その27「太陽を曳く馬」はこちら。
1作目「隠蔽捜査」、2作目「果断」よりも歴然とレベルダウン。主人公の竜崎が魅力的なのは、自己評価なるものをまったく行わず、原理原則だけで生きることに充足しているあたりだ。だからその有能さを賞賛されても「???」なのがかわいいわけ。このあたりは安積ハンチョウと共通している。
ところが、今回は原理原則から離れて“交通事故のような恋愛”に陥ってしまう。まあ、その恋愛地獄から竜崎らしい方法で脱出(普通の人は絶対無理)するのは笑えるんだけど。
事件そのものがシンプルにすぎるのもいかがなものか。来日するアメリカ大統領を爆殺しようとするテロリストをどう防ぐかの丁々発止が、(今野が大好きな)ニヒルだけれど権力に弱い一匹狼の単独行動だけで収束するのもなあ。
第三作までで、息子・妻・娘のほのぼの家庭劇はほぼ終了か。あ、だから次回からは愛人が必要となったのかな?
重厚長大な「太陽を曳く馬」の直後に読んだので点が辛くなったかもしれません。そこんとこよろしく。
その29「機動隊」につづく。
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