事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密」 Knives Out (2019 ライオンズゲート)

2020-04-01 | 洋画

早暁。マサチューセッツ州郊外の大邸宅。疾走する2頭の犬。邸内では使用人が邸宅の主である老推理作家に朝食を運ぶ。入り組んだ経路。作家は自ら頸動脈を切って事切れていた……

単純な自殺に思われた。その理由は

・血しぶきは“完全な”形だった

・前夜に作家の誕生パーティが行われていたが、全員にアリバイがあった

・外部からの侵入者は(豪邸なのに階段の音がひびくなどして)ありえなかった

しかしそこへ名探偵が乗り込んできて……

いやはやゾクゾクしますね。ミステリ好きとしては見逃せません。実はずっと前に山形で封切られたときに、これだけを観に行こうと思ったぐらい。断念したけど。

最初に出てくる犬の存在や、セリフのひとつひとつにヒントがしこんであって周到。この脚本は完全にオリジナル。「最後のジェダイ」でSWファンから壮絶に批判をあびたライアン・ジョンソンが書き上げたもの。

LOOPER」もそうだったように、ミステリマニアなのでしょう。嘘をつくと吐いてしまう容疑者、という設定はお好きなかたでないと(笑)

さしてミステリ好きでもない妻といっしょに観て、ふたりとも満足しました。

「これってスティングじゃない?」

「うん、肌合いがね」

あの映画は章立てされていて、最終章がSTING。高瀬鎮夫さんの名訳でこう表現されていました。

「最後に、グッサリ」

チクッとさすSTINGをこう訳すあたりが技。

となれば、この映画のタイトルKnives Outもこう訳すべきでは?

「ナイフがいっぱい」

ナイフをめぐるセリフに大ヒント。あ、ちょっとネタバレ。

メジャーな会社が金を出したわけでもないのにダニエル・クレイグクリストファー・プラマージェイミー・リー・カーティストニ・コレット、そして「IT」の少年など名優が集まったのは脚本の面白さのおかげでしょう。満足。


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