事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

港座上映会 「酒田遊所の光芒」

2015-07-09 | 港座


7月の上映会は特別企画。午後6時の回に講演会を行います。タイトルは「酒田遊所の光芒」。光丘文庫古典籍調査員の田村真一さんをお迎えして、地元酒田における遊所の盛衰を語っていただきます。

ご存じのように港町として栄えたここ酒田。金が集まり、人が集まればそこには遊所が必然のように興る。悪所であり、同時に芸能の華が開いた酒田の遊所とはどんなものだったのか。

全国遊所番付の前頭二、三枚目に位置付けられた妓楼街。そのなかでも、明治27年の酒田地震で壊滅した今町にスポットを当てます。入場は無料です。ご自由にご来場ください。

また、上映会はいつもどおり入場料1000円(会員)で。会員以外の方は1200円となっています。7月の上映作品はクラシックを。



「羅生門」は、芥川龍之介の短篇「藪の中」「羅生門」をアレンジした黒澤明の代表作品。敗戦で気落ちしていた日本人を、この作品のヴェネチア映画祭金獅子賞受賞がどれだけ勇気づけたか。平安時代に起こる強姦と殺人。しかし登場人物たちの語る『真相』はすべて違っている……出演は三船敏郎、京マチ子、森雅之。黒澤の演出と宮川一夫の撮影が彼らを光り輝かせています。

 


「ライムライト」は、赤狩りのためにチャップリンがアメリカで撮った最後の作品となりました。失意の若きバレリーナを、落ちぶれた道化師が励ます言葉は、同時に観客をも励ましてくれます。

「必要なのは、勇気と、想像力と、そして少しのお金。」

サイレント喜劇の王だったチャップリンは、語りたいことが山ほどあったのでしょう。初めてバスター・キートンと共演した作品でもあります。

7月11日(土)

大劇場 12:00 15:00 「羅生門」

小劇場 12:00 15:00 「ライムライト」

18:00 講演会「酒田遊所の光芒」

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育休退園その2

2015-07-08 | ニュース

スガシカオ feat.井上陽水 - 氷の世界

PART1はこちら

なぜ所沢市が方針を変えたか。考えられるのは

・育児休業者を除外することが待機児童解消に数字的に寄与する

・育児休業をとれず、しかし保育園に入れることができない家庭への配慮

・国の方針を素直に準用すれば必然的にこうなる

・市長の意志

……こんなところだろうか。

「保育園は働く親のための施設」

「育休中なら預ける必要はない」

……という意見も市役所には寄せられているということだし。

逆に、育休をとる親の立場になってみよう。

・まず、厳然としてあるのは、子どもを保育園に入れるのは大変だという事実。待機児童ゼロはどの自治体でもめざしているだろうが、たとえ達成できたとしても、希望する条件に合致していない場合ももちろん含んでいる。なにより、保育園さがしが子どもを持つ親にとって大仕事になっている現状はやはりきつい。

・さあようやく保育園に入れることができた。しかし次の子ができたので、育児休業をとって……となったらせっかく見つけた保育園を退園しなければならない、となれば誰だってこう考える。「二人目の子どもをつくるのは……」と。

だからわたしは所沢市長の発言はすごいと思った。少子高齢化対策にまっこうから対立する方針を持ち出したからだ。そんなものよりも「子どもは母親といっしょにいるべきだ」という自身の考え(わたしは偏狭だと思うけれども)を優先するとは……

まさかねえ、と思いつつも「ん、所沢?」ちかごろ何かあったような。そうかあの市長だったのかっ!以下次号

本日の一曲はスガシカオfeat.井上陽水「氷の世界」。あ、そうかと気づく。陽水のあの名曲は、日本初のファンクだったのかと。詞のシュールな魅力は筆舌に尽くしがたい。にしても、あの名盤がベストセラーになる幸福な時代があったということだ。リアルタイムで買ったので自慢げ。

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育休退園

2015-07-07 | ニュース

スガ シカオ(SUGA SHIKAO) / 夏陰

親が出産して育児休業に入った場合にそれまで保育園に通っていた子どもを3カ月後までに退園させる。そんな埼玉県所沢市の新たな方針は違法だとして、10人あまりの保護者が近く、市に退園させないよう求める仮差し止めをさいたま地裁に申し立てる。育休中も従来通り、在園できるよう求める。25日に記者会見して発表する。

同市は今年3月、母親の出産に伴い、保護者が育休を取った場合、保育園に在園する0~2歳児は双子、病気の児童などを除き、下の子が生まれた翌々月末までに退園させる方針を通知。4月から始めるとしていた。

市はこれまで園長の裁量を認めて、育休を理由とした退園は求めてこなかった。だが、国の子ども・子育て支援の新制度で4月から、入園調整を市が一括して管理することになったのに伴い、「育休中は家庭での保育が可能。園での保育の必要性が認められない」として厳格運用に転じた。

これに対して、保護者らが反発。育休を予定する保護者たちが申立人となり、市に在園児を退園させないよう仮差し止めを求めることにした。申立書では、育休は単なる休暇ではなく復帰の準備期間で、就労の一形態▽保護者に育休の取得を萎縮させる――などと主張。市の方針は「育休中であっても保育園の在園を認められるとした子ども・子育て支援法の施行規則などに反し、違法だ」と訴えている。

市は親が復職する際に申請すれば、再入園の選考時に加点して同じ保育園に通えるよう配慮する制度を設けた。藤本正人市長はこれまでの取材に対して、「子どもは2歳までは『お母さんと一緒にいたい』と言うはずだ。この制度変更はとてもいいものだと思う」と話している。
(戸谷明裕朝日新聞所沢支局長)

……実際に法廷に持ち込まれたようだ。この問題はかなり微妙らしい。わたしは朝日の記事を読んだときに、どうにも嫌な感じがまずあった。それはもちろん、所沢市長の

「子どもは2歳まではお母さんといっしょにいたいと言うはずだ」

という断定口調に。しかし所沢市によれば、報道以降、役所によせられる意見では、「6対4で市を支持する意見が多い」のだと言う。ちょっと整理して考えてみよう。以下次号

本日の一曲はスガシカオ「夏陰」。彼の歌の苦さは、どんなに甘いメロディでも“生活が追いかけてくるぞ。生活が追いかけてくるぞ。”と訴えかけてくる点にある。みんな、そして追いつかれるのだ。

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明細書を見ろ!2015年7月扶養手当確認号

2015-07-06 | 明細書を見ろ!(事務だより)

例によって、扶養手当受給者と、共済組合の被扶養者がいる職員にだけ発行する号外です。またもや、確認事務です。

今年の特徴は、アルバイト収入によってさかのぼって取り消しをするケースが後を絶たないため、ついに共済組合が、学生だからたいして稼いでいないだろうという建前を、扶養手当の確認と同じように捨て去ったこと。そのため、添付書類が増える人もいます。別添の個人ごとの一覧表を参考にお願いします。

基本的なおさらいをしましょう。扶養において

年額130万円を下回っているか

月額108,300円を下回っているか

例外はあるものの(障害年金や60才以上の年金受給者など)このふたつを常に意識してください。税金の場合は、また別なのでややこしいんですけど。

7月24日(金)まで、事務室へ!(×島は最悪の場合FAXで)

本日の一冊は「太宰治の辞書」

作者の北村薫は、デビュー当時は性別も不明の覆面作家。実は埼玉県立高校のオッサン国語教師でした。だからかは知らないけれど、読むたびに怒られているような気になる。日常の謎をめぐる円紫師匠シリーズ十数年ぶりの新作では、あの主人公“私”が中学生のお母さんになっている!ひいい。

コメント (2)
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うまい店ピンポイント 利久

2015-07-05 | 食・レシピ

「侍」篇はこちら

先月コボスタで楽天VSソフトバンクを見たばかりだというのに、本日も仙台に行ってまいりました。

今回は高速バス。片道3000円弱。夫婦ふたりなので往復12000円ぐらい。ガソリン代や高速料金を考えると、まあお金的にはコスト高だろうけれども、とにかく楽ちん。途中下車は寒河江だけなのでタバコが吸えないのがきついですけどね。

目的地は西口近く(にあるはずの)JALシティホテル。でも見つからねー。とにかく牛タンを食べようと、本来なら駅近くの西口本店をめざしていたのに花京院にある利久へ。

ランチにとろろをつけて1400円。妻は「こんなに食べられないわ!」と半分よこしたので大盛り以上に食べることになってしまいました。でもおいしい。うん、おいしい。お腹いっぱいのままスマホを使ってなんとかホテルにたどりつく。やれやれ。

あれから楽天は一度も勝っていなかった。でも今日は久しぶりの勝利。ちょいとホッとして帰路に。まだお腹いっぱいです。

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「泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部」 酒見賢一著 文藝春秋

2015-07-04 | 本と雑誌

わたしは三国志の世界に昏い。いやもちろん、魏・蜀・呉がくんずほぐれつするお話のなかに、諸葛孔明、関羽、張飛、趙雲が出てきて大活躍するんだよな、程度は承知している。映画「レッド・クリフ」も見ているので、赤壁の戦いの帰趨もなんとか。

そんなわたしが「泣き虫弱虫諸葛孔明」を第壱部第弐部第参部と読み進めてきたのである。要するに、このシリーズでわたしは三国志を学んでいるのだ。これは幸せなことなんですか(笑)

なにしろキャラが立ちすぎている。

孔明は不思議ちゃんだし、劉備玄徳は性格破綻者&人たらし。曹操は戦に強く文化人、しかし何かが欠格している。呉(くれ、じゃないですよ。ご、ですよ)の孫権にいたっては、広島やくざそのものとして描かれ、広能や山守親分が山口組に翻弄される姿をほうふつとさせる(彼の弱点が、呉の人口が少なく、ために兵站どころか直接の戦闘要員が足りないあたりは説得力ある)。関羽や張飛は完全に化け物あつかいで……いいんですか真の三国志ファンのみなさん。

しかし白髪三千丈の国のことだから、三国志で描かれた故事の多くは、実はこの酒見バージョンの方が事実に近いのかもしれない。

呆然としたのは、この第四部において、曹操も劉備も関羽も張飛もみーんな死んでしまうのである。残るヒーローは孔明と趙雲だけ。どうなるんですかこれから!?

あ、やはりわたしも三国志の世界にどっぷりとはまってしまったようだ。おそるべし三国志。おそるべし酒見賢一。

思い起こせば、彼のデビュー作「後宮小説」を絶讃し、天才出現と騒いでくれたのは匈奴の、じゃなくて郷土の誇り、井上ひさしだったなあ。

第伍部につづく

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今月の名言 2015年6月号芸能篇 コメントの女王

2015-07-02 | 芸能ネタ

PART1「学習会」はこちら

今月の名言シリーズでは、舞台あいさつを何度もとりあげてきた。特に登場回数が多かったのが三谷幸喜大泉洋。彼らは日本を代表するコメント芸人だと断言できる。ところが、そこへ飛び込んできたのがあの大女優だ。

「セリフがあまりに早口で分からないからよ」

「駆込み女と駆出し男」の大ヒット御礼の舞台あいさつで、リピーターが多いことを知らされた樹木希林の発言(笑)。

確かにこの映画では速射砲のようなセリフの応酬が何度も何度もくりかえされる。大泉洋VSキムラ緑子の初対面のシーンはその代表。シネマブロガーのなかにもその点に不満をもらす人もいた。うーん、わたしはあのリズムこそが原田眞人が描きたかった部分だと思うのだが。

樹木希林の毒舌は止まらない。トロントでの日本映画祭におけるあの作品のタイトルが「KAKEKOMI」だったと知ると

「日本もそのくらいにしてもらわないと。私もいまだに覚えられないんだから」

言いたい放題です(笑)。もっとも、彼女の発言が辛辣なのは今に始まったことではなくて、その昔、久世光彦の不倫を断罪したのは彼女ではなかったか。

今回も本当の毒はもっと別の部分に仕込んであった。

「私はキャスティングの全部が全部、ピタッと合っているとは思わない。ある人については、リハーサルの時から監督に“変えるなら、今”と言っていた。でも監督は、きれいな人に目がないから」

……誰のことなんですか(笑)。ちなみに、この映画に出演している美人女優といえば、戸田恵梨香、満島ひかり、内山理名、陽月華……こんな軽口を叩くのは、「わが母の記」で原田監督を信頼した故だろう。久世にしても、悪口をいえるほど有能だったのだ。

にしても、近ごろの樹木希林の充実ぶりはすごい。もう怖いもののなくなった彼女の、これからのコメント芸に期待しよう。

2015年7月号「コメント芸人の対決」につづく

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今月の名言 2015年6月号政治篇 学習会

2015-07-01 | 国際・政治

彼と彼女のソネット - 原田知世 (1987年) / T'en Va Pas - Tomoyo Harada (Japanese ver.)

2015年5月号「高校生イチロー」はこちら

今さら百田尚樹氏を批判しようとは思わない。自民党の学習会における噴飯ものの発言の数々は、以降の冗談か本気かと揺れ動いた件もふくめて、要するに調子こいているだけの人なのだから仕方がない。

わたしが驚いたのは、しかしこの学習会に参加した若き議員たちの発言の方だった。特に

「福岡の青年会議所理事長の時、マスコミをたたいたことがある。日本全体でやらなきゃいけないことだが、広告の提供(スポンサー)にならないということが一番(マスコミは)こたえる」

福岡1区の井上貴博衆院議員(当選2回)の発言。この人、もうやっていたのだ。そういう体質の人なのだろう。そして、こんなレベルの人間がいま政治を動かしているということだ。

学習会に関しては、さすがに保守系マスコミも(腰がひけてはいるが)批判を強めている。自分たちの商売の根幹にかかわる部分だから当然ともいえる。

恣意的な政治によって報道がゆがめられるとすれば(まあ、今でもたいがいゆがんではいますが)、マスコミへの信頼が失墜すると同時に、政治に対する信頼はそれ以上に墜ちるのだとこの人たちは……気づくわけないか。

「私が批判しているのは憲法学者ではなくて、憲法学者の言うことを無批判にうのみにする政治家だ」

高村副総裁の発言。“身内”だと思っていた憲法学者にまで安保法制が違憲だとコメントされ、自民党の重鎮たちはあわてふためいている。

憲法改正推進本部長(になってたんだね)である船田元の責任は免れないところだろうが、わたしは船田を見ているとつくづくと悲しくなる。政界エリートの家系を誇り、戦後最年少での入閣を果たすも、畑恵との不倫騒動がケチのつき始め。本来は右翼嫌いであろうに、昔は批判していた安倍晋三にひたすらすり寄ることでしか生き残れず、そして今回のような始末。無残だなあ。

にしても、安保法制が違憲なのは右翼の方々だってわかってはいるんでしょ。わたしが問いたいのは、高村、谷垣、山口公明党代表などの、法律家にして政治家である人間たちは、心のなかで自分の発言が後世に残ることをどう思っているのかだ。しかし、突っ走るしかない。罪つくりな内閣ではある。

本日の一曲は原田知世「彼と彼女のソネット」大貫妙子バージョンもいいですけどね。

芸能篇「コメントの女王」につづく

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