ほとんど無一文に近い形で、妻子を韓国に残したまま日本に出奔。商売のセンスはしかしとびきりで、特にガムで大当たり。愛読書だった「若きウェルテルの悩み」の登場人物シャルロッテから名をいただき、社名を「ロッテ」とする。先行する明治や森永を追いこし……
ロッテの創業者、重光武雄の評伝。
わたしの世代にとってこの会社は「お口の恋人」のキャッチフレーズと、日曜のお昼の
「一週間のご無沙汰でした。玉置宏でございます。お口の恋人、ロッテ提供、『ロッテ歌のアルバム』…」
でなじんでいたので、後発であることなど意識もしなかった。
日本で儲けて韓国に出資、というのは時節柄危ない話ですけど。
ロッテワールドの開園式に、日本の歴代総理が並ぶ姿は彼の力がどれだけ強いかの証明だ。しかし重光の人生は最晩年にいたって暗転する。
息子たちの壮絶な跡目争いに巻き込まれてしまうのだ……わからないものだなあ。
しかしわたしたちの生活がロッテによって彩られた(大げさじゃない)ことは間違いない。
クールミントガム、キシリトールガム、ガーナミルクチョコレート、クランキーチョコ、バッカス(わたしは子どものころから酒好きでした)、一世を風靡したビックリマンチョコ、小梅ちゃん(林静一のCMは衝撃的)、コアラのマーチ、雪見だいふく、爽(大好き)……失敗作も数多かった会社らしいが、定期的にヒット作を発する社風は重光の貢献だろう。
また、スーパーに行くわたしに妻はモナ王をリクエストするんだろう。じゃあ俺は爽ってことで。
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