天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】3月のライオン(後編)【11本目】

2017年04月25日 | 映画感想
「3月のライオン(後編)」

前編のレビューは←コチラをクリック

と言う訳で後編です。
川本家の3姉妹と交流するようになって1年。二女・ひなたのいじめ問題がきっかけで零は川本家の為に自分が何か助けになりたいと強く思うようになる。
時同じくして優勝者は名人・宗谷と対局が出来る「獅子王戦」のトーナメントが始まった。予選で師匠である義父・幸田柾近が頭に怪我をして入院した事を知る。
幸田の怪我には家族の確執が絡んでいた。一方香子と不倫関係にあった後藤は予選対局中に寝たきりだった妻が急変して死亡するも気力を振り絞り
予選突破を果たし決勝へ駒を進めた。そんな中、川本家にある日フラリと3姉妹の父親が帰って来た。再婚した妻と子供と共にこの家に戻って同居したいと言う
父親の様子に不穏な物を感じた零は川本3姉妹を守ろうと遁走するのだが…

前作の息詰まる対局シーンの気迫からは一転、後編は前編で色々提示されていた人間関係を1つずつ消し込んでいく…という言い方も変だけど、まあそんな感じ。
だから割と淡々とエピソードが続いて行く印象はありますが、個人的にはコレはコレで面白かったです。
あ、前編から引き続き原作コミックは1㎜も見ていないので本作だけを鑑賞した印象になります。
どうやら噂では原作の熱烈ファンの方々から本作は酷評されているそうですが、映画だけを観た自分は「かなり面白かった」が率直な感想。
何しろ原作には全く思い入れがなく、自分に思い入れがあるのは神木隆之介君だけですから♪やっぱ神木君の演技は「神」だわーこの人ホントスゴイわー♪

それよりも、後編になって俄然光っていたのは伊藤英明さんだなぁ。
彼はもうすっかり「イケメン若手俳優」ではなくなったわね。CXの海猿で「ウキーッ!」ってやってた頃の彼は遠い昔、すっかりベテランの風格が出て来ました。
対局中に妻の急変を知らされて、2時間長考の体で離席して必死に病院に駆けつけ、妻の死を見届けるとトイレで1人声を振り絞って泣く姿にはジーンとしたわ。
それより何よりクライマックスの獅子王決勝戦で零と対局した時の表情…最後「泣くな。みっともない」と言って対局終了後フッと頬を緩めた表情なんか
昨日今日のポッと出の若手では出来ませんよ。いい役者さんになったんだなぁ~

本作とにかく出てる役者の質が高くて、それだけでも観る価値あります。これは前編からもずーっと言ってますけど、ホントに素晴らしい!
前編の時にはちょっと吠えたけど…香子役の有森架純ちゃんは後編になってちょっと持ち直しました。
個人的に父親から子供の頃に零と対局して負けた際の対局面の再現を見せられて諭されるシーンは香子の心の浄化を感じさせられましたね。いいシーンでした。

個人的に違和感があったのは…そもそもになっちゃうんだけど、長女のあかりって何歳の設定なんでしたっけ?(←よく分かってないw)
父親が伊勢谷さんで長女が倉科カナさんって結構な違和感なんですが。伊勢谷さんも老けメイクしてましたが、それにしても…歳の差カップルか兄妹にしか見えない^^;
それより、まあこのシーンは予告編にも出てましたが3姉妹の父親に向かって零が「ひなたさんと結婚したいと思っています!」って宣言するくだり。
ひなたは中学3年、零が高校3年。まあ大人の3歳差だったらフツーに恋愛対象なんだけど、この年齢の男女でしかもこの和やかな空気と距離感のお付き合いで
「え、零って川本3姉妹と疑似家族を味わってたとは思うけど…ソッチ(恋愛)方向の家族として考えてたの!?」というのにビックリ。
何と言うのかー…このお話に、この川本家と零との関係に色恋沙汰は似合わない気がするんだけどなぁ~

まーとは言えとは言え、上手い具合にまとめ上げていたと思います。
それぞれが何となくふんわりいい方向に向かって1歩だけ足を向け始めた…そんな予感を感じさせる終わり方は良かったと思います。
ラストの名人・宗谷との対局に向かうシーンは絵も美しいし、あのタイミングで幕を閉じるのは予定調和でしたが余韻が残るいい〆方だったんじゃないかなと。
…って言うか、この監督さん「るろ剣」の時もそーだったけどラスト主人公の「一番のキメ顔アップ」で〆るのお上手ですよね♪

久し振りにボリュームがあって満足度の高い邦画を楽しませて貰えました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする