魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ボロサクラダイ

2020年01月25日 17時20分05秒 | 魚紹介

もう2020年の1月も半分以上が過ぎてしまったが、2019年は貴重な魚に何種類も出会うことができた。これはそのうちの一種、ボロサクラダイである。ハタ科ハナダイ亜科イッテンサクラダイ属。アクアリストにとってお馴染みのキンギョハナダイとは、属の時点で違うのだ。魚好きにはおなじみの書籍である山と渓谷社「日本の海水魚」では真っ白なボロサクラダイしか掲載されていなかったので、これほどカラフルなものとは思わなかった。色も白くなく、ピンク色が美しい。

ボロサクラダイの特徴といえば背鰭の軟条であろうか。軟条がよくのび見事なものである。

背鰭の軟条だけでなく、第三棘条もよくのびる。日本産でこの特徴をもつイッテンサクラダイ属魚類にはボロサクラダイとハタタテハナダイがいる。イッテンサクラダイやマダラハナダイなども伸びるのだが、短い。ボロサクラダイの第三棘はこれらの種よりは長くのびるのだが、まだまだ長くのびる種がいる。ハタタテハナダイの背鰭第三棘は体高よりも長くのびるのである。しかしハタタテハナダイは沖縄島、小笠原諸島から知られるものの、ややまれな種のようである。

ボロサクラダイのもう一つの特徴は尾鰭の基底で、そこには明瞭な黒色横帯がある。この特徴により、日本に生息するほかのイッテンサクラダイ属魚類と見分けることができる。以前投稿したバラハナダイには、尾鰭に黒色横帯はない。

ボロサクラダイは全長20cmになり、ハナダイ亜科としては大型で肉量も多い。実際イッテンサクラダイ属の魚はアカイサキと並び、日本産のハナダイ亜科魚類としては珍しく市場に出る魚なのだ。以前ご紹介したバラハナダイも市場に出るし、このボロサクラダイもまれに市場に出る。味はかなり美味しい。

今回のボロサクラダイは印束商店 石田拓治さんより。ありがとうございました。

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