Pet Shop Boys - What Have I Done To Deserve This
すごかったですねえ今日の首相の記者会見は……幹事社が産経新聞とフジテレビであることを差し引いてもひどかった。だいたい、なんで生中継する価値があった?さすがNHKです。そのご褒美が受信料義務化なのかな。妻は激昂、わたしも辟易。このシリーズ、もう一回やることにしました。
PART3はこちら。
自衛隊員に死傷者が出たあと、おそらく日本のメディアは死者を英霊にまつりあげるでしょう。そして、「このように危険な派兵に大義はあったのか?」という常識的な責任論を語るものの声を「死者を犬死にさせる気か」というヒステリックな絶叫が黙らせることになるでしょう。米国のような言論の自由な国でさえ、9・11後はそれまで低迷していたブッシュ大統領の支持率が90%にまで跳ね上がり、政権批判がほとんど不可能になりました。日本なら、その程度では済まないでしょう。「派兵に大義はあったのか?」と問う者は「非国民」、「敗北主義者」と罵られ、石もて追われることになる。私はそう予測します。そして、安倍政権はまさにそういう状況の出現を期待して安保法制の制定を急いだのだと思います。
9月21日 毎日新聞 内田樹インタビューより
……卓見だと思う。まさしく、そのとおりに進むだろう。
もしも自衛隊員が(たとえばイスラム原理主義者とのたたかいの“後方支援”あるいは“駆けつけ警護”にあたっていて)死んだとしよう。マスコミはとにかく騒ぎ立てる。
死んだ隊員の家族が涙にくれるシーンが何度も放映され、隊員の若いころの思い出、どんな人となりだったかが情緒的に語られるのだ。日本のマスコミの常套手段。
わたしたちの国は理屈ではなく、感情で突っ走ることが多い。沸点が低い、というか。だから隊員の死の責任がどこにあるのかという検証は、ずいぶんと時間がたってからしか行われまい。行われても、無視されるか、内田氏の指摘するように攻撃されるだろう。
自衛隊志願者が減る?いや、わたしは逆だと思う。自衛隊を見る眼は劇的に変化し、ヒーロー視する風潮が定着するはずだ。
わたしだって沸点の低い人間だ。ネット上で安保法制に賛成してきた(と同時に反対者に罵詈雑言をなげつけてきた)ネトウヨたちに、
「あんたたちの出番じゃないか。さあどうぞ前線へ」
てな暴言を吐いてしまうかもしれない。
なにより悔しいのは、そうなることを現在の与党は望んでいるということだ。そして、そんな事態を望んでいる人たちが国民のなかに少なくないであろうことが怖い。下地、とはそんな意味です。
本日の一曲はペットショップボーイズとダスティ・スプリングフィールドの「とどかぬ思い」
日本で言えば、桑田佳祐が中尾ミエをフィーチャリングしてポップチューンを仕立てたというところだろうか。大好き。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます