本日は近美→資料館→市民→らいらっく→CAI02→富士フイルム→大通→道新→時計台→たぴお→STV→大同→大丸→紀伊国屋の15か所。明日もあるので、無理しないでおく。
■北海道立近代美術館「AINU ART ―風のかたりべ」。予想より面白かった。
松井梅太郎 他「木彫り熊」:最初の頃は上手く彫れずに、ブタ熊等と呼ばれてらしい。そこから写実へ、さらには鮭が登場して現在に至る、という感じだ。
チカップ美恵子「クンネイトコ黄昏どき」:細かい刺繍の素晴らしさに驚く。
床ヌプリ「スマ・ノンノ 石の花」:円空仏にも似た感覚。
床ヌプリ「テク 手(クは小さい字)」:人差し指から小指は細かに形を掘り出していない。そこに味がある。
床ヌプリ「椅子」:背もたれに鹿が彫ってあって、「これは座りにくい」と思ったら、意外と背筋が伸びて悪くない。
床ヌプリ「ユーカラクル 語り部」:木の幹から老人の顔が掘り出されている。王者の風格でもある。
床ヌプリ「イレシュ・サポ 育ての姉=太陽の女神」:本郷新の「摩周の舞」にも似た感じ。滑らかな曲線美。
藤戸竹善「ヤシガニ」「こぶセミエビ(ワラジエビ)」:イチイの木からリアル造形。
藤戸竹善「ふくろう祭り」:人物造形もしっかりしているが、背中側の服や羽の文様に注目して欲しい。
全体的に、特にアイヌアートというくくりだけでなく、近・現代彫刻の中で見て違和感はない。
■北海道立近代美術館「絵に詩い、絵で想う 難波田龍起と抽象美術」。
難波田龍起「工場」:かつての東京がこう見えたであろう姿をキュビスムの技法で描いた作品。
小川原脩「≪華麗なる風景より≫ 華麗なる風景D、A」:リトグラフ作品。彼のシュール風景を見られるのは非常に嬉しい。
難波田龍起「宇宙塵」:画の中に赤・黄・青の球が浮かぶ。いい作品だ。
難波田龍起「生成の詩」:太陽の表面の炎にも似た、黄色の色彩。亡くなる直前の作品だ。
■市民ギャラリー「2013第6回道展U21」。
まずは受賞作品から。
荒井彩美「in cube」:美しさだけならば、今回のトップ賞。青いアクリル? のキューブの中に八面体が浮かんでいる。
前田明日美「Moon river」:月と川を幾何学模様に解体して描いた、抽象の基本ともいうべき作品。
黒島捺美「皆さまの柏木町魚菜市場」:これはまさしく市場大賞だ。
大石樹「みかん」:ミカンのつぶが見えるほどアップに描いた、リアリズム系作品。
由浪怜奈「ビンのある部屋」:ビンの中に自分が入ってしまい、座禅を組んでいる面白い構図。
熊谷幸恵「葉描」:下から葉っぱを見上げて画筆を持つ。上手い。
千葉美香「夢ノヒカリ」:目をつぶる女性と複雑な水模様を描いた作品。この人の水テクニックは素晴らしいのだ。
田中麻衣「流れる」:風になびく何枚ものリボンを、あえて錆びた鉄板で造形。
続いて優秀賞から。
遠山美紀「水仙」:オレンジの地面と赤の背景、新しい色彩で古典的な水仙を描いたもの。
長尾柚香「学生」:妙にスリリング。近未来の女子高生か、はたまた舞台が外国なのか。
山内里紗「夏の夕暮れ」:まさしく夏の夕暮れ。筆跡をあえて残した、良くあるタッチとも言えるが…。
鈴木柚葉「曖昧ボコボコ」:カラフルな泡とクラゲ。クラゲを描いた作品が多かったが、これは泡がいい。
門間暢子「駆け抜けろ!」:疾走する女子とオウム。上手い。
奨励賞から。
居橋朗「創造の色」:指先から絵具がほとばしる男。
宍戸優美「金魚」:白地に優雅な金魚だ。
赤澤慶二郎「虚像」:螺鈿張りのような頭蓋骨に鴨が乗っている。
水戸部春菜「漲溢」:緊張感のある蝶の乱舞。上手い。
佐藤真奈美「萌動-3」:巨大なマナティー? と女性か。下手そうで上手い。
入選から。
足立悠「ドコヘモカエラナイ」:擬人化したサーカスのテントが夜の街をさまよう、マンガチックな作品。雰囲気ある。
津畑クミ「彼女」:緑地に白い女性がなまめかしい。
倉本侑香「はたち」:白地に皿とニシン。このニシンが妙にいい。
■らいらっくぎゃらりい「宮地明人展」。「柳葉魚」「夏の日のこと」(トマト)、「豆腐」等の小品も上手いし良かった。主要テーマの「paradox」シリーズは、百合を持つ妊婦、ワイングラスを持つ女性(妊娠しているかどうかは見てとれない)というモチーフだった。なるほど。
時計台ギャラリーでMさんに会い、たぴお→STVとご一緒する。
■STV北2条ビルエントランスアート「The Message from Sanatorium Niida Junichi Exhibition」。
左「Sanatorium-鳥」、右「Sanatorium-象」。
「モンマルトル-B」。古典的風景画で好きだ。
■大丸「ピカソ版画展」。
1500万円の作品が売れている…。札幌で買う人がいるのか。