PSY・S/Wondering up and down ~水のマージナル~
PART13「最上(もがみ)」はこちら。
さて、最上地域の市町村合併話の前段に、飛び地問題がある。境界線があいまいなのだ。鮭川村のなかに新庄市の飛び地があり、金山町のなかに真室川の、新庄市のなかに金山町の、大蔵村のなかには舟形町の飛び地がある。新庄と大蔵村にいたっては全国でも珍しい二重飛び地まで存在する。
二重飛び地?
こういうことだそうだ。新庄市本合海大坪付近に大蔵村合海の飛び地があり、さらにその中に新庄市本合海の飛び地があるんですって。うわあ。
そういえば、わたしが旧松山町の学校に勤務していたとき、戸沢村と隣接している柏谷沢という地区と、水路ひとつ隔てた戸沢村柏沢という地区の関係は微妙なんだときいたことがある。同一集落に見えるのに、かたや庄内ナンバーでかたや山形ナンバーなんですって。いまはどうなっているんだろう。
それはともかく、これだけ入り組んだ状況だし、各市町村の財政状態がよろしくないのだから、当然平成の大合併のときに機運は高まる。ところが、さまざまな組み合わせが検討されたものの、すべて破談。原因は新庄市の財政にあると噂されている。
しかし、学校事務職員にはおなじみの、基準財政需要額で基準財政収入額を割った財政力指数でみると、新庄が断トツに健康なのである。ネットからひっぱると……
・新庄市……0.46(県内6位)
・最上町……0.21(県内26位)
・舟形町……0.20(県内28位)
・金山町……0.19(県内30位)
・真室川町……0.18(県内31位)
・鮭川村……0.16(県内33位)
・大蔵村、戸沢村……0.15(県内34位。つまり最下位)
数字が1に近い方が余力があるわけだから、数字の上ではどうみても新庄がまわりの町村を救済に近い形で合併に持ち込みたかったのだと読める。ところが、合併話が佳境に入ると次々にまわりの町村は離反していくのだ。合併特例債というアメと、交付税の削減というムチがあったにもかかわらず。
なぜだ。
まあ、無責任なことは言えないけれど、たとえば新庄市立の小中学校の配当予算などを聞くと絶句してしまうし、どうも数字以上に新庄はきつい状況にあるのでは、という気もする。かろうじて、ここまでのコメントです。
本日の一曲は、サイズの「水のマージナル」。松浦雅也がやっていたサウンドストリートは途中から凄みが。毎月いろんなアーティスト(シオンとかバービーボーイズとか溝口肇とか)とコラボして新曲を発表していくのだ。これがもうハイレベルの極み。いやあびっくりした。
PART15「庄内」につづく。
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