新デザインのお札(20年前も言ったかも。おふだじゃなくておさつね)が流通しはじめた。何も考えずにその新札を銀行で入金したら
「いいんですか?新札ですよ」と窓口のお姉さん。
「だってほぼ一年でほとんどがこの札になるわけだろ?むしろ前の札のほうが貴重になるんじゃないか」
「まあ、それはそうですけど」
金融につとめていた人に聞いたら、ATMから新札が出てくるかは運次第だという。なぜなら、顧客が入金したお札が次の客の出金にあてられるからだとか。
「裏にあるケースにね、入金されたお札が上に積もっていくわけで。それがまず出金されるんです。ATMにお札を補充するのがまためんどくさいんですよ」
まさしく、金融の裏側。そしてこの映画は、そのATMの裏側にお札を佐々木蔵之介が補充するシーンからスタート。彼が出ていくと、そこには帯封のきれっぱしが……
ちょっとネタバレになるけれども、佐々木蔵之介は隠匿した金を、競馬で当てることで補充したのである。確か宮本輝原作の「優駿」でも、仲代達矢が傾いた会社を、競馬で当てて立て直すくだりがあった。あぶないあぶない。
さて、「シャイロックの子供たち」は、ここから現金紛失、行員の失踪などのディープな話がつづく。事件の真相を探れと命じられたのは阿部サダヲと上戸彩。意地悪な同僚を木南晴夏がやっているのは、時節柄きわどいかも。
池井戸潤原作ものは、みんなが絶賛するキラーコンテンツとなっている(半沢直樹はその代表だ)ので、むしろ敬遠していたけれども、切れ味するどい展開でまったく飽きさせない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます