50円に怒!市職員が給与受け取り拒否
鹿児島市の男性職員、「私用電話料」の天引きに不服
給与から毎月一律50円が「私用電話料」の名目で天引きされていたことを不服とした鹿児島市の男性職員(53)が、6月分からの給与の受け取りを拒否していたことが6日分かった。この職員の天引きは既に中止されているが、天引きの根拠についての市側の説明に納得していなかったという。
鹿児島市によると、天引きは同市の大半の職場で60年近く前から行われている。男性職員は昨年3月、天引きの中止と、天引きをする根拠の説明、過去の天引き分の返還などを求め同市公平委員会に申し立て、市はこの職員の天引きは中止した。
公平委員会は今年1月、過去の天引きについては合理的理由があるとして返還要求を棄却したが、根拠の説明は認めた。上司がこの職員に過去の経緯などを説明したが納得せず、6月分からの給与と期末勤勉手当などの受け取りを拒否しているという。
-夕刊フジ 2002年8月6日-
……いやー久しぶりに本日のお題シリーズにぴったりのネタ。突っ込みどころのあまりの多さによだれが出る。
もっと事情が知りたかったので地元の南日本新聞のサイトにも入ってみた。6月7日付でこの問題がどのように始まったかが説明してある。
鹿児島市が毎月一律50円」私用電話料天引き中止を
-職員、公平委に改善要求
鹿児島市の職員給与から私用電話料名目で毎月一律50円が説明のないまま天引き(控除)されているとして、同市職員(52)が控除をやめるよう市公平委員会に申し入れた。市側は「各課の総意で職員が了承して払っている」としているが、控除の経緯などは不明で、全庁的に数十年続いているらしい。携帯電話が普及するなか、控除の是非をめぐって論議を呼びそうだ。
同職員が求めているのは私用電話料の控除中止や控除の根拠の明示のほか、過去の控除分の領収書発行か採用時にさかのぼった全額の返還。公平委は職員の不利益などを審査する機関で3月末、改善を申し入れた。
同職員は「携帯電話を使っている若い職員から、おかしいと相談があった。職場がかわる時も控除の説明はなく、賃金の搾取に当たる可能性がある」と主張。2月以降、使った電話代は自主申告して払っているという。
市によると、職場での私用電話料は利用の有無にかかわらず、大半の課で毎月一律50円を職員給与から控除、一般会計や特別会計の歳入にあてている。だが、控除の経緯や金額の根拠は分かっていない。予算計上を確認しているのは1961年以降で、本年度一般会計の計上額は約700万円。現業職や医療職、臨時職のほか市長ら三役は控除がない。
市側は緊急時の通話のほか公私の区別をつけられない電話もあるとしており、松元幸博人事課長は「給与明細を受け取る際の受領印で了解を得ており、周知されている」と話している。
公平委の新西洋一事務局長は申し入れについて「(職員と市側で)話し合うしかない」という。ただ個人的な意見として「全職員に波及する問題なので、今後控除をどうするのか、何らかの方向付けが必要だろう」としている。
私用電話料をめぐっては鹿児島県内の自治体で対応が異なっており、県は「公衆電話があり控除していない」、川内市は「使った分の自己申告の額を給与から控除している」という。
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……二つの記事には時期的な相違点があってよくわからない部分もあるのだが、事実関係を追っていくと、
1.この男性職員に若手の職員が天引きはおかしいのではないかと相談を持ちかける(どうもこれ、ホントかなあ、という気もするが)。
2.男性職員はこの相談をうけて、市の公平委員会(この存在もよくわからない。おそらく関係の仲裁が当初の設立理由なのではないかと思う)に申し立てを行う。
3.鹿児島市はこの職員の私用電話料天引きを中止。男性職員は自己申告による私用電話料の支払いを開始。
4.公平委員会、男性職員の返還要求を棄却。同時に根拠の説明を認める。
5.委員会の裁定をうけて、上司がこの職員に過去の経緯を説明。
6.この時点で地元紙に記事が載る。
7.男性職員、上司の説明に納得せず、給与と期末勤勉手当の受け取り拒否開始。
8.全国紙にこの経緯が掲載される。
……たかが50円の話に何を大げさな、と言われそうだが、こいつはかなり大きな問題をはらんでいる。
給料袋に手を突っ込む『天引き』という作業の罪深さと、そしていつの間にかそのことに何の疑問も抱かなくなってしまう公務員(に限らないが)の鈍感さである。
大分析は次号。ご意見お待ちしています。
画像は「恋におちたシェイクスピア」Shakespeare in Love (米 ‘98)
どうにもこの映画とは巡り合わせが悪く、何度もレンタルしてはそのまま返していた。グゥイネス・パルトロウにどうしても魅力が感じられず(ブラッド・ピットはなんでこんなブスに惚れたんだ?と思っていた)、おまけに権謀術数渦巻く「エリザベス」のようなタイプならともかく、恋愛劇としてのコスチュームプレイって、うーん、なんか面白くなさそうじゃないですか。シェイクスピアには英文和訳でさんざん苦しめられてきたし。
どっこい近年のアカデミー賞受賞作のなかでは唯一(笑)の傑作と言われるだけあって(「アメリカン・ビューティー」は途中でギブアップした。あれ、どこがいいんだ?)これは良かったなー。シェイクスピアってきっとこんな奴だったんだろうと思わせる作劇と、脱ぎっぷりのいいグィネスにはまいってしまいました。私、脱いでくれる女優さんは大好きです(キッパリ)。
エー市町村職員なのに、法律に定められた公平委員会制度を知らないの?と率直に思た