5月2日~7日には恒例の「喜界島オフ会」に参加。私は3回目の酸化になった。「あらら」さんのほか、今回はIHさんというはじめてお会いする方も参加された。今回もたくさんの人、たくさんの魚と出会うことができました。ありがとうございました。なお、出会った魚は今後ご紹介いたします。
今日このぶろぐでご紹介するのは少し前にご紹介しました「シビレエイ」によく似た種。シビレエイ目・シビレエイ科・ヤマトシビレエイ属のヤマトシビレエイ。
シビレエイ目魚類は従来(魚類検索第二版)ではエイ目・エイ亜目・シビレエイ上科となっていたが、現在は目に昇格している模様。ただしシビレエイ亜目の分類については意見が分かれるところである。今回のヤマトシビレエイはシビレエイ科とする意見と、シビレエイ科ではなくTorpedinidae(ヤマトシビレエイ科)とする意見があるが、今回は魚類検索第三版に従い、シビレエイ科とした。このヤマトシビレエイを含むヤマトシビレエイ属は世界で22種が知られている。そしてその分布域はほぼ世界中の温暖な海域に及ぶのだ。日本にはヤマトシビレエイとゴマフシビレエイの2種が分布している。
シビレエイの仲間との違いは背鰭にある。背鰭の様子がどうなっているかはシビレエイの記事をみればわかる。背鰭が二つあるのでシビレエイの仲間とは簡単に区別できるのである。尾部は太くアカエイの仲間のように、尾には毒棘はもっていないが、発電器をもっているため扱いには十分注意しなければならない種といえる。
眼は噴水孔よりも離れるのがヤマトシビレエイやゴマフシビレエイ、眼の直後にあるのがタイワンシビレエイというのが同定のポイントとして挙げられているが、これはわかりにくい。尾鰭の形状や第1・第2背鰭のサイズの違い、吻の形もあわせて同定するべきだろう。日本産のもう1種ゴマフシビレエイは体に小さな黒色点があることなどによりヤマトシビレエイと区別することができる。
ヤマトシビレエイの分布は北海道~沖縄島、東シナ海までとかなり広域におよぶ。あまりヒトの目に触れないのは本種は多くが深海(~1000m)に生息しているためのようだ。ただしまれに浅いところにも見られるようで、ダイバーによって撮影されることもある。ゴマフシビレエイのほうは浅い場所にも生息し、北米西海岸の巨大な海藻、ケルプの森をバックにおよぐ本種の写真はよく知られている。この仲間もほかのシビレエイの仲間と同様に仔魚を産む。このヤマトシビレエイは残念ながら保管中に腐らせてしまい食することはできなかった。