「ダーク・シャドウ」Dark Shadows（2012 WB）

「ティム（・バートン）と組むときは、いつもぼくに彼の奥さん（ヘレナ・ボナム＝カーター）を殺させるんだ」

特典映像でジョニー・デップが笑いながら。特に今回は壮絶な殺し方です。

19世紀アメリカ東海岸。イギリスからやってきた富豪一家。苦労知らずの息子は召使いの少女と“いけないこと”をしている。彼女は息子のことを愛しているが、身分の差もあって少年はつれない。

普通なら時代背景もあってそのまま過ぎていく小さな悲劇。しかしひとつだけ違うことがあった。少女は魔女だったのである。彼女は少年の両親を呪い殺し、少年をヴァンパイアに変え、住民を扇動して生き埋めにする……

そして時は巡って現代。工事現場で掘り起こされた少年、じゃなくて青年は解放され、惨劇が始まる。

19世紀と現代、イギリスとアメリカの対比があざといぐらいに描かれる。

ヴァンパイアと魔女を演ずるのは、いまやティム・バートン組となったジョニー・デップとエヴァ・グリーン。このふたりがくり広げるバカバカしいセックスが壮観。バートンはこれをいちばん撮りたかったのではないかしら。あ、自分の奥さんを殺すシーン以外では（笑）。

おちぶれた一族を演じるのがミシェル・ファイファーやクロエ・グレース・モレッツであるなど、ひたすら豪華。「がんばれ！ベアーズ」の不良少年、ジャッキー・アール・ヘイリーがなさけない召使い役でうれしい。音楽はもちろんダニー・エルフマン。わたし、この映画好きです。