事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「オクトーバー・リスト」ジェフリー・ディーヴァー著 文春文庫

2022-01-24 | ミステリ

ディーヴァーの新作。なんと最終章からスタートし、次第にさかのぼっていくという驚異の展開。よくもまあこんなめんどくさいことを思いつくし、そして面白く読ませてしまうものだ。さすがディーヴァー。]

オープニングは、というか最終章は絶望的。娘を誘拐されたヒロインのもとへ、当の誘拐犯が訪れ、銃口を……

なんて救いのないお話なんだと思わせて、次から次へと状況をひっくり返してみせる。しかも過去にさかのぼって。

思えばディーヴァーは章立てのうまい作家だった。絶体絶命の状況を用意して、次章でうまく読者をだましていたことがわかる。小憎らしいくらいのうまさ。この「オクトーバー・リスト」は、そのテクニックを小説全体で繰り広げてみせたわけだ。

そして、普通の本であれば冒頭にあるはずのものが巻末にあり、章ごとに用意された(ディーヴァー自身が撮影した)写真の意味が明かされる。思わず笑ってしまいます。

読者の誰もが、二度も三度も楽しめるサービス満点の一冊。ぜひぜひ。

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鎌倉殿の13人 第3回「挙兵は慎重に」

2022-01-23 | 大河ドラマ

第2回「佐殿の腹」はこちら

穏やかな週末。気温も高い。ということで雪を一輪車で川まで運びまくる。二日でちょうど100杯。いちいち数えている自分が可笑しい。

土曜日はリリー・フランキーのスナックラジオがあり、日曜日はこの鎌倉殿の13人がある。モチベーションはこのふたつの番組でしっかり。

ちょっと真面目なことを言えば、わたしがこの大河で知りたいのは、正味なところ、源氏が興した幕府が、意外なほどあっさりと北条に実権が委譲されたのはなぜかということだ。

やはり本は読んでおくもので、へとへとになってソファーに寝っ転がって読んでいた北村薫の「中野のお父さんの快刀乱麻」(文藝春秋)に象徴的なエピソードが載っていました。ギリシア神話と三代将軍源実朝の相似が語られて……

「実朝は、兄が殺された跡を継いで三代将軍になった。しかし、実権は北条氏に握られている。完全な操り人形。思い屈することはいくらもあったろう。そのうち、いきなり、巨大な船を造って宋の国へ渡ると言い出した」

造られたその船はあまりに巨大だったが故に、海へ出すことも出来ず、朽ち果てていったと。

北条義時がその裏でどのような動きをしたかはよくわからない。っていうか時代的にこのふたりが一致しているのかすらわからない(笑)

ただ、今日のオンエアで、源頼朝の挙兵が、ひょっとしたら偽書かもしれない後白河法皇(西田敏行登場)の依頼と、文覚という得体の知れない人物(まったく存在も知りませんでした。だから市川猿之助は特別出演だと)によってもたらされた髑髏によって実現したあたりの皮肉はうれしい。

にしても、ドミノ効果があるとはいえ、300とかいう兵で平家が倒せるもんなのかなあ。義時、そこんとこ甘くない?

第4回「矢のゆくえ」につづく

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「復讐の協奏曲」中山七里著 講談社

2022-01-22 | ミステリ

2021年、いちばん数多く読んだのは今村翔吾だと思い込んでいた。でも数えたら5冊にすぎない。実は中山七里のほうが9冊も読んでいたのである。さすが月刊中山七里状態で刊行しただけのことはある。列挙すると

「毒島刑事最後の事件」

「テロリストの家」

「銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2」

「ヒポクラテスの悔恨」

「ラスプーチンの庭」

「ヒポクラテスの試練」

「能面検事の奮迅」

「カインの傲慢」

そしてこの「復讐の協奏曲」です。

先にばらしておきますが、中山はよくタイトルにネタを仕込んでいます。それをお忘れなく。

かつて中学生のときに少女を惨殺し、医療少年院を出てから敏腕の(そしてきわめて悪辣な)弁護士となった御子柴(みこしば)シリーズの最新作。

あらためて少年時代の犯罪が描かれ、少女の母親の狂乱を読者に印象づける。彼女は、いつか復讐するからそのときは“協力”してね、と娘の友人である「洋子ちゃん」に告げる。

そして現在。御子柴の事務所で事務員として働く「洋子」に殺人の容疑がかかる。御子柴のセリフがすばらしい。

「きみが殺したかは関係ない。必ず無罪にする」

……中山七里は、匿名で正義面をする人間たちに容赦ない。そっちにしかし紙数をとられすぎてか、ラストがドタバタしてしまったのは残念でした。御子柴が、なぜ自分を襲撃する犯人に気づいたか、ってネタが弱すぎる(笑)。

でも面白さは相変わらず。このシリーズのわたしはファンなので、他のシリーズを遅らせても御子柴の新作をお願いしたい。あ、それだと講談社以外の出版社がだまってないかあ。

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直木賞2021年下期発表

2022-01-21 | 本と雑誌

予想篇はこちら

2021年下期の芥川賞・直木賞が発表されました。候補作をおさらいしておくと

・『同志少女よ、敵を撃て』 逢坂冬馬 早川書房

・『新しい星』 彩瀬まる 文藝春秋

・『塞王の楯』 今村翔吾 集英社

・『ミカエルの鼓動』 柚月裕子 文藝春秋

・『黒牢城』 米澤穂信 KADOKAWA

……わたしは米澤穂信と柚月裕子の同時受賞に賭けたが、結果は今村翔吾と米澤穂信(順番には確実に意味があるんですよ。先になるほうが審査員たちの評価が高かったの)の二作。噂される“文春枠(文藝春秋から刊行されると受賞しやすい)”をみごとに外してきたのに驚く。

審査員は浅田次郎・伊集院静・角田光代・北方謙三・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき。

前回の直木賞で「テスカトリポカ」に異を唱えたのはなんと浅田次郎だったらしいのだが(YouTube「文学賞メッタ斬り」)、彼はふたりの作品をこう絶賛している。

「今村作品は職人たちの戦という独創的なテーマで、見事なエンターテインメント。米澤作品は戦国時代と籠城戦が背景の上質なミステリー。セリフもうまい。多くの委員から甲乙つけがたいという声が上がり、2作同時受賞となった」

おそらく、本音では今村推しであろう浅田、伊集院、北方(地方の文学賞から今村を発掘したのは彼なのだそうだ。知らなかった)、林(この人、ミステリを理解していないからね)。他の女性陣は米澤推しではないかと予想します。

講評はオール読物に載るんだったか。楽しみだなあ。にしても柚月裕子さんは惜しかった。今村が新庄ものでデビューしたのだし、佐方(さかた)のシリーズで受賞するように祈っております。

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明細書を見ろ!2022年1月号 源泉徴収票を見ろ!

2022-01-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

長いことこのシリーズをやっていると、昔のネタを引っ張り出して2時間で事務だより完成。ありがたいありがたい。

2021年12月号PART2「10万円」はこちら

実はこの学校に来てからも源泉徴収票については何度も特集していますが、初任者研修ということであらためてやります。

同封したA5判の紙がその源泉徴収票。初任者は初めて見ると思います。

いや、給与の支払者はアルバイトにだって源泉徴収票を発行するのが義務なので、見たことあるのかな。もっとも、わたしも学生時代はいくつかアルバイトをしましたが、そのあたりをまともにやってたのはマクドナルドぐらい。妻が税務署で短期に働いたとき、税務署でさえ出さなかったのです。おい。

さて、この書類は、給与所得者としてのあなたのすべてをあらわすものです。去年いくら稼ぎ、いくら社会保険料を支払い、税金をいくら納めたかなど。だから金融機関からお金を借りる際には必ず提示を求められます。とりっぱぐれがないくらい稼いでいるんだろうなと。

それではさっそく中身を見てみましょう。左の上の方に

【支払金額】

という欄があります。この数字が、いちばん下の欄の【支払者】から受け取った総収入。自営業者でいえば売り上げ、水揚げにあたるでしょうか。ちょっと微妙な差異はありますが(通勤手当の課税対象額の関係)、山形県知事の吉村美栄子さんからあなたが受け取った給与の総額がここの数字です。

【給与所得控除後の金額】

売り上げにそのまま課税されるわけではありません。自営業者なら必要経費(あこがれの交際費とか)を計上して申告します。給与所得者だって必要経費はある。でも、たとえば毎月スーツを買ったり新幹線通勤をしている人ならともかく、なかなかそこまできっちり必要経費を積み上げて申告する人はいない。

なぜなら、この給与所得控除というのはけっこう甘めに設定されているので、誰も領収書をかき集めたりはしないのです。ということでこの金額が給与所得者としての利益にあたります。

【所得控除の額の合計額】
さて、利益が算定されたところで、今度は個々人の“都合”を考えます。扶養親族の数や社会保険料、そして年末調整のときに記入してもらった生命保険や地震保険の掛金などをもとに、この部分は利益ではないと見立てて(控除して)もらうわけ。

【源泉徴収税額】

そして利益から都合を差し引き、結果として一年間に支払った税金がこれです。源泉徴収プラス年末調整という日本独特のシステムのせいで、日本人は税金をなかなか意識していない。じっくり、ながめてください。

これだけの情報がつまった源泉徴収票、令和4年分が発行するまでの一年間はなくさないでください。もっとも、職場のなかで誰かひとりは確実になくすというのが学校事務職員あるあるネタのひとつ。

画像は「追悼水島新司」

ドカベンフリークであるわたしにとって、明訓のベストマッチは高校2年春の甲子園準決勝、対信濃川高校戦。明訓の監督を土井垣にゆずり、“山田太郎を倒すために”クリーンハイスクール~信濃川と移籍した徳川監督(おそらく水島新司本人の投影)と山田太郎の頭脳戦。

「今は見送ったが今度は必ずスクイズをやってくる。本町(ほんちょう=信濃川の5番打者)の右打席の打率は2割2分。徳川さんがこんな低打率にヒットを期待するものか」

そしてそのスクイズを外すために山田は里中にサインを“ある方法”で送り、観客席で観ていた犬飼兄は「ん?山田らしくない」と訝る……。確かに野球を知っている人間にしか描けない深みとコクがあった。合掌。

2022年2月号「昇給のお話」につづく

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マトリックスを全部観るPART3

2022-01-19 | 洋画

PART2はこちら

覚醒した人間たちが集まるザイオンという地域に、機械文明はセンチネル(歩哨)と呼ばれるロボットを25万も送り込む。ザイオンの住民たちのダンスシーンは無駄にセクシー。そしてそこにトーマス、あ、これはマトリックス内の名前で、リアルではネオ(NEO=ONEのアナグラム)とトリニティの愛撫が挿入される。

この、ネオの名前が実は問題で、敵方のエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィービング好演)は最後までネオのことを「ミスター・アンダーソン」と呼ぶ。きみはひとつのプログラムにすぎないと。

そして美人はキャリー=アン・モスにとどまらず、モニカ・ベルッチジェイダ・ピンケット・スミス(ウィル・スミスの奥さんね)まで登場させた。ウォシャウスキー兄弟の女性の趣味はいい。

ああもう2作目と3作目の境目すらあやしくなってきた。エージェント・スミスは増殖を開始し、多人数でネオに襲いかかる。

初めて観たときは「百人スミス」とスーパーマリオになぞらえていたけど、それはまちがいじゃなくて、スミスは創造主(この世界をつくりあげたことで、ネオの存在を相対化する)も計算違いだったウィルスだったのである。そりゃ、増殖もするし、アンダーソンという呼び方に固執もするはずだ。

それからいろいろあって(うまく説明できません)なんとか人間の世界は温存される。確かに、ネオは救世主たりえたし、トリニティの存在は不可避だった。

でもねえ、三部作を通じて、モーフィアスの行動はまさしく狂信者のそれだし、第3作は単なる戦争映画ではないかと当時は思っていた。登場人物たちのネーミングもオタク特有の凝り方だし。

しかし久しぶりに見返して、これほど興奮させてくれるシリーズはやはりなかなかない。リザレクション(復活)と称された新作を、見逃すわけには……あー現代はリアルなウィルスが蔓延しているから(T_T)

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オモウマい店

2022-01-18 | テレビ番組

食卓の上に妻のメモが置いてある。

「1/18 オモウマい店 小松鮪店」

なんだこりゃ。もちろんテレビ番組のタイトルであることは理解できる。ローカル局である中京テレビの制作で、まさかのゴールデンタイムでオンエア。しかも高視聴率であるぐらいの知識はある。たーくさんのスタッフを全国に派遣し、本気で面白い店だけオンエアするということも新聞記事で知っていた。

で、今日は酒田の、あの小松鮪(まぐろ)店が登場するとか。妻はそれをメモっていたわけ。

職場で昨日、

「明日、オモウマい店で……」

とつぶやくと

「そうよね!でるのよね小松鮪店」

「そうそう!」

みんな知っているのである。どれだけアナウンスされてたんだ。そんな騒ぎをわたしは全然知りませんでした。去年、じゃなかった一昨年うまい店ピンポイントで紹介しているにもかかわらず(笑)。

で、オンエアを拝見。いきなり小松鮪店でした。ゲストは藤井フミヤ。番組にその店の名物が提供されることは一切ないらしい。

ドライアイスを使ったスモークあふれる“定食”からスタート。「夜のヒットスタジオみたい」というコメントが笑える。しかも安い。安いにもほどというものが。

ひょっとしたら番組のために“盛った”のかなと思ったが、これからこの店にはこれまで以上の客が殺到するのである。それはないよな。しかしあんな派手なメニューがあったなんて。まあ、わたしが行ったのは早朝だけどね。

店主は同い年。客に幸せになってほしいと。ヒューマングルメンタリーのサブタイトルは伊達じゃない。次の郡山の店も含めて、堪能しました(郡山の料理長の表情は最高)。

司会はヒロミとバイきんぐの小峠。適度なヤンキーくささは「電波少年」を思い起こさせる。面白いっす。スタッフを呼び捨てにするヒロミがなんともいい。

にしてももう一人のゲストの小倉優子よ、「山形って海ないですよね」はないでしょ。あ、仕方ないかあ。こりん星の人だったんだから。

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追悼水島新司

2022-01-17 | アニメ・コミック・ゲーム

いつかこんな日が来ることはわかっていた。引退を表明したのはつい先日のこ。確実に生涯現役を岩田鉄五郎のように完遂するだろうと思っていたけれど…… 

水島新司が亡くなった。

ふう、と思う。やはり、つらい。

不定期連載だった少年マガジンの「野球狂の詩」で彼を初めて知ったんだろうか。それともチャンピオンのドカベン?あ、高校教師だった親戚のうちで「男どアホウ甲子園」をなぜか子どもの時に読んでたな。

高校時代は、いま勤務している学区の酒屋でビッグコミックオリジナルを買って(酒は買ってないです)「あぶさん」に耽溺した。景浦安武は、サチ子と知り合ってからも麻衣子という女性といろいろとあったんですよ。

画風が歴然と変わったのは、ドカベンにおいて不知火が「はえボール」を会得したあたりだったろうか。山田太郎を攻略するために、球速を極端に遅くする魔球。はえがとまるぐらいに遅いと(はえが実際にとまる絵があったのには笑った)。

そのころから絵が、おしゃれになったのだ。アシスタントが替わったのか、そのあたりはよくわからないけれども、貸本漫画時代の泥臭い絵からは脱却していた。

ああそうか、さいとうたかを白土三平モンキー・パンチなど、貸本を代表していた漫画家たちが次々に退場。年齢的に仕方のないことだが。

おしゃれになってからの水島新司で好きだったのは「一球さん」。主人公が実は忍者だったというオチはすごいけれども(笑)、「男どアホウ甲子園」の続編を、“巨人学園”でやったというあたりに(巨人のことは嫌いだったろうに)、彼の余裕を感じたものだった。

彼が自分をいちばん投影したのがドカベンにおいて明訓高校、信濃川高校、クリーンハイスクールで監督した徳川であったことにしみじみ。自分がつくりあげた山田太郎という打率7割の化けものを倒すために、彼は自分を登場させたのである。どんだけ野球が好きだったんだろう。ご冥福を、お祈りします。

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鎌倉殿の13人 第2回「佐殿(すけどの)の腹」

2022-01-16 | 大河ドラマ

第1回「大いなる小競り合い」はこちら

少なくとも前半における三谷幸喜の“腹”はわかった。陰惨な出来事をコミカルに語ることで、物語にみんなを引き入れようと。

最初から引き入れられているわたしはともかく、妻も正座しながらこの第2回を観て笑い転げています。わたしは今週も6時と8時で2回観てしまいました。面白すぎる!

でも不満を抱えている人も多い。

「鎌倉武士たちが優しすぎるかなあ。田舎の、現状に不満たらたらの若者たちですよ! 不良軍団ですよ!」

「正直、この役では大泉洋には演じていただきたくなかった!史実でもあまり長い出番ではないはずだし、こんな頼朝なんかウざい!」

「私も新しい大河を楽しみにしていましたが、軽い感じはちょっと苦手です。やっぱり正統派というか、普通の(?)がいいです。」

もっと過激な表現も(笑)。しかし朝からまたしても庭の雪を一輪車で川に捨てに行きながら「あー今夜は鎌倉殿の13人があるんだあ」とわたしはテンションが高くなっている。こんなに楽しい大河って久しぶりじゃないか。

同時期をあつかった「草燃える」を観ていなかったので、これからこのドラマがどうなっていくのか、肝心なところはさっぱり。

三谷幸喜はこのドラマをサザエさんになぞらえている

マスオさん(大泉洋)がサザエ(小池栄子)に近づいたのは、波平(坂東彌十郎)の庇護が必要だったからなのがまさかの第2回で明かされている。しかもあの新垣結衣との関係も計算づくだったと。

こうなるとフネ(宮沢りえ)がどのような役割を果たすのか、カツオ(小栗旬)はどうするのか、皮肉なワカメちゃん(宮澤エマ)はどうぞこのままでいて。ああこのキャストで本当にサザエさんをやってほしい(笑)。

第3回「挙兵は慎重に」につづく

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マトリックスを全部観るPART2

2022-01-15 | 洋画

PART1はこちら

そうなの。

Don't think you are. Know you are.

は、誰が聞いても、あの「燃えよドラゴンでブルース・リーが放った

Don’t think. Feeeeeeel.

 をいただいている。ことほどさように、カンフー映画の影響受けまくり。ワイヤーアクションやバレットタイム(カメラを多数ならべて連続撮影する手法。マシンガン撮影とも言う)を駆使し、観客を興奮させてくれた。キアヌ・リーヴスが異様にのけぞって銃弾をさけるシーンなど、子どもまでまねして「マトリックス!」と叫んでいたくらいだ。

自分が今いる世界は、かりそめのものに過ぎず、どこかに自分を待ち受ける別の世界があるという発想は、ネット上の別の世界を当時より実感できる2020年代だからこそリアル。その電脳の世界と現実世界のつなぎ目が昔ながらの黒電話なのもむしろ味わい深い。

にしても、よくもまあほとんど実績のない兄弟にこれだけの大作をまかせたよな。ハリウッドメジャーの底力を思い知らされる(配給はワーナーブラザース)。

一作目が大ヒットしたことで続篇製作は必至。しかも2作目と3作目を同時進行で撮ることになった。

「マトリックス リローデッド」The Matrix Reloaded(2003 WB)

「マトリックス レボリューションズ」The Matrix Revolutions(2003 WB)

2作目「リローデッド」は、はっきり言ってセックスが主題になっている。後半の、史上もっともバカバカしいカーチェイスなどにパッケージングされているので目立たないが、ウォシャウスキー兄弟は歴然と不道徳な要素を作品に持ちこんでいるのだ。

PART3につづく

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