事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

勝手に人生相談Vol.62 思い出の人

2022-06-07 | 日記・エッセイ・コラム

群青 - 阿部芙蓉美

勝手に人生相談Vol.61「家庭菜園」はこちら

30代の女性公務員。過去の経験のために他人を信じることができません。

幼い頃から不条理な扱いを受けてきました。幼稚園の時は理由もわからず別の園児に怒りの形相で追いかけられ、小学校では靴をどぶに捨てられたり、雑巾を顔に押しつけられたり。中学校では存在感を消しましたが、高校では再び同級生から無視や悪口。それでも勉強に打ち込み、推薦で大学に合格しました。

ところが、大学でも友人から無視され、「私は必死で勉強して入学したのに、あんたは推薦で楽をして気に食わない」と。それ以来、他人が信じられず、友人もできません。

もう人と関わりたくないと思う一方で、プライベートで飲みにいくなど、人と関わって豊かな人生を送る人を羨ましくも感じます。後悔のない人生を送るにはどうしたらいいか、ご教示ください。【大阪・A子】

最相葉月さんの回答がすばらしい。

「あなたと初めて食事に行ったとして、2度目があるかといえば、今のままでは難しいだろうと思いました。」

自分の過去にこだわるばかりで(しかもその過去は少なからずねじ曲げられている可能性すらある)、自己憐憫のかたまりのような人と話すのは、やはりきつい。

いじめる側といじめられる側を比較すれば、いじめる方が100%悪いに決まっています。しかし、たとえば大学の友人の発言もいかがなものかと思いますが、それで他人全体を信じられなくなる視野の狭さはどんなものでしょう。

文章もしっかりしているし、知性を感じさせるあなた(きっと有能な公務員なのでしょう)が、視野狭窄のまま生きていくのは確かにつらそうです。とすれば、まずは他人を受け入れ、許すことから始めてみませんか。

他人を、恨みの対象ではなく、許容する相手だと。あ、なんか変な宗教みたいな話になってしまった。

本日の1曲は「iPod退場」から阿部芙蓉美の「群青」

Vol.63「恋人代行」につづく

 


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