事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

追悼水島新司

2022-01-17 | アニメ・コミック・ゲーム

いつかこんな日が来ることはわかっていた。引退を表明したのはつい先日のこ。確実に生涯現役を岩田鉄五郎のように完遂するだろうと思っていたけれど…… 

水島新司が亡くなった。

ふう、と思う。やはり、つらい。

不定期連載だった少年マガジンの「野球狂の詩」で彼を初めて知ったんだろうか。それともチャンピオンのドカベン?あ、高校教師だった親戚のうちで「男どアホウ甲子園」をなぜか子どもの時に読んでたな。

高校時代は、いま勤務している学区の酒屋でビッグコミックオリジナルを買って(酒は買ってないです)「あぶさん」に耽溺した。景浦安武は、サチ子と知り合ってからも麻衣子という女性といろいろとあったんですよ。

画風が歴然と変わったのは、ドカベンにおいて不知火が「はえボール」を会得したあたりだったろうか。山田太郎を攻略するために、球速を極端に遅くする魔球。はえがとまるぐらいに遅いと(はえが実際にとまる絵があったのには笑った)。

そのころから絵が、おしゃれになったのだ。アシスタントが替わったのか、そのあたりはよくわからないけれども、貸本漫画時代の泥臭い絵からは脱却していた。

ああそうか、さいとうたかを白土三平モンキー・パンチなど、貸本を代表していた漫画家たちが次々に退場。年齢的に仕方のないことだが。

おしゃれになってからの水島新司で好きだったのは「一球さん」。主人公が実は忍者だったというオチはすごいけれども(笑)、「男どアホウ甲子園」の続編を、“巨人学園”でやったというあたりに(巨人のことは嫌いだったろうに)、彼の余裕を感じたものだった。

彼が自分をいちばん投影したのがドカベンにおいて明訓高校、信濃川高校、クリーンハイスクールで監督した徳川であったことにしみじみ。自分がつくりあげた山田太郎という打率7割の化けものを倒すために、彼は自分を登場させたのである。どんだけ野球が好きだったんだろう。ご冥福を、お祈りします。

コメント (4)
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