者が偉大なコーチングで経験したことの意味は「コーチの人格」「コーチと
の人間関係」「コーチの作り出す環境」などが、「コーチの行為」よりも大きな意味を持っていた。
26ページに及ぶ長い論文ですので、すべてを紹介することはできません。
「コーチの行為」というテーマには、教えること、コミュニケーション、準備、期待などが
含まれていた。
しかし、
全てのコーチは教える、しかし、偉大なコーチは隅々まで教える。
全てのコーチはコミュニケーションをする、しかし偉大なコーチは誠実にする。
全てのコーチは準備する、しかし、偉大なコーチは綿密にする。
全てのコーチは期待をもつ、しかし、偉大なコーチは高い期待を持ち、競技者がそれを達成するまで
全力を挙げて支援する。
・・・・・・・ などなど、有益な情報が詰まっている論文です。