製作が磯山晶で脚本が宮藤官九郎、そして主演が長瀬智也と西田敏行とくれば、こりゃどうしたって「タイガー&ドラゴン」を想起させる。ま、わたし的にはいまひとつだった「うぬぼれ刑事」はなかったことにして。
落語とやくざを融合させるというアクロバティックな世界を構築した「タイガー&ドラゴン」以上に、今度は能+プロレス+介護という、どんな三題噺かと絶句。
基本的に暗い話なのだが(クドカンの脚本は、よく考えるとみんな暗い)、切れ味の鋭いギャグが連発されるので印象としてずいぶんと明るく思える。
能楽の人間国宝である観山寿三郎(西田敏行)の長男である寿一(長瀬智也)は、家を出てプロレスラーになり(リングネームがブリザード寿……んで、ユーミンの「ブリザード」で入場するのが笑える)、しかし父親が危篤となったため、引退して宗家を継ぐ覚悟をするが……
長女が江口のりこで次男が永山絢斗。養子に迎えられたのが桐谷健太。長州力や蝶野正洋、武藤敬司らプロレスラーがドラマにからんでくるのがおかしい。
強力だったのは家族旅行の回で、スパリゾートハワイアンズに向かった一行が、純烈のバッタもんのような歌謡グループのボーカル(阿部サダヲ)といっしょに観山家がステージに立つ展開。長瀬智也、西田敏行、桐谷健太、阿部サダヲと、“歌えるメンツ”をそろえていたおかげで最高のステージに。
彼らにからむのが、ほとんど後妻業の女である戸田恵梨香。とんでもない悪女ではないかと思わせて……長瀬智也に山賊抱っこをされて愛にめざめるあたりのセクシーさがすばらしい。
そして、くわしくは言えないけれども最終回!そうきたかあ。あ然。まさかあの映画を引用するとは。すばらしいドラマ。見逃していた人はぜひぜひ。
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