いくら先行上映(STAR WARSが封切られる前にソニーも稼がなきゃね)が平日開始とはいえ、フォーラム山形に並ぶ観客はおじいちゃんおばあちゃんが多すぎないか。さすが007は長寿シリーズだなあ……あ、「いしゃ先生」のお客さんでしたか。失礼しました。
「どの席にいたしましょうか?」
とわたしの前に並ぶおばあちゃんは問われて
「どごでもい(どこでもいい)。あんた選んで」
さすが人生のベテランは言うことが違う(笑)。そこまで達観できないわたしは例によって前の方の席をとる。自分より前に客がいるとそれだけで不満。子どもか。わたしはまだまだ人間ができていない。
さて、「スペクター」開始。うおおお、モンティ・ノーマンのジェームズ・ボンドのテーマにのせて銃口のなかにボンドがあらわれ、客に向かって撃つおなじみのシーン復活!血が騒ぐ、血が騒ぐ。
メキシコの「死者の日」というお祭り。群衆がみんな死者のコスプレ。不気味なお面をつけた長身の男が美女を連れて歩いている。もちろん観客みんな彼がボンドであることを予感。カメラは自在に彼を追う。もう、これだけでこの映画が並の作品ではないことが理解できる。ここからはもう一気呵成のアクションつるべ打ち。前の席なのでマジで目がくらみます。
監督は「スカイフォール」につづいてサム・メンデス。彼だけでなく、新M(レイフ・ファインズ)、Q(ベン・ウィショー……「パフューム」のお兄ちゃん)、マネーペニー(ナオミ・ハリス)などが続投。
というか、この作品はダニエル・クレイグ版007の総括のようなつくりになっていて……以下次号。