第三回「美濃の国」はこちら。
恒例、城マニアから書状が届いております。
織田信秀は、尾張国のうちの下四郡を支配する織田大和守家の清洲三奉行のうちの一つである弾正忠家でしかないのに、二万の兵を動員できるくらいの力を持ったという。しかし、そのほとんどは、豊かな経済力を背景にしての傭兵足軽だったようだ。
(略)ただ、傭兵足軽は、いざというときは実にもろい。主君を持たず、お金で雇われただけの彼らは、勝ち戦では大いにはしゃぐが、負けの気配が漂うと、それは逃げ足は速かろう。命あっての物種であり、命がけで雇い主を守ろうなんて考えもしないだろう。美濃齋藤家に攻め込んだ加納合戦(井ノ口の戦い)の大敗北はその典型。
……そういうことだったのかあ。マムシはそのあたりも読んでいたんでしょうかね。で、今回も腹が黒い黒い。まことにけっこうでした。信秀の傷がどの程度のものなのか、マムシは医師を翻弄し、そしてその医師も情報を翻弄する。
実は光秀もさほどに純情な人間ではないはずだけど、“医師の人質”という意匠を借りて門脇麦とのラブコメ全開。池端脚本も黒いです(笑)。
意外なほど本木雅弘悪役が評判になっている。それに拮抗するのが堺正章の芸というもの。あの人の腹芸は奥が深そうですもんね。このふたりのやりとりは、内田裕也の娘婿とスパイダースのボーカルの丁々発止でもあったわけだ。にしてもつくづく思う。モックンってどうしてあのオヤジとあの母親の娘と結婚しようと思ったわけ?
そろそろ主役にもふれなければなりますまい。長谷川博己、いいですねえ。この人は誰にも侵されない部分が感じられてすばらしい。そういう人物でなかったら、たとえば「シン・ゴジラ」のあの役はとてつもなく嫌みなものになっていただろう。一年間、見続けることにします。
え?あの女性との関係はどうなんだって?んなもんどうでもいいでしょうや。鈴木杏樹がどうしたって話にもおれは興味がない。いいんですよ芸能人はなにをやっても。マジ。
画像は堺正章の「さらば恋人」♪さよなら東海た~てがみぃ♪日曜八時は「西遊記」だった時代もあったっけなあ。
第五回「伊平次を探せ」につづく。