万城目ワールドが地理的にも時代的にも量的にも思いきり広がった超大作。
両親が隕石の落下によって亡くなった(すでに伏線)三つ子の兄弟。梵天(ぼんてん)、梵地(ぼんち)、梵人(ぼんど)の天地人トリオには、それぞれ“三秒”と呼ばれる特殊能力があった。そんな彼らの前に、青いラピスラズリをまとった女が現れ……
およそ意味不明のタイトルだが、まるで三題噺のようにきっちりと伏線が刈り込まれる。これがあの万城目学の作品かと思うほどです(失礼)。
様々なストーリー展開が精緻に組み上げられる。銀行強盗、自衛隊、PKO、恐竜、そして……ああ紹介すればするほどみんなドン引きするのが感じられます(笑)
しかしこれだけは言える。後半の冒険小説的高揚はめったに味わえるものではないと。読後感も爽快。やっぱり、万城目学はやめられない。
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