散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

なぜか大阪2(10)

2018年02月10日 23時14分08秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
梅田に移動するまでの間に、ほんの少し胃袋に余裕ができた。ということで、気になっていた新梅田食堂街の2階にある、バー「S」へ。この店、何軒かあちこちにあり、前回の大阪訪問では堂島「S」に行ってみたので、今回はこの雑然としたエリアの方はどうだろうと来てみたのである。

先客はかなりいたが(それも相当酔っている人も)、何とか一番手前の場所を確保。当然のことながら、角ハイボールでスタートだ。



うむ、いつもの「S」の味だ(と思う)。通しは黙っているとピーナッツになる可能性もあったので、「塩豆下さい」とお願いしてもらう。このかすかな塩気がちょうどいいんだよね。



さて、酔っ払いも帰り、店が落ち着いた(奥の方にいた常連が苦々しげに、「ああいう飲み方はイカン」と言っていた)。ハイボールも良いが、もう少しウイスキーっぽいのを飲みたいね。ということで、ロブロイを注文。

するとロブロイはメニューにもあるのだが、どうやら作り方が分かっていない模様だ…。ちゃんとしたバーで、こんなことってあるのだろうか? 私の方にいたバーテンダー氏は結構な年配に見えたが、店主じゃないのかな…。私が「ほら、これですよ。スコッチと…」とメニューを示すと、何とか作り始めたが、案の定、スイートベルモットとドライベルモットを間違えている…。



まあ、スコッチとドライベルモット、ビターズで作るカクテルも世の中にはあるだろう。それはそれで飲めるものにはなっているのだが、酔っぱらいつつも、さすがに冷めるね。これが今日の日だけの過ちであることを祈りつつ、ここまでにしておこう。



大阪から塚本に移動し、ホテルのコーヒー(サービスで飲める)で少し落ち着いたのち、シャワーを浴びる。シャワーから出たところで、ハーゲンダッツの新製品、ストロベリーホワイトチョコレートを食べる。冷凍庫の効きが弱く、ちょっと溶け気味だった。



 

さらに氷結レモンを飲みながら、オリンピック中継を見てしまい(そんなに興味が無いのだが、競技をやっていると確かに目は離せなくなる)、23時頃就寝。今日は酔っぱらったというよりは、食べすぎた。


なぜか大阪2(9)

2018年02月10日 19時03分47秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
南田辺から阿倍野へ移動。雨が降っているが、ここの地下街は結構大きいので助かる。あちらこちらと歩いているうちに、こんな一角を発見。



この横丁の中にある、立ち飲みの「H」屋に入ってみよう。客の入りは半分以下だったが、全体の様子を見やすい端へと立つ。

私はあまり酔っぱらわないようにと思っているのだろう。ここでもチューハイレモンを注文。全体的にびっくりするような濃度のチューハイにはお目にかからず、飲みやすいものが多かった。

もうそろそろ腹がいっぱいなのだが、何も食べないわけにもいかず、鶏肝煮を頼む。できれば温めて欲しかったが、すっと食べやすい味だ。



揚げ物かおでんが主力のようなので、ここは揚げ物行ってみるか。今回食べていないところで、いわしとうずら卵を注文。



ここはバットのソースにつけるタイプではなく、ウスターソースっぽいソースを上からかけて食べる。魚の串揚げもいいね。

というところで、まだ酔い具合としては飲めはするものの、これ以上胃に入れることができず、気軽に飲めるいい店だったが、残念ながら退散。この後は梅田に移動する。


なぜか大阪2(8)

2018年02月10日 18時25分16秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
雨の降る天王寺から、南田辺に移動。今回の旅で一番行ってみたかったのが、南田辺にある古い居酒屋「SA」である。店ができたのは昭和10年、80年を超える歴史を持つ店だ。

店の外観が見える位置に立ち、暖簾が出るとともに直行。普段は行列ができるという店も、今日は雨のせいか行列がなく、無事1番で入店する。

ところが「予約していますか」と店の人に確認された。「いいえ」と言いつつ、一人客であることを指で示すと、カウンター席に座ることができた。どうもその後の様子を見ていると、約8割の席が予約されており、実はギリギリ入れたという感じだったのだ。

飲み物は燗酒(冷たい雨だった)を注文し、「小鉢、とりあえず出しますか」と問われるのに頷く。ここは通しがない代わりに、小鉢料理が何品かあるのだが、その中でも最初に出てくるのはこれだ。



器の中に鯛の子、とこぶし、南瓜、蕗、ナス、絹さやが上品に盛られた一品である。鯛の子から食べると、これが何とも食べやすい。魚卵は口の中でパサパサとまとわりつくのかと思いきや、しっとりしてスッと食べられるのである。野菜陣は甘い南瓜、苦みを残した蕗、醤油風の茄子と、それぞれ味付が違う。とこぶしも甘辛味で、よく見なかったが、肝の味がする。

次も小鉢シリーズで肉っ気を求めてミンチボール小鉢だ。これは鶏ひき肉に生姜を少し忍ばせた優しい味わいだ(野菜の炊き合わせは同じなのね)。



次はきずしを注文。これは写真を見れば分かるだろうが、素晴らしい出来だ。ポン酢と生姜がのっているのを混ぜ込んで食べる。美味い。



鯛文化圏に来ているのだからと鯛酢の物を注文。値段が安かったので、鯛の身は少なかった…。味は良いけどね。



最後におでんの出汁も味わってみたく、豆腐と梅焼きを注文。梅焼きはハンペンと玉子焼きの中間という感じの歯ごたえと味だった。



しかし、他にも造り盛り合わせ、鰻かば焼き、わけぎぬた、さばからまぶし(オカラをまぶしたものらしい)と気になるメニューのオンパレード。何げない焼鳥も美味そうだし(多くの人が頼んでいた)、鯛骨蒸しは、他の人のところに行ったのを見ると、私一人では食べきれないサイズだった…。

満喫して、なお心残り、名店「SA」であった。


なぜか大阪2(7)

2018年02月10日 16時00分43秒 | ART
串かつを食べて、淀屋橋へ移動。

■湯木美術館「千家に受け継がれる美の形-好み、写し、見立てを中心に-」。
「禾目天目(建盞 )」:地味だが、細い線が入っているのが「禾目」らしい。形は油滴天目にそっくりの茶わんだ。12~13世紀作なんだとか。
一燈宗室「黒茶碗 銘「大こく」」:まわりの角ばった形が大黒頭巾を思わせるらしい。裏千家八代の作。
千利休「瓢花入」:ひょうたんの上をカットして、花入れに仕立てたもの。益田鈍翁が所持していたということで、曰くあるねえ。

展示物の中心的な年代は17世紀頃、裏千家の作品が多い。しかし「○○好み」だとか、見立てはその背景を知らないと分かっていないということになるのだろうなあ。教養の無さが出てしまう展覧会だった。

私以外の観覧者は2名と実に静かだ。



本町まで歩いて、谷町四丁目まで地下鉄で移動。地下鉄口を出ると、雨が一層強くなってきた。

■大阪歴史博物館「常設展」。昨年行った国立民族学博物館に次いで、展示物の多さで具合が悪くなってくる博物館である。まずはロッカーに荷物を入れようとすると、コインが入らない。「故障か?」と思ったら、なんとコインリターン式のロッカーが「500円用」なのである。そもそも100円玉より500円玉を持ってる確率が少ないような気がするし、コインを取り忘れた時のダメージは5倍(以上)あるだろう。なぜ500円を使わせるのか、しばらく問い詰めたい気がしてくる。



常設展は10階から7階までの4フロアあった。回る前から、絶望感が漂う。

展示物をいくつか紹介する。難波宮の跡から発見された瓦。北海道の博物館とは展示物が違うなあ。



大阪(大坂?)の街をジオラマで再現。観覧者は海外の観光客が多い。



大阪と言えば文楽。文楽人形の頭部が、構造が分かるように置いてあった。



大阪と言えば大塩平八郎。富岡鉄斎が描いたものらしい。



昔の公設市場(魚屋)を復元したもの。鯛、太刀魚、鰤あたりは北海道との違いを感じさせる。韓国の魚屋さんでは、魚を縦に並べると読んだことがあるが、その流れを汲んでいるのだろうか。



大阪の街も再現されている。



阪井俊政「年寒二雅図鐔」:後で見る刀身具の展覧会では写真が撮影できなかったので、こちらで撮影。



■大阪歴史博物館「ほのぼの俳画、生田南水」。肩の凝らない、楽しい作品。



■大阪歴史博物館「鏨の華-光村コレクションの刀身具」。細かい作品、約200点が展示されており、持って行ったモノキュラーがここで役に立った。
後藤一乗「蛙子図小柄」:刀身具には強そうな、縁起のよさそうなものも多いが、オタマジャクシのようなモチーフも使われる。
岩本常直「土筆図目貫」:こちらもひょろっとカーブした、細い土筆。武器の備品というよりは、飾りの要素が強かったか。
柴田是真「板目釘塗図鐔」:まるで板の表面のような仕上げに、折れ釘が見えると思ったら、是真か。

後藤一乗「聖衆来迎図大小揃金具」:仏さまが来迎しまくっている、華やかな作品。重文。
「孔雀明王像木版複製(大正版)」:仁和寺所蔵の国宝を複製した版画。色彩がまだ鮮やかだし、かなりいい。
塚田秀鏡「十二ヶ月図小柄下絵」:スケッチ風の下絵。楽な雰囲気がいい。

後藤一乗・池田隆雄「鮫研出刻鞘大小拵」:鮫皮の白に黒漆をかけ、全体を研いで白い水玉模様にしたもの。手間がかかっている。
河原林秀国・松尾月山ほか「稲穂雁蒔絵大小拵」:刀とは無関係に鞘の先の方が太くなっており、「風魔の小次郎」の聖剣っぽいぞ。

いや、とにかく疲れた。モノキュラーが無かったら、全然見えないか、かがんで見ようとするために腰が砕けていただろう。

 

なぜか大阪2(6)

2018年02月10日 12時12分00秒 | 食べ歩き
大阪に戻ってきて、ここで腹が減った。朝はカップラーメンだけで、汁はほぼ飲んでいないのだ。今回はぜひ行ってみたいと思っていた、新梅田食堂街に突入する。大阪駅直結で、約100軒の店舗が入るという食堂街は、12時前の段階で早くもカオス化しかかっている。

一体どこの店に入ればいいのか、混雑度合と夕食の事も考えて迷走する。迷っているうちに候補だった店も混雑が進む。結果、串かつの店でまだキャパシティに余裕がありそうだった「M総本店」へ。

飲み物を聞かれ「チューハイのレモンあります?」と聞くと、「レモンとライム半々のタコハイがあります」と言われるので、それを注文。ところでこの会話、文字で書くと分からないが、イントネーションが相当違う。どうも私が話をすると、何だか違う感がしてならない。まるで大阪のタコ焼き屋台に入った、井之頭五郎である。

絶対「東京モン」とか思われているんだろうな~。こういう時は東京じゃなくて、北海道から来たというと歓迎ムードになるんだがなあと、疑心暗鬼に駆られて、余計なことを考えつつ、串かつへと向かう。

店のカウンターにはバットが置いてあり、ここにかなりの量の串かつがある。ふーん、ここから勝手に取って食べるスタイルか。「牛はできたて、エビおすすめ」という店の人の言葉に従い、牛と海老をソースにつけてから皿に移動。



うむ、あっさりした感じで油くささはない。牛をもう一本。これが一番オーソドックスな味わいかな。

さて次は、と中身が分からぬままにとって食べると、玉ねぎだった。やっぱり温度が下がっていると、もう一つだなあと、無料のキャベツを食べつつ、しばし作戦を考える。



様子をうかがっていると、一定時間ごとに新しい串かつが揚がり、「豚玉できたて~」「イカ揚がりました~」とカウンター内を回るので、そのタイミングで「一本!」というと、揚げ立てが当たるようだ。この作戦で豚玉とイカ(写真なし)を獲得。豚玉はサイズからウズラ卵に豚肉を蒔いたものかと思ったら、マッシュポテトとひき肉の揚げ物、すなわち一口コロッケとでも言うべきものだった。



他の客の注文を見ていると、「あたため直し」というのもあるみたいだ。もっとも、一度揚げた串かつをもう一回揚げて上手くいくのかどうかは不明だ。様子を見計らっていると、最後に「牡蠣揚げ立て~」というのが来たので、これに飛びつく。



さすがにこれは美味い。牡蠣汁が口一杯に広がった所で、軽めの昼食は終了。店の流儀を把握すれば、美味い串かつに安くありつけるのだろう。ところで、記憶の隅から湧き上がってきたのだが、このスタイル、この場所、確か25年くらい前に大阪に来た時、立ち寄ったような気がする。その時も、バットにおいてある串かつを取る方式で、大きな若鶏が置いてあるので困惑したものであった。

大阪の人にとっても、ここのシステムには賛否両論あるようだ。


なぜか大阪2(5)

2018年02月10日 11時43分10秒 | ART
早く寝たせいか、3時ころから断続的に目が覚め、結果的に5時ころからダラダラ活動開始。7時に朝食ということで、昨日買っておいた天理スタミナラーメン(監修と書いてあるぞ…)を食べる。

 

白菜とニラ入り、豆板醤風味で辛くて目が覚める。この系統のラーメンは以前札幌でも、すすきの交差点の北側に店があったなあと思い出すが、味が良く思い出せない。この後、美術館の開館時間までぼんやり。

9時頃出発し、朝の塚本駅へ。土曜日とあって、人気はそれほどではない。



大阪から池田へ移動。池田駅から徒歩10分強で、逸翁美術館に到着。普段であれば、知らない街を楽しく散策するところなのだが、今日はあいにくの雨だ。冬の雨は冷たく、急ぎ館内へ。



■逸翁美術館「開館60周年記念展 第五幕 応挙は雪松、呉春は白梅」。
小磯良平「小林一三肖像画」:展覧会場の入口で当然このお方がお出迎え。
山口素絢「酔美人図」:酔った美女を女性が介抱するという、そこはかとなく色っぽい図。
円山応挙「雪中松図屏風 六曲一双」:三井記念美術館にある「雪松図」の習作とみられる作品らしい。雪を描く技法には同じものが見られる。

長沢芦雪「長春亀図」「藤花鼬図」:亀図には雀3匹、川海老2匹、鼬図にはモンシロチョウが2匹描かれた、ほのぼの動物大集合な作品。
長沢芦雪「牡丹孔雀図」:これはしっかりした色彩で描かれた作品。
長沢芦雪「降雪狗児図」:黒灰色の地にムクムクした子犬と牡丹雪。雪はもったりと大きく、19粒ほど降っている。芦雪の描き方のバリエーションはかなり幅が広い。

呉春「白梅図屏風」:藍色の布の上に白梅が描かれているので、落ち着いた色彩になっている。重文。
呉春「岩上孔雀図」:孔雀の羽根の辺り、これでもかの筆さばき。
呉春「松下游鯉図」:最小限の木の茶色と水の色。鯉が生きてくるね。

小さめだが、いい作品をゆっくりと見ることのできる美術館であった。残念ながら小林一三記念館と池田文庫は飛ばして、池田駅方面に戻る。途中で看板を発見して初めて知ったのだが、この池田市にはカップヌードルミュージアムがあるのだ。

ところがところがである。地図の距離感が分からないせいか、道路と線路が直行していないせいか(方向音痴なので、結構辛い)、ミュージアムが見つからないではないか。しかも、朝は小降りだった雨がだんだん強くなってきた。

諦めて池田駅に戻り、再び大阪に向かう。ミュージアムでマイカップヌードル(スープと具材を自分で選べる)を作りたかったのだが…。