散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

夏の旭川(5)

2016年07月16日 22時59分14秒 | 飲み歩き・北海道内
さて、旭川の最後はバー「M」である。19時になったらと思ったが、この店18時開店なのであった。路面の入口から階段を下り、地下の店に向かう。

まだ時間が早いこともあり、先客は無し。眩暈のするほど沢山の酒が乗っているメニューを一旦置いておいて、ミントジュレップからスタート。少し炭酸を入れて作っていることもあり、爽やかだ。



これを飲みつつメニューをじっくりと眺め、アクアビットがあるので、これを生かしたカクテルを注文してみた。その結果、アクアビット+カシスリキュール(濃厚なやつ)+ベルモットのカクテルが到着。



これはカシスの濃厚な甘みとアクアビットの薬草フレーバーが拮抗し、大変パワフルなカクテルになった。しかし、この店、酒は何でもあるし(料理も得意らしい)、マスターの懐が深そう。安心して体をゆだねられる店である。



3杯目は最近よく飲むロブロイ。ごくベーシックなデュワースホワイトを使っていたが、しっかりとウイスキーらしさが出た味わいになった。それでは定量になった所で、帰ることにするかな。



旭川駅に向かったが、20:45発のスーパー宗谷には驚くほどの待ち行列ができていた。これをパスして、飲み水を購入し、改めて21:05発のオホーツクを待つ。こちらも旭川発ではなかったが、早めに並んだのが功を奏して、無事座ることができた。



乗ってしまえば1時間35分、札幌駅に着き、さらに乗り換えて琴似へ。慌ただしいが、これにて夏の旭川旅は終了。

夏の旭川(4)

2016年07月16日 18時52分55秒 | 食べ歩き
さて、本日の夕食はということで、実はこちらの店に行くことを考えていたのだ。



あまりテレビ番組や雑誌に乗せられることも無くなった今日この頃ではあるが、「孤独のグルメ」に登場したこの店にはちょっと行ってみたくなっていたのだ。看板を頼りに、買物公園の通りから小路に入ると…、「本日、宴会のため19時開店」という掲示があった。むーん、3連休だしな。

とても19時まで待てないので(現在17時過ぎ)、いつものふらり~と方面へ行くか。最近2回連続行った店も大変良いのであるが、今回は別の店へということで、渋い作りの「R」を選択。



今日の旭川、少なくとも日向は暑かった。ということでビール。そしてまずレバ、鳥もつをタレでいただこう。


→焦ったため、ピンボケ。

ほお、タレは至極あっさりしており、肉の味が良く分かる。これは食べ飽きなくてよさそうだなと思い、飲み物をハイボールに切り替えて、しばし待つ。



ジャーン、旭川と言えばの新子焼き到着。これは美味そうだ、というか食べたらすぐ美味い。



鳥の半身を炭火で焼いているのだから不味いわけもないのだが、やはりあっさりしたタレが良いのだろう。私は焼鳥では結構タレ好きの方だが、それでもすべてをそうするかというと、タレの甘味で「飽きるのではないか」というイメージが湧く。しかし、この店の場合は、タレばかりでも飽きが来ない感じがするのだ。



さらに白コショウを使うのが流儀らしい。ダイレクトに肉にかけるときついので、タレに胡椒を落とし、タレと十分馴染ませた辺りに鳥肉をつけて食べる。これはまたいいぞ。

昼食のラーメンが軽めだったので、食欲に火がついてしまった。ここで(多分)もう一つの名物、チャップを注文。



いやー、これも美味いねえ。全部タレだが、全く飽きが来ない。「これはご飯欲しいって人もいるでしょう」と店主に聞くと、ご飯は置いていなくて、炭火で焼いた餅ならあるそうだ。その手もあったかと思ったものの、さすがにそこまで手が出ない。

ちなみにこの店、旭川在住の常連で旭川市内観光(住んでいるとあまりしないものである)をやったり、北海道科学大学の学校祭に出店しているなど、面白い話を幾つも聞かせてもらった。科学大学の学校祭に行ける人は、行ってみると良いかも。

さて、もう一軒だけ立ち寄って帰ろうかな。

夏の旭川(3)

2016年07月16日 17時11分03秒 | 飲み歩き・琴似界隈
川を渡ってやってきたのは、旭川市博物館である。まずは大雪クリスタルホール全体から見て行こう。何か、クリスタル的なオブジェがある。



横には茶室が設置されている。



ロビー内に入ると、何点か彫刻が展示されていた。森川良輔「空域 No.2」から。



井上武吉「my sky hole 91-6-B」。



佐藤忠良「帽子立像」。



山内壮夫「鶴の舞」。



そしてメインはこちら、「錦絵に見る幕末・明治小樽浮世絵コレクション展」。

 

まずは常設展の方から観覧していく。前回来たとき(13年前)と比べ、展示がきれいになっている気がするのだが、どうだろうか。



アイヌ人がオホーツク文化人を排除・同化しながら全道に進出し、さらにサハリン、千島、カムチャッカ半島に活動を拡大。モンゴル帝国とも戦ったという話が書いてあるが、ちょっと驚きだな。一般に和人がアイヌ人の住む場所を侵略したことだけが言われるが、こうなると最初の人類とみなされるアフリカ出身の人たち以外は、お互いさまという話なんだよね。

 

アイヌ文化の品々各種が展示されている。

 

20世紀のいろいろ展示もある。「若妻」と聞くだけで…、そういう映画じゃないみたいだが。「北の誉」はもちろん今も健在。

 

さて、「小樽浮世絵コレクション展」だが、特別展ではなく、企画展の扱いだったので、博物館の入場料300円で見ることができた。

作者不詳「大和風俗金閣寺花見」:なんと一般人が金閣寺内に入っている図。昔は入れたのか?
三代豊国「十二月ノ内卯月初時鳥」:三美人がカツオをバッサリとおろし、樽酒の用意をしている図。
三代豊国「十二月ノ内水無月土用干」:こちらでは角切りのスイカが珍しい。

三代豊国「十二月ノ内師走餅つき」:餅の横には大根おろしの準備がされている。砂糖は高いし、おろし餅が一番一般的だったのか。
昇斉一景「開化因循興廃鏡」:文明開化の頃、昔のものと新しい流行ものが対決する図。ビール・西洋料理連合軍vs日本酒・会席料理軍は互角の勝負。人力車とかごは人力車が圧勝、煉瓦と瓦も煉瓦が圧勝というたぐいである。



この後、博物館の近くにあった道の駅を見てから、旭川駅に戻る。

旭川駅ではステーションギャラリーで「藤本壮介展 未来の未来 in ASAHIKAWA」が開催されている。小さな模型で作った、建築の概念を広げる建築物の展示。実際に作られようとしているものもあり、日本より海外で型破りの建物が作られるように見えた。



さて、駅の繁華街側に移動。今まで気が付かなかったが、旧旭川駅の中心キロ程というのが地面に埋まっていた。昔はここに駅の地下もあったんだな。



さて、もう一つ見ておきたいのが、旭川西武である。昨今のデパート業界の状況から、今年9月末での撤退が決定しているのだが、私は昔、富良野市に住んでいたので、旭川にやってきてはデパート内の書店の本の多さに大喜びしたものである。この建物内の市民ギャラリーも閉鎖が決定しているそうだ。

 

今でも食堂街は割と充実しており、機会があれば行きたいところだったが、そんなに食べることができない。

 

丸井今井が無くなり、そして西武もなくなる日が来るとは。


夏の旭川(2)

2016年07月16日 13時54分49秒 | ART
昼食の後は、もちろん旭川美術館「ひろしま美術館所蔵 フランス近代美術をめぐる旅」へ。まあ、印象派を中心にしたこういう展覧会ばかりどうなんだろうという気持ちもあるが、なかなかいい作品が出品されていたのも事実である。

ギュスターヴ・クールベ「雪の中の鹿のたたかい」:これはクールベ作品の中でも、出来の良い方である。
エドガー・ドガ「浴槽の女」:ドガ得意ののぞき見カット。やはり上手い。
クロード・モネ「セーヌ河の朝(ジヴェルニーのセーヌ河支流)」:何を書いているのか正直分からないくらいモヤモヤしているが、良い作品だと思う。

ベルト・モリゾー「若い女性と子供」:女性の顔がいい。作品解説でこの人がフラゴナールのひ孫だということを初めて知った。
ポール・ゴーギャン「ブルターニュの少年の水浴(愛の森の水車小屋の水浴、ポン=タヴェン」:少年の裸体を細やかに描いた作品。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「アリスティド・ブリュアン」:塗り残しと言えばセザンヌだが、もうこの頃になると即興により特徴を捉えることの方が重要で、塗り残しなど問題ではないのだ。

アンリ・ル・シダネル「胸像、ジェルブロワ」:進化を続ける絵画だが、胸像が示す象徴的な意味あい、日の暮れた庭に残された椅子2つが示す人の気配。こういう作品の方に惹かれる私である。
アンリ・マティス「赤い室内の緑衣の女」:朱色の壁の圧迫感に対応する緑の服。マティスらしい作品。
パブロ・ピカソ「酒場の二人の女」:全体に青のフィルターをかけたような表現。上手さ全開のピカソはいい。

パブロ・ピカソ「女の半身像(フェルナンド)」:好き嫌いはあれども、これが「ザ・キュビスム」である。
モーリス・ユトリロ「アングーレームのサン=ピエール大聖堂」:青い空に巨大な聖堂。もう悩みを突き抜けたユトリロである。
アメデオ・モディリアーニ「青いブラウスの婦人像」:ピカソの青の時代の影響受けまくりだが、この陰鬱さが深みを出している。

ハイム・スーティン「椅子によれる女」:力強く、椅子をねじ切りそうな女である。
キスリング「花」:緑色をバックに赤と紫の花。キスリング得意のテラテラと光る画面がいい。
アンドレ・ドラン「風景の中の金髪の婦人」:少々芝居がかった感はあるが、力強い表情と手の動きが描かれている。

モーリス・ド・ヴラマンク「花瓶」:あっちこっちに飛び散りそうな勢いの花である。
ベルナール・ビュッフェ「赤い家」:激しさとバランス感がある。

上記で述べた中でも、ピカソとモディリアーニは良い作品ではなかろうか。個人的にはシダネルの時代逆行性が好きであるが。

  

図録がミニサイズで1300円だったので、つい購入。

■旭川美術館「木の造形セレクションI」。
土屋公雄「目を閉じて」:同心円状に立てられた、燃え尽きたマッチ棒。
三宅一樹「素足詞VII」:上半身は茶色がやや強いが、素足の部分の白木に近い色彩に目が行く。
戸谷成雄「山津波」:チェーンソーで切り刻んだところから、山が崩れ出す瞬間のよう。
戸谷成雄「湿地帯」:豆の鞘状のところにギザギザの切れ込みが入っている。ここに足を踏み入れたら、抜け出せなくなる感じがある。



旭川駅に戻り、駅裏へと向かう。


夏の旭川(1)

2016年07月16日 12時15分28秒 | 食べ歩き
久しぶりの旭川訪問である。前回は一日散歩切符も使いつつ、オール普通電車で移動するという過酷な日程になったが、今回は往復とも特急電車に乗ることにした。大人なんだから、お金で解決である。

しかし、JRの切符販売機はちょっとひどいと思う。往復のS切符を買う方法が、どうやっても分からない。往復か否かの選択肢が全く出ないままに購入キップを決定する画面まで来てしまうのだが、何か私が大きく勘違いしているのだろうか。結局、窓口に並んで切符を購入。こういう時、指定席は売り切れだと言っているのに、あーだこーだと悩む年配者が前にいてイライラする。

琴似から札幌駅まで移動し、札幌駅から特急へ乗り込む。ほぼ満席の混雑度合い。私の周りは台湾の人なのかなあ…。

真昼間の移動のためさすがに眠たくならず読書に励み、旭川到着。まずはまっしぐらにラーメン「S」へ行き、昼食。この店、実にシンプルな塩らーめん、醤油ラーメンの他に、カレーラーメン、カツラーメン、餃子ラーメンなどの邪道心満載のメニューもあるのだが、結局は醤油ラーメンを注文。



メンマがちょっとなあ、という以外は大変美味かった。醤油の風味を生かした、シンプルな味わいである。入ったときは先客2、3名だったが、その後、十数人の団体が入ってきたので、ちょうど良いタイミングだった。