今回食した変わり種の魚、トクビレPodothecus sachi (Jordan and Snyder)です。
トクビレはカサゴ目トクビレ科に含まれるユニークな魚です。特徴は大きな背鰭・腹鰭なのですが、実際にはこれは雄のみの特徴で、雌のこれらの鰭は雄ほど大きくないのです。
雄の鰭を広げてみました。第2背鰭・臀鰭が団扇のように大きく広がっています。
吻にはふさ状のひげをもちます。なかなか格好いいものですが、この髭は雌雄ともにあるようです。これをさばきます。
頭を落とします。尾部の方からはうまくさばけず、やむなく頭部からチャレンジです。
肉の色は真っ白、脂が良くのっています。
体表を追おう鱗は硬いように見えますが実際はそれほど硬くもなく、簡単におろせますし、包丁で簡単にはぐことができます。このあと3枚におろして、刺身(薄造り)にします。
刺身ができました。肉は白くてわずかにほのかな赤みがあります。脂は良くのっていましたが冬ほどではないようです。でもかなり美味、やや甘みもありました。ほか軍艦焼きという独特な料理や、塩焼き、煮付けなどでもいけそうです。
★★おまけ★★
以前のビワマスOncorhynchus masou subsp.ですが、サクを冷凍してルイベでいただきました。肉の色もそうですが、食べごたえも海産のサクラマス(亜種関係にあります)となんら変わらず。味が若干異なりました。食べる魚の違いでしょうか。脂の多さは前回のサクラマスに軍配があがります。いずれも、美味しいものには違いなし。贅沢言えば醤油は甘口の刺身醤油がほしいものです。