アニメ製作のお話。とくれば製作配給が東映なのもうなずける。「白蛇伝」「太陽の王子ホルスの大冒険」「長靴をはいた猫」などの東映動画の伝統もあるわけだし(この東映動画の労働組合で活動していたのが高畑勲と宮崎駿)。
その、アニメの話でハケンとくれば、きっと派遣アニメということでアニメーターのひどい労働環境とかが描かれる……と思ったら、覇権アニメだったんですね。そのクールにおける№1となったアニメだけが覇権を名のれるというならわしが背景にあるみたい。同クールどころか土曜日の5時(わたしの世代にとってはファーストガンダムだ)に直接対決する。
ヒロインの瞳(吉岡里帆)は、県庁を退職してアニメの業界に飛び込んだ。自分の理想とする作品を希求するが、予算や、保守的なスタッフなどによって妥協を迫られていく。
対決相手の王子(中村倫也)は圧倒的な才能をもちながら、気分屋であるためにまわりは振り回されてばかりだ。アニメ対決に世間は盛り上がるが……
辻村深月の原作がよほど周到なのだろうと想像できる。そうです読んでないんですわたし(笑)。暴走するヒロインと冷徹な貴公子、という単純な図式にしていないあたりがすばらしい。
結果的に興行はふるわなかったようだが、その出来と熱狂的なファンの支持もあって評価は高い。よほど手練れの監督による作品かと思ったら、まだ長編映画は2作目の若手、吉野耕平の手によるものだった。
この作品がステップとなって、「沈黙の艦隊」に抜擢されたのだろう。納得の娯楽作。
お仕事小説好きなので読んだのですが、
作中アニメを観ることができるから、
映画を楽しみにしていました。
りほ&たすくをキャスティングした時点で
成功に近づいたとも思います。
そして小野花梨がとっても良いですね。
んですよね。いろんな事情があって(笑)