天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「ザリガニの鳴くところ」@65作目

2022年12月02日 | 映画感想
「ザリガニの鳴くところ」

ディーリア・オーエンズ氏著の同名タイトル小説の実写映画化。原作小説未読です。
ですが本作は全世界で1500万部を売り上げている超絶人気ミステリーだそうで、予告編での煽り文句もエグいエグい…こんなん、ミステリー好きの自分が観ないでいられるか!

あらすじ
6歳のときに両親に捨てられた少女カイア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)。ザリガニが鳴くといわれるアメリカ・ノースカロライナ州の湿地帯でたった一人で育ち、自然から生きる術を学んだのだった。ある日、その湿地帯で青年の変死体が発見され、カイアに殺人の容疑がかけられる。そして、法廷に立った彼女の口から語られたのは、想像を絶する半生だった。(Yahoo!Movieから丸パク)

なんかちょっと↑あらすじは違うな…法廷で彼女が自分の半生を語った訳ではなく、多分彼女の半生の回想はあくまで主人公の脳内回想を映像化しているのではないかと。
基本本作は主人公の脳内一人語りがベースで、その一人語りを第三者視点で映像として観客に見せていると考えていいだろうと思います。事件が起こってから主人公が容疑者として拘束から起訴されて裁判になり、その後は裁判の様子と平行する形で主人公の半生が語られていって…最終的に事件の日にまで到達して法廷と時間がリンクしていくという感じ。

まあ、とにかく映像が美しい。映画全編通してずーっと美しい。特に湿地帯~浜辺に掛けての映像美たるや溜息モノの美しさ。
そして主人公を演じているデイジー・エドガー=ジョーンズ嬢(知らない女優さんだなと思ってフィルモグラフィ調べたけどまだそんなにキャリアがないみたい)がとても透明感のある美女で…アン・ハサウェイから毒気を抜いたような(ヲイコラ)雰囲気の女優さんなんだけど、親兄弟から見捨てられて独りぼっちで湿地の古民家でサバイバルしながら生きてきたというなかなかに野性味溢れる部分とちょっと浮世離れした感じの「妖精感」が同居した複雑な生い立ちの主人公のキャラにドンピシャにハマっていたと思います。

そして…コレは予告編の煽り方がよろしくなかったと思うんだけどー、
ミステリー小説を読み慣れたタイプの御仁だったら本作はかなり早い段階で事件の真相の目星が付いちゃうと思うんですね。
もうこれ以上は何書いてもオチバレになってしまうのでアレコレ書けなくてモヤるんですが、この手の「犯人当て系」は予告編でアレコレ言っちゃダメなんですよーう。勿論世界的大人気ミステリー小説の奇跡の実写映画化!みたいな煽りはいいんですけど、やれ「意外過ぎる結末」だの「最後の数秒でアナタは驚愕する」だの言っちゃあかんのよーそれがもうミステリー好きには大ヒントになっちゃってるんだからさー(苦笑)

…という訳で、早々に真犯人が分かってしまった自分は以降映画を見ながら「あ、ナルホドねここで敢えてのブラフ登場、っと」とか「あーこのシーンが事件のトリガーになってんのね」とかすんげー答え合わせしまくってたわよね。それでやっぱり思った通りの展開だったわよね^^;
まあ、いいんですよ。少なくとも本作は非常に質の高い映像美を堪能出来る、脚本もなかなかに練れた良作だったと思います!日本人に馴染みのあるメジャーネームがほぼ出演していないので、年に数本しか映画館に観に行かないという方には興味が沸き難いかもしれませんが、こういう美しい作品こそ大きなスクリーンで観る価値があると思いますね!

ところで…今更ですが…タイトルの「ザリガニの鳴くところ」の意図が未だに分からないんですが。結局ザリガニの鳴くところって何処なん?(滝汗)
コメント
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