故スティーグ・ラーソンが著した「ミレニアム」三部作は全世界でとんでもないベストセラーになった。
当然のように母国スウェーデンで映画化され、こちらも大ヒット。天才ハッカーにして身体にドラゴンのタトゥーを入れているリスベットに、骨太でちょっとおばさんが入ってる(失礼)ノオミ・ラパスを起用したのが懸念されたけれども、むしろ彼女の気合いの入った演技は高く評価されたのだった。
この企画をハリウッドが見逃すはずもなく、映画化権を手に入れたSONYは、監督デヴィッド・フィンチャー、主演ダニエル・クレイグを用意し、そしてリスベットにはそれまでおしとやかなお嬢さんのイメージが強かったルーニー・マーラを抜擢。
わたしはこの作品を楽しく見た。一種の本格ミステリの匂いをふりまいてスタートし、叙情的なラストでうまくまとめている。あまりにハリウッド的ではないかという批判もあったようだが。
ある程度の興行成績をハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」はあげたにもかかわらず、なぜか続篇は作られず、時は流れた。
印象として、いきなりな感じで新作登場。しかもスティーグ・ラーソンのオリジナルを書き継いだダヴィド・ラーゲルクランツ版第1作「蜘蛛の巣を払う女」がチョイスされている。なんで?まあオトナの事情というやつなんでしょう。蜘蛛の巣とはもちろんWEBのこと。
監督は「ドント・ブリーズ」で注目されたフェデ・アルバレス。この人の才能は疑いない。空撮を多用してリズムを生み出している。
実はラーゲルクランツ版でいちばんきついエピソード(双子の姉妹の激突)なので陰惨になりがちなのをリズムが救っているのだ。それでもこの作品の評価は低く、ヒットもしなかったようだ。しばらく続篇の話は出ないだろう。その要因として、わたしは主演のクレア・フォイの幼児体型にあったのではないかと勝手に思っております(笑)。
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