
前の投稿で写真だけアップして忘れていたので、再度アップです。
本州にいたのではなかなか見る機会が少ないタイ科魚類、キビレアカレンコDentex abei Iwatsuki, Akazaki and Taniguchi, 2007です。
キビレアカレンコは、タイ科キダイ属の魚で、日本のキダイ属魚類は本種とキダイの2種が知られています。分布域はキビレアカレンコは奄美諸島以南、小笠原。海外では台湾とフィリピン。キダイは南日本 (沖縄と小笠原を除く)と朝鮮半島、台湾、東シナ海沿岸です。

キビレアカレンコの特徴は和名にもあるように鰭の色が黄色いことです。とくに顕著なのは背鰭で、黄色がよく目立ちました。ただ生きているとき (釣りあげられてすぐの時) は、もっと黄色が強いように見えました。

もうひとつの特徴は体側にある、青白点がつながってできている細い縦帯です。まるでイトヨリダイの仲間のような感じですね。ぜひ海の中で実物を見てみたい種類ですが、生息域がやや深く、深さ50~150mだそうです。

こちらはキダイDentex hypselosomus Bleeker, 1854。別名レンコダイ。魚類検索図鑑に括弧つきで紹介されるほど広まっている別名です。

キダイは背鰭が黄色っぽくなく薄い赤色です。本種の大きな特徴は背中にある大きな黄色、あるいは橙色斑。検索図鑑では3つあるとのことですが、この個体では確認しにくいです。背鰭も傷が目立ちます。ちなみにこの個体は沖合底曳網の漁獲物です。

体側は銀色に輝ききれいですが、体側には縦帯がありません。