その118「風間教場」はこちら。
シリーズ8年ぶりの新作。信頼する上司、桃井が殉職し、恋人の晶とも別れ、ほとんど孤立無援の鮫島が、次第に別のチームを形成していく過程が静かに描かれる。
そのなかでも、警察の正義を信じ、女性が低く見られる風潮に逆らい続ける女性課長が渋い。
鮫島のセリフも、これまでになく礼儀正しく(まあ、ヤクザ相手だとちょっと違うが)、あるべき公務員像、あるべき社会人像というものを大沢在昌は鮫島を通じて描きたかったのかなと。
義理人情に厚いヤクザが瞬時に豹変するあたりの凄みも同時に。ラストで、チャンドラーの某有名作品が引用されておしゃれな後味も。
その120「地獄の犬たち&煉獄の獅子たち」につづく。
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