第十八回「越前へ」はこちら。
今日は池端俊策さんではなくてWOWOWで活躍している前川洋一さん(「マークスの山」「レディ・ジョーカー」)脚本の回。最愛の息子を、同じ息子である信長に殺された土田御前の無念からスタート。
「わたしのだいじなものをいつも壊してきた」と。
こういう役を檀れいが演じるようになったんだなあ。わたしにとっては世の中でいちばんまん丸のお尻の人だったんだけど。
大映ドラマそのまんまの展開でありながら、今日の演出はクールでしたね。鷹の目から光秀をとらえるショットとか、信長が自らを抑えながらも小躍りするように去って行くシーンとか。そういえば大映ドラマにも松田優作が出演していたんだもんな。染谷将太が出ていてもなんの疑問もありません。
将軍家の落魄があらわになった回でもあった。宮本昌孝(この人がアニメ「じゃりン子チエ」の脚本も書いていたとは!)の「剣豪将軍義輝」の印象が強い義輝(向井理)は、自分にできることは位階をコントロールするぐらいだとニヒっている。取り巻きもそのことをわかっていて、浪人である光秀にそのことを明かす(ありえないけどね)。地元俳優の眞島秀和が渋くなってます。
そこで出てきたのが信長暗殺計画。斎藤義龍(伊藤英明)の乾坤一擲の策だったのに、結果的には光秀がそれをつぶす端緒に(ありえないけどね)。
くり返すけれども今日は演出がみごとな回だった。自分たちが世界の中心だと思っている京都の連中と、それをどう利用するかという周辺の思惑(それは今も続いています)。自分の死を予想しているかのように、諦念あふれる義龍……
本日、いちばん腹黒かったのは朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)です。無位無冠である光秀を、たいした処遇も用意していなかったのに、探りを入れるにはぴったりだと利用する。こういうことって実はいっぱいあったんだろうなあ。越前の人たちは、このドラマに微妙かも(笑)。
第二十回「家康への文」につづく。
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