「伍長!」
「またやるのか。今度はなんだ?」
「鶴岡まちなかキネマで自分でハシゴしておいてとぼけないでくださいよ。次は大ヒット『アラジン』じゃないですか」
「まさか興行成績が日本で100億突破とは予想しなかったぞい。おそらくディズニーの日本支社だって想像もしていなかったと思う」
「なにがよかったんでしょう」
「主演のウィル・スミスを予告篇でもあまり見せなかったのがよかったんじゃないかな。ほんのちょっとだけ“Showtime!”って言うだけなのは周到だと思った。彼の興行価値はいま微妙なところだし」
「この10年ほど、キャリアは迷走しっぱなしでしたからね」
「それがこのランプの魔人ジーニー役はぴったり。アラジンに恋愛指南しながら、自分もちゃっかり王女の侍女といい仲になるあたりの図々しさがいい。あ、それから今回もライオン・キングにつづいてアニメ版は見てないから」
「あーそうですか」
「ゲームはちょっとやったけど、これがつまんないんだ(笑)。まあ、ジャッキー・チェン活劇をいただいたアクションシーンはよかったな。魔法の絨毯の飛翔は今ひとつだったけど。全体に画面が弾んでいたのは、なにしろ監督がスナッチのガイ・リッチーだったからじゃろ。」
「ああ、マドンナの元亭主ですよね」
「その言われ方はいやだろうなあきっと(笑)。シャーロック・ホームズのような大作でも彼特有のユーモアとリズムは健在。吹替も山寺宏一大先生だから面白かった。にしても、ヒロイン役のフェリシティ・ジョーンズは働くのお」
「あの、伍長。彼女はフェリシティ・ジョーンズじゃないです。ナオミ・スコットっていう、英印のハーフです」
「ええええっ」
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