第13回「家康、都へ行く」はこちら。
全力疾走する人間のお話。これはもう、「いだてん」へのオマージュととっていいのではないでしょうか。
全力疾走する女性のお話。これはもう、ジブリをはじめとした日本のアニメーションへのオマージュと(以下同文)。
浅井長政に嫁いだ信長の妹、お市の方(北川景子)は、夫が信長を裏切ることを知って、なんとか兄にそのことを伝えようとする。有名なのは両端を縄でしばった小豆入りのお手玉を送り、朝倉義景と浅井から挟み撃ちにされようとしている警告とするもの。信長はその意をくんで……
しかしこの大河ではそんなまだるっこしいことはしない。お手玉のなかにはちゃんと文を仕込んである。しかし信長に送る手の者はあっさりとお手玉とともに斬られてしまう。
そこで出てきたのが、小さいころから駆けっこが得意な阿月(伊東蒼……「湯を沸かすほどの熱い愛」の、あの子。おとなになったなあ)。彼女は恩あるお市の方のために、苦難の果てにふるさとである金ヶ崎にたどり着き、メッセージを伝えて息絶える。
小谷城から、信長や家康がいる金ケ崎までの距離が約40キロという設定がいい。マラソンが文字通り命がけだったことは、発祥(マラトンからアテネへの伝令……彼も到着後に絶命している)からしても知れる。現在のマラソンランナーも、そんな距離を走っている。
家康(松本潤)のぶち切れ方がちょっと唐突。信長(岡田准一)や秀吉(ムロツヨシ)にあれほどの悪罵を放ってあとはどうするんだろう。秀吉が家康をしんがりに引きずり込むあたりは納得だけど。
第15回「姉川でどうする!」につづく。
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