本日は北のモンパルナス→北海道大学博物館→北海道大学図書館→紀伊国屋→STV時計台通ビル→Ager→STV北2条ビル→HUG→CAI02→富士フイルム→大通→三越→スカイホール→さいとうの14か所。
■北のモンパルナス「松本五郎・菱谷良一 無二の親友展」。
菱谷良一「小樽港石炭積み出し埠頭」:小屋の質感が良くとらえられた小品。この他、菱谷の版画は非常に素晴らしく、今年作成された作品もいくつかあった。
美術関係者らしき見学者と画廊のオーナーの話を横で聞いていたのだが、今回、二人のアトリエを訪問して何を借りるか決める際、画を見ながら「これはいつ、どこを描いたもの」というのをすらすら答えてくれたそうだ(お二人ともほぼ100歳)。松本氏は今年病気で入院されたとのことだが、病院のベッドでもはがき大の画を描き「リハビリだ」と言っていたそう。何よりも毎日画を描くことを自分に課しているらしい。また、その二人は展覧会初日に来札されたということで、その超人ぶりには驚かされるばかりである。
二人の美術の先生であった熊田満佐吾の作品も3点ほどあった。この人は戦前治安維持法違反で検挙されたのだが、担当になった特高氏とは戦後も付き合いがあり、作品を贈っていたとのこと。その画は息子に伝わり、さらに今回、その息子さんが展覧会に来たとか。お二人の長い絵画人生、日本の不幸な時代も含めた歴史を感じさせる素晴らしい展覧会であった。
■北海道大学総合博物館「融ける大地」。ロシア連邦サハ共和国の自然や人々の生活、そして地球温暖化の調査結果を展示する展覧会。サハ共和国はほぼ全域が永久凍土層に覆われているのだが、近年はその凍土が融け、地面が陥没する事態が発生しているとのこと。驚いたのはこの地域で使われている温度計だ。目盛りが50度からマイナス70度まである(夏も結構暑くなり、30度になったりするらしい)。
■北海道大学総合博物館「トガリネズミ展」。トガリネズミはネズミの仲間ではなく、モグラ類の仲間で、「無盲腸類」という分類になるらしい。知らなかったが北海道に4種生息しているとのこと。とにかく体が小さく、見た人は必ず「小さい~」と言わざるを得ないお姿だ。北海道新聞にも展覧会の紹介記事が載っていたが、2時間食事を取らないと死んでしまうらしい。随分、大変な生き物だな。
北海道大学の図書館に久々に行ってみたが、昔とはずいぶん変貌しているようであった。何しろサイレントルームということで、いくつかのフロアは私語が完全に禁止なのである(注意書きを見ると、相当厳格な感じ)。久々に図書館で「本が多いなあ」という気がしたが、気軽にやって来て読書をするには気詰まりかもしれないな。なお、北方資料の展示を見たので、一応、カウントしておいた。
■STV北2条ビル「札幌大谷大学芸術学部美術学科 油彩専攻作品展」。
萩原壱成「白石さん」:白石さんは何鉄かな~、なんて妄想したりして。このほかにも道展に出ていた作品も多くあったが、なかなかの力量の作品が多い。
■富士フイルムフォトサロン「喜多規子写真展「MOMENT」」。印象的な写真が多く、良い展覧会だった。
■さいとうギャラリー「佐藤武展-無窮の果て-」。
「時空の果て」:あの空の切れ目の向うをついに描いたのか! と思ったら2017年~2018年にかけての作品だった。いやー、知らなかったな。しかしながら、向こうがああなっているというのは、SF者に言わせると、いささかイージーな感じがぬぐえない。
なお、大通美術館には来年の年初に行われる「楢原武正展」の直筆チラシが置いてあった。さすがというか、凄みがある。ありがたく1枚頂いてきたが、年初のこの展覧会は本当に楽しみである。