「ミステリと言う勿れ」
田村由美氏著の同名タイトルコミックをTVドラマ化→からの映画化。
メインキャストはTVドラマからそのまま引き継いでいて、TVドラマ版の演出を担当した松山博昭が監督、相沢友子が脚本を担当 。要するにTVドラマを制作する上で最初から映画化も計画されていたという事でしょうなぁ。
それというのも本作は原作コミックの中で「広島編」と呼ばれているエピソードをまるっと映画化しているのですが、この広島編は原作上ではバスジャック事件の次に起こるエピソードなんだけど、TVドラマでは敢えてこの部分だけズッポリスルーして更にその次のエピソードに繋げている。要するにこの広島編は本来のコミックの流れからはちょっと浮いていて→だから映画化にし易い、と判断して最初からTVドラマ版では使わなかったのだろうと。
あらすじ
美術展のために広島に来た大学生・久能整(菅田将暉)は、犬堂我路(永山瑛太)の知人だという女子高生・狩集汐路(原菜乃華)と出会い、ある相談を持ちかけられる。それは彼女の家系・狩集一族の遺産相続を巡るものだった。当主の孫にあたる汐路をはじめ4人の相続候補者たちは、遺産を手にするために遺言書に記された謎を解かなくてはならないが、狩集家では遺産相続のたびに死者が出ており、汐路の父親・弥(滝藤賢一)も8年前に交通事故で他界していた。(Yahoo!検索情報から丸パク)
という訳で、自分TVドラマすっごい好きで毎週楽しみにしてたんだけど、原作コミックを読もうかすごく悩んで敢えてスルーしてたんですね。
そしたら今回の映画化に際してWEBコミックサイトのいくつかで原作コミックの無料閲覧が出来るようになっていて(勿論全巻じゃなくて大体4巻位まで)、それでTVドラマでかなり内容分かってるし無料で読めるなら~と思って読み始めたら、正に本作の「広島編」がガッツリ無料で見れるようになっていて…いや、広島編が始まったからびっくりして慌てて読むの止めたよだって折角映画化楽しみにしてたのになんで映画観る前にネタバレしちゃうんだよ!💢←SNSでも吠え散らかしましたわサーセン
そんなこんなで…映画見終わって家帰って来てからソッコーで原作コミックも読んだw
だから珍しく「原作既読状態でレビュー書きます」パターンなんですが…そもそも本作のTVドラマ版からだけど、ほぼほぼ台詞が原作のまんまなんですね。だから勿論本作の映画版も台詞ほぼ原作に忠実。要するに原作コミックが台詞めちゃ多い&長いので読むのにかなり時間が掛かるw
若干のエピソードを端折っているものの、ほとんどのエピが原作そのままになっていてそれにも驚かされた。まあ考えようによっては忠実に原作をなぞっているので脚本や演出の手間が少なくていいという利点もあるのか?とか(ちょっと意地悪ですかねw)
さて映画に話を戻すと、予告編にもあるけれどある一族の遺産相続騒ぎに駆り出される主人公と「犬神家の一族」よろしく遺産相続に絡む殺人事件と謎解き…実際は今回の遺産相続に絡んで誰かが死ぬ訳では無いけれど、かつて遺産相続絡みで人が亡くなった事があるから今回も何か起こるのではないかー的な感じで相続人の1人である少女から頼まれて(半ば強引に)少女のボディガード兼謎解き要因として主人公の「久能整」が駆り出される、て感じね。
そしてコレは「ミステリ好きあるある」なんだけど、主要登場人物が一通り出揃ったトコロで動機やトリックまでは分からないものの配役の役者の格や面子のバランス考えて「多分犯人はこの人かこの人のどっちか」みたいな感じで犯人のアテだけは付けてしまう(そしてそれは大概当たっているw)、犯人のアテだけ付けて見ているので小さなトラップにも直ぐ目が行って…こういう鑑賞方法ってタチが悪いと思うんだけど、もう習い性とでも言うのか💦
まあ、小さな「ん?」という気付きも見つけつつ…映画前半で大トラップがあって事件の黒幕ではないもののあるトリックを整くんが指摘して、コレが前半の大きな見せ場になっていますね。で、ようやく核心ネタに突入していくんですが本作は事件の概要云々を楽しませるというよりも「整くん語録」を楽しむのが当たりなのだろうと思われます。これはTVドラマからのずっとの流れなんですが(というか原作がそーなっているのでw)、やたら知識豊富で話し出したら止まらない久能整くんの至極真っ当で含蓄深い語りを聞きながら時に驚き時に癒され時に感心する、それがいい!という感じです。本作でも「子供の心の成長(またはトラウマ)をセメントになぞらえるネタ」だったり、「子育て専業主婦は楽?男性目線の男尊女卑ネタ」だったりいくつか印象的な「語り」が出て来ます。
事件の概要と犯人の目星は「狩集一族の中で早死する人の共通点」からの「鬼の集」という劇の内容が明かされたトコロでほとんどの人が気付くと思うのですが、汐路の父親含む4兄弟が全員事故死した件だけが「早死ルール」から逸脱している違和感についての考察は…コレは流石に分からないよなぁ(苦笑)
まあ、要するに本作は「ミステリと言う勿れ」なのです。謎解きや犯人当て、トリックを解き明かすのが目的の話ではなくあくまでも「久能整くんの語り」に耳を傾けるというのが目的の話なのだなぁと改めて思わされ。
ダースー(菅田将暉くん)のキャラがハマってますよね。この役、セリフ長い&多くて本当に台本覚えるの大変だろうと思いますが、今後も頑張って欲しい。
どうせまたTVドラマの2クール目もいつかやるでしょ?だから原作コミックも既に上映されているトコロまでで先は読まずに楽しみに取っておきますよ😊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます