本日は市民→道新→グランビスタ→大通→富士フイルム→オマージュ→らいらっく→三越→スカイホール→さいとう→プラニス→エッセ→紀伊国屋の13か所。
とりあえず天気が良くて良かった。紅葉も進む中、ちょっと遅めに11時頃スタート。
■札幌市民ギャラリー「第94回道展」。
伊藤貴美子「月光-3-」:月光と言っても明るいだけでもなく、暗いだけでもなく、その調和を表現するのは難しいんだろうなと思わせる作品。佳作賞ということで、おめでとうございます!
折目桃子「郷愁の向う側」:この人の作品はいつも私の目を引く。
川上直樹「国境地帯-ときの輪郭」:以前の作品よりも、全体的にトーンを抑えめで統一しているか。新会員おめでとうございます!
川尻舜「嗚呼」:ユーモラスなような、ちょっと怖いような。
佐々木仁美「令和元年7月-」:タイトルがあれだが、造作は素敵だ。
堀切健太「100 years later」:あっけらかんと明るい世界がいい。
安田眞紀子「黄金色の魚」:魚が光り、浮き出してくるようだ。
全体的にリアル(スーパーリアル)好みの私なので、いつも同じ作家名を上げてしまうのだが、変わり映えがしなさすぎるので、今回は省略させていただいた。
上記でタイトルに文句をつけているが、これはあくまでも「元号が嫌だ」というだけの事なので、特に深読みしないで欲しい。そもそも元号は今となっては役立つものではないどころか、西暦との併用で混乱を招くだけの代物である(伝統的にも一世一元になったのは近年の話なので、意味はない)。特に「元年」というのも嫌な書き方で、なぜ「令和1年」にしないのだろうか。数字の方が年数を求める時に引き算しやすいではないか。かように、下らない因習が好きではない訳である。
■道新ギャラリー「北海道イラストレーターズクラブアルファ 会員作品集『MY WORK 31』イラストレーション展」。プロの仕事、安定感がある。
■グランビスタギャラリー「佐藤綾香作品展 「蝶と祭日」」。よ、待ってました! と言いつつ、既発表作品が多い。
「音合わせ」:最近、始めたのだろうか。仏教の影響を受けた半立体の作品。平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩像を思わせる。
「静かなレモン」:無駄を削った結果、レモンだけが残ったと作者が言う作品。こういうの、好きですな。
大通公園では樹の葉が黄色く色づいている。
■三越「大黄金展」。今年もやって来ました、大黄金展が。目玉は手塚治虫生誕90周年記念、ブラックジャック先生とピノコ。
■スカイホール「山田吉泰彫刻展」。
「流木」:何点かのシリーズ作品だが、木(流木)そのものが流れ、または空を飛ぶような素敵なフォルムの作品。
■さいとうギャラリー「土井義範絵画展」。
「夢のカケラ」:これに限らず、どこか頭にひっかかる、とにかく気になる作品が多い。最新のこの作品を見て、私はクリムト「エミーリエ・フレーゲの肖像」のドレスを思い出した。
■さいとうギャラリー「伊藤隆弘彫刻展」。どこかありそうで、なさそうな形。面白い。
■プラニスホール「生頼範義展」(頼のつくりは刀の下に貝)。見に行くべきかどうか相当迷っていたのだが、これは行って良かった。いや、行くべきだった。一般的な評価としては、ゴジラ、スターウォーズのポスター等が代表作ということになるのかもしれないが、私にとってはSF本の表紙を書いている人というイメージが強い。
あらためて仕事を見ると、小松左京「復活の日」「ゴルディアスの結び目」、平井和正「幻魔大戦」、ベスタ―「虎よ虎よ!」の表紙作品などは、今でも心に焼き付いているほど印象深い。その他、雑誌「SFアドベンチャー」の表紙とかね。
私がSFづいたころには、とっくにSFマガジンはスタートしていて、値段が高いのと、今から読むかという気持ちがあった。そんなとき、SFブーム(宇宙戦艦ヤマト、スターウォーズの影響もあった)から、新しいSF雑誌が創刊されるということで、「SFアドベンチャー」は創刊号から期待して買ったのをおぼえている。その時の表紙が生頼範義だったのも、当然覚えているのである。後はレイジー「宇宙船地球号」のアルバムジャケットを制作していたというのも、「なるほど、分かる分かる」という感じである。
驚いたのはポスター「HOPE MY WAY」シリーズである。今となってはもう作られないであろう、煙草の宣伝ポスターだが、これがまるで写真にしか見えない手描きなのだ。「写真みたいに描けば良いのか」問題は置いておいて、生頼氏がここまで上手いとは思っていなかった。これを見ただけでも個人的にはこの展覧会は価値があった。
■ギャラリーエッセ「第23回 坂本勤・鈴恵・亜樹 風の詩画展」。相変わらずの坂本亜紀の精密切り絵を楽しむ。
札幌駅から100m以内にあって、この寂しさ。人類絶滅後の遺跡感はスゴイ。