本日は苫小牧市美術博物館「出光美術館日本陶磁器名品選-江戸時代前期の多彩な装飾世界-」を見る。ここは以前苫小牧市博物館で、時に絵画展などもやっていたのだが、今年に入って建物を一部改修し、名前に「美術」と入るようになったのである。美術館の入口の辺りは非常にきれいに整備されたが、館内撮影不可とのことで、一切写真はなし。撮影したい人は事務室へとあったので、確認をとれば展示物以外は撮影で来たのかもしれないが、ちょっと面倒だった。
さて、早速展示の品を見ていこう。今回は一部に「有機EL照明展示ケース」というのが導入されていた。これは、ケースの上下から柔らかい光で展示物を照らすもので、まぶしくなく、かつ作品を傷める紫外線がほぼないというものらしい。
「色絵孔雀文皿 五客」:やはりセットの皿はいい。何となく華やいで見える。
「色絵独釣文八角皿」:最初のコーナーは幾何学的な絵付けが多かったのだが、これは文人画とも思えるような画が描かれている。重要美術品。
「色絵花鳥文輪花皿」:蝶も描かれており、速水御舟、三岸好太郎もこういう作品を見ていたのではないかという気がする。
「色絵梅花文角皿 五客」:現代のデザインのように描かれた、生々しく赤い梅の花が目につく。
「色絵山苺文角皿 五客(九客の内)」:皿の下部に山苺の蔓がはっているような、洗練された絵付けだ。
「色絵梅花鶯文富士形皿」:富士山の形をした皿なのである。これは初めて見た。
「色絵山水文角皿」:左下に絵付け、右上の空白部分には花が浮き彫りになっているというおしゃれ作品。
「色絵海老文大皿」:緑色の波の上に黒で伊勢海老が描かれている。斬新。
「色絵蔦葉文大皿」:皿の底は黄色、縁は緑とくっきり分かれていて、箱庭のように見える。
「色絵茄子文大皿」:割れたのをついだのだろうか、Y字型に金が入って見える。面白いね。
「色絵栗文角皿」:今度は底が濃い緑、縁は黄色になっており、外界をはっきり区別する小世界がある。
「色絵孔雀文皿」:写実的な孔雀で、西洋の陶板画っぽい所がある。
「色絵紗綾文瓢形徳利」:八角形の徳利を赤・青・緑の3色で塗り分けたもの。絵柄は迷路模様というか、面白い形だ。
「染付金銀彩干網文輪花皿 五客」:干網を波のように低く、また高く吊った絵柄である。北斎の「神奈川沖浪裏」を思わせる。
「鉄釉折紙形角皿 五客(八客の内)」:紙を折ったようなデザインの皿。茶色で渋く、現代作家の作品と言っても頷ける。
いい作品に触れると、やはり心が落ち着くものである。しかし、この頃、苫小牧は土砂降りの真っ最中で、中庭に落ちる雨は尋常ではない。雨宿りがてら常設展も見ていたのであるが、2階の一部では雨漏りが発生しているようだった。
そうそう、常設展ではアンモナイトの名前の由来を知ることができた。普通、動物の名前だと思っているから、特に由来なんて考えないよね。ところがアンモナイト=アモン神(羊の角みたいのがついていて、それがアンモナイトっぽい)+石(ites)が名前の由来なのだそうだ。ちょっとびっくりした。
なお、今後の苫小牧市美術博物館の展示予定を掲載しておこう。
9/7~9/29 遠藤ミマン生誕100年記念展 勇払原野を愛して
10/12~11/24 苫小牧港開港50周年記念展 夢を形に-砂浜と原野にいどんだ時代
12/10~12/23 第7回北海道現代具象展
1/11~2/16 ものがたりをおしえて!(仮)
3/1~3/30 手で観るミュージアム 自然と造形の美学(仮)
3/1~3/30 おはなしミュージアム
やっと雨がやんだ。帰り道は徒歩で苫小牧駅に向かう。これまで撮影したことのない彫刻の写真をアップしよう。
日専連苫小牧会青年会が寄贈したもの。作者名、タイトル見当たらず。
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苫小牧駅前に戻り、小川幸造のフィギュアスケート「舞」。スケートの街、苫小牧である。
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