第四回「尾張潜入命令」はこちら。
本日は鉄砲噺。戦国大河では避けて通れないパターン。種子島と呼ばれていたころの、“2発目”を撃つまでに時間がかかりすぎるという欠点をどう捉えるか。
・光秀はだから実用性に難があることを主張し
・道三はそれでも将軍家が鉄砲を求める理由を知りたがる
このあたりは人間の格の問題というより、見ている風景がまだまだ違うということなんでしょう。
将軍義輝登場。向井理。その部下に谷原章介と山形の星である眞島秀和(どんどん小泉進次郎に似てくるのにびっくり)。長谷川博己も含め、薄味の美男をそろえたなあという印象。これは意図的なものでしょうね。
で、今回はこの若手たちの演技が妙にゆるい。特に21世紀の石原裕次郎として鳴り物入りでデビューした徳重聡がちょっと……
もっとも、これはわたしのほうに非がある。今日は朝から「1917 命をかけた伝令」と「アイリッシュマン」をつづけざまに見ていたんです。
ベネディクト・カンバーバッチ、コリーン・ファース、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、そしてジョー・ペシの渋い演技と比べるのは誰だって分が悪い。特に、アメリカ現代史の大河ドラマだったアイリッシュマンにおいて、実在の人物を演じたじじい三人にはため息がでましたもの。
でもこちらの大河でも、松永弾正を演じた吉田鋼太郎はいい感じだった。遊女を軽くあしらうあたりの呼吸はおみごと。これから悪―くなっていくことへの前ふりですかね。
で、彼は言う。鉄砲は使えなくても威圧することはできると。だからむしろ戦は減るのではないかと。核抑止力ですか(笑)。現実には、戦はどんどん凄惨なものになっていったわけだけど。
光秀の母役の石川さゆりって、そりゃー歌はうまいけど、美人だっていう側面があまり語られてこなかったんじゃないでしょうか。いやー美人だわこの人。
第六回「三好長慶襲撃計画」につづく。