天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「キャラクター」@21作目

2021年06月17日 | 映画感想
「キャラクター」

ダースー(菅田将暉くん)、高畑充希ちゃん、小栗旬くん、等錚々たる顔ぶれ+本作で役者デビューのFukaseくん(SEKAI NO OWARI)出演の猟奇サスペンス。
てっきりコミックか小説の映画化だと思っていたんだけど何と本作オリジナル脚本だそうだ。ひょえぇぇぇ

あらすじ
漫画家のアシスタントをしている山城圭吾(菅田将暉)は、画力は高いが、お人好しな性格のためか悪役をリアルに描けない。ある日、圭吾はスケッチに訪れた一軒家で、殺害された家族と犯人(Fukase)の顔を見てしまう。圭吾は犯人をモデルにキャラクターを創り上げ、ついに売れっ子漫画家になるが、漫画をなぞるような事件が次々と発生。そして、犯人の男が圭吾の前に現れる。

コレは凄いな!
こういう作品がまだオリジナルで作れるんだなぁーって、ちょっと嬉しくなる位よく出来たプロットの話だった!
脚本は大ヒットコミック「MASTERキートン(←自分全巻持ってるし!)」の原作を手掛けた長崎尚志+監督でもある永井聡氏+川原杏奈氏で共同脚本を書いたようです。
いや本当に本作は脚本がよく考えられてるなーと!久し振りにワクワクゾクゾクしながら楽しめました。
が、本作PG12かな?個人的にはR15でもいいんじゃないか?と思うけど、子供が観たらちょっとトラウマになるんじゃないか?と思うレベルに残虐シーンてんこ盛り^^;
まー言うても最近じゃーガキンチョ平気で「鬼滅の刃」観る位だし割と耐性出来てんのかなー。少なくともお茶の間で家族揃って楽しむ系ではないわなw

ダースーは上手い。
この人出過ぎぢゃね?いつ休み取ってんだ?って位本当に映画にドラマに出まくってますが、どんな役も「ダースーって実際こんな人なんかな?」と思わせる位には上手い。
本作では優しい性格が禍して魅力的な殺人犯キャラを作れずに苦悩している漫画家志望の男を演じているんだけど、映画冒頭からの優しいけど覇気の無い主人公がたまたま出くわした猟奇殺人犯の姿を模倣する事でようやくヒット作に恵まれてどんどん売れっ子になっていくのと反比例するようにどんどん内に篭もって心病んで行く様子が物凄くリアルに演じられていたなーと思います。
個人的に特に印象的だった表情は、最初の殺人事件の目撃者になって取り調べを受けてる時に小栗旬君演じる刑事の清田から「犯人の顔を見ていないのか?」と質問されたときのダースーの顔が…本当の事を言わなければいけないと思いつつも犯人のあの目、あの一瞬見えた表情に魅了されて「描きたい」という欲求が抑えきれずに思わず「見ていない」と答えてしまうあのシーン。小さなシーンなんだけど凄く印象に残る表情だった。

そして本作で演技初めてだというFukaseくんが意外にもこの猟奇殺人犯役にクリティカルヒットしてましたねー。
無表情でもなく感情をむき出しにしているでもない、淡々としているようで、でもどこかイッちゃってる感じの目と口調が物凄くハマってましたよ。
んでラストのスタッフロール見てたら犯人の部屋の内装(壁画)をどうやらFukaseくんご自身が描いていらっしゃるらしい?うーむ精神的に大丈夫なのか?^^;
この人本当に2~3人殺めた事あんじゃねーの?位には思える感じ(コラコラ

ま、小栗旬君や中村獅童さんは安定の演技力ですよー今更素人が褒め称えたってねーって感じでw
あーでも本作の小栗君のあの展開はまっっったく想像もしてなかったから正直かなりの衝撃でしたよ!もしかしたら本作で一番ショッキングなシーンだったのかも!
なんかさー、映画も見慣れちゃうと嫌らしい見方してるって言うのかなー…キャラが出揃ったトコロで役者の格とか人気度で展開推し量るトコロあるのよね(苦笑)
だからこそ本作の小栗旬君の立ち位置が正直意外過ぎて「ぅえっ!?マ、マジすか…(口ぽかーん)」だった訳で。

最初は雲を掴むような、でもやたら衝撃的なシーンが繰り広げられていくものの、小さな糸口から少しずつ犯人像へ近付いていく展開が凄く面白かったです。
犯人が何故4人家族ばかりを狙うのか、とかどうしてコミックの1シーンだけで殺害場所まで特定出来たのかとか、あの辺りの感じがミステリ小説っぽくて凄く好き♪
あ、でも自分ね、赤ん坊のトリック(という書き方でいいのかな?人数問題ね)は途中で「ははーん」って気が付きましたよ!やっぱミステリ読み慣れてるからかしら😊
そしてラストシーンのショーウインドウ越しの絵ヅラ…アレはまだ捕まっていないあの人の視線、という解釈でよろしいのよね?
だから本作は続編を…という色気出してる訳ではないと思いますが、あのワンシーンだけでサイドストーリーまで想像を掻き立てられる、非常によく練られた脚本でした。
コメント
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